「 未定 」#55

僕は暗闇の中で目を覚ました。
全くの暗闇で光が全く見えないのだ。
一体ここはどこで、僕は誰なのだろう。
寝起きというのと全く視界を失われたことで混乱をしていた。どんな世界に属し自分は何者かであることすら忘れてしまうことがあるのだろうか。ものすごく不安になり不思議な世界に迷い込んだようだ。
少し動いたみたらどうやらベッドの上に僕は一人で寝ているらしい。
少しずつ暗闇に目が慣れて混乱も解けてきた。

そうだ、僕は、
この世界では呪われた放浪の魔術師だったのだ。

記憶喪失から悲しい現実に引き戻されたことで安心はしたがわずかに苦い失望を感じている。ここまではわかった、でもここはどこだ?

必死に記憶をたどっていく。
僕は流れる雲のように旅を続けて、ソイールの街からシーレの街に来たんだ。いったいなぜこんな旅を続けているのか。
僕はただ、僕はただ、もっとより良い世界を見たいだけだ

酒場でエール酒を飲んでなんだか踊って、ワインを飲んだ。
ワインを飲みすぎたのが良くなかった。
夜はまだ明けていない、再び眠りにつくことにしよう。
新しい世界の夜明けを夢見ながら


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