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Opendimeとは?

今回の題材であるOpendimeですが、実は過去に触れたことがあります。当時の記事をご覧下さい。(最下部にちょろっと書いてます)

Opendimeとは

カナダのCoinKite社(ガチビットコイナー企業)が製造する、ユーザーの手元に届いてから生成される秘密鍵を封入するUSB型デバイスです。公式サイトから1つあたり2000円未満で買えます(3個単位)。使い捨てウォレットのようなものですが、とてもユニークな工夫があります。

使い方はシンプルで、最初に届いたときにセットアップします。具体的には、好きなファイルをいろいろドラッグアンドドロップで移動することで、秘密鍵をランダムに作成します。(この際、乱数性は他にもいくつかの要素があるので、同じファイルでやっても同じ秘密鍵にはなりません。)
ちなみに、普通のUSBメモリとしては使えません。

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こうしてセットアップしたOpendimeにはアドレスとQRコードが含まれたHTMLファイルや、用心深いユーザー向けには偽造や不正がないことを証明する様々なファイルやスクリプトが入っています。一方、秘密鍵はどこにも見当たりません。ここがポイントです。

所有していても、「開封」しなければ秘密鍵がわからないので、開封前のOpendimeはトラストレスに譲渡できます。つまり、わざわざオンチェーンで送金しなくても秘密鍵を譲渡できるのです。

開封するときはOpendimeに示してある箇所に穴を開けます。こうすると回路が変わって秘密鍵が表示されます。開封されたOpendimeだよという旨の警告文も表示されます。この状態だと、この秘密鍵を使ってオンチェーンで送金するなどできますが、平文で保存されているのでセキュリティはかなり低くなります。Opendimeからの送金は一回きりというデザイン思想です。

まとめ

Opendimeの特徴は

・使い捨てウォレット…アドレスは1つのみ、送金は1回きり(受け取りは何度でも)
・開封しなければ秘密鍵は誰も知らない…秘密鍵をOpendimeごと譲渡できる
・開封後は安全性が低いので使い続けるべきではない
・ハードウェアウォレットより格段に安い

以上の点が、ハードウェアウォレットやペーパーウォレットとの違いです。特に、トラストレスに秘密鍵を譲渡できるというのはかなり面白い性質だと思います。ブロックチェーンに記録の残らない送金、という考え方もできます。

次は、このOpendimeをマルチシグの鍵として活用する記事です。

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