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子連れ出社の話

最近話題の「子連れ出社」に関する、自分の体験談を残しておきます。
参考になればいいんですが。

正確には「孫」つれ出社してた祖母の話、ですが。

今、育児をしている母親の環境ってホント大変だよな…と思うのですが。
私が子供の時は、共働きはそこまで多くはなかった気がします。

私の母は、私が保育園に入るとすぐ銀行員に復帰してましたし、その後も保険レディになったり、眼鏡屋さんだったりetc…、働いていなかった時期の方が極わずかな人でした。
とても印象に残っている、本題の「孫」連れ出社が始まったのは、私が小学校に入ってから。
夏休みや冬休みの期間に入っても、銀行は普通に営業してますからね。休みを取ると言っても、まとめては難しい。
ここで、理解を示し、協力してくれたのが母方の祖父母でした。当時、祖父母は都内に小さな会社を営んでいました。
といっても、祖父や他社員は営業などで会社に常時はいません。
基本的には祖母だけがいて、コツコツと事務作業をしていました。
「家族経営・小さい・孫連れの責任者が社のTOP」という3点から、孫連れ出社が容認されたのです。

じゃぁ、実際どんな感じで行ってたかというと…ざっと書いてみる。

朝:母と一緒に移動開始、某駅で祖母と合流。乗り換え駅で母と別れる。
出社:祖父母の会社の皆さんに挨拶し、決められた席(応接室)に座ったら、今日の作業指示を確認して仕事開始。午前中終了を目指します。
どんな作業してた?:いわゆる事務作業中心。一番多かったのは、領収書等の書類の印鑑押し。あとは、帳簿のWチェックでひたすら計算。
季節限定だと、年末のカレンダー巻きとか、都度届いたギフトをノートに記録、近くの郵便局や銀行にお使いとか。
お昼:社に居る人みんなで一緒にNHKの連続ドラマ小説を見ながらがお約束。でもドラマが終わるとすぐ仕事の会話が繰り広げられていて「すごいなぁ…」と思っていたものです。
13時:お昼休憩が終わったら、一度確認がはいります。午前中に終わっていなければ祖母に引継ぎして、今度は学校の宿題をやる時間に。
眠気と戦ったり、宿題の不明点を聞いても解決しなかったり…なんてこともあったけど、大きな問題はなし。ちゃんと終わってれば自由時間だったので、読書に充ててました。
15時:祖母が家事の為帰宅するので、一緒に移動。祖母宅では、家事手伝いをしたり、読書してることが多かったかな。
18時前後:仕事を終えた母が祖母宅に。3人で夕飯を食べて、母と一緒に帰宅。

ただ、メリットもあればデメリットも当然あるわけで。
メリット
・大人の目がある環境で一緒に居られるので、場合によっては相互の安心を得られる
・大人側は育児理解/子供側は社会理解がすすみやすい。
・多角的な視点や集中力、日常生活力を高めるのには向いてる。
・社内規則等が改善される可能性は高くなる

デメリット
・子供がある程度大きくないと難しいパターンの方が多い。
・「言われたことを正しく理解し、大筋で守れる」事が大前提であり必須。
・大人側が不測の事態をしっかり予測しておく必要がある。
・最終責任は絶対大人側、これは揺るがない。
・とにかく周囲の理解&協力が得られなければ絶対無理。

今でも感謝しているのは、
・疑問をそのままにすると成長出来ない、周りも変わらない。
・わからない/困ったときに相談はマスト。スルーすると後で苦しむ。
・ミスした時のリカバリーの仕方は、なかなか教われる事ではない
・結局、信頼が人生で一番大事。
・普段からの何気ない事が未来に影響を与えている
・余力がないと、疲弊するだけ
という、世の中の流れ/仕組みを理解出来た事かな。

余談ですが。
・これをしたからといって小遣い/臨時収入が増えた、という事実はなし。
・とはいえ、本やお菓子を買ってもらった記憶もあるのでトントンかと。
・昼の弁当代は母が支払っていたようです。

チャレンジ出来るならしてみてほしい。でも無理はしないで。

正直、今回の話題に上がった子連れ出社は「小さいお子さん」が対象だったので、心配になる気持ちも大きい。
とはいえ「やってみようか」と言ってくれる環境があるなら、是非チャレンジしてほしいと思う。
どんなに立派な経験があろうと、緻密な計算をしようが、1回の実践でひっくり返る事もある。だから必要以上に怖がらずに。
いきなり大きくは変わらないのが社会。
だから、手の届く範囲から、変わっていければいいね。

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