読書について

「まちがったっていいじゃないか」

森先生の「まちがったっていいじゃないか」の文庫本を以前買った。そのあとハンバーガーショップでパラパラと読んだ。でも中学生に向けて書かれているせいか、いまいち集中することができなかった。取り上げられる話題も思春期によく見られるものが多かった。確かにその年代にとっては切実な問題ばかりだけれど、今となっては再度見つめなおそうという気持ちにはなれない。あとがきで、別の方が「これは大人にも読んでほしい」と書いていた。だから買ってみたというもの大きいかった。別の時期に読むとまたちがって見えるのかもしれない。

「定理のつくりかた」

竹山先生の「定理のつくりかた」をAmazonで購入して読んだ。ポリア先生の問題解決シリーズがすごく面白かったので、それに関連する書籍だろうと楽しみにしていた。ポリア先生と同じ内容かというと所々ちがっていた。同じだったとしても再確認とか復習になるのでいいかなと思っていたのだけれど。具体的には3つのステップに分けて説明されていた。① 問題を言葉にする、② 問題を解く(証明する)、③ 答え(証明)を人に分かるカタチにする、というようなことだったと記憶している。ポリア先生とかぶるのは②ではないかと思う。一般化・特殊化する、とか、似た問題を考える、とか。ただ「解き方」ではなくて「新しい問題の作り方」として紹介されていたので全く同じというわけではない。

 自分は②についていろいろ知るのが楽しかったので、①や③は少々飛ばし気味で読んだ。実際に研究するとなると、あるいは学校で自由研究としてやるとなると、①や③も大切になるから説明してあるのだろう。そういう意味ではポリア先生の場合とは読者が違うだけなのかもしれない。

 所々飛ばして読んではいたものの、問題解決について、古い本ではなくて最新の新刊で学びなおせたのはとてもよかった。文章もとても分かりやすく書かれていて、図表やグラフもきれいだった。本の装丁とかデザインもよかった。全部で3章あるのだけれど特に1章は何回か読み直そうかと考えている。2章は具体的な手法の話だし、3章は、1、2章の内容を「ピックの定理」について展開したもののように見えたから。

 こういう問題解決について書かれた本は、そんなに多くはない気がするのだけれどどうなのだろう。現実的には、こういう「メタ」的なことまで考える余裕はないのだろうか。でも確かに「メタ」のことばかり考えて、ひとつひとつの具体的な問題をあまり考えないのだと本末転倒になるのだろうか。やっぱりこういう「メタ」的なことは、ひとつひとつの「具体例」があって初めて生きてくるものなので、「具体例」に関する本のほうが多いのかもしれない。

「数学文章作法」

 このごろTwitterやメールマガジンなどを読んでいることもあって、結城先生の「数学文章作法 基礎編」を読みなおした。「理科系の作文技術」と同じようにテクニカルライティングについて書かれている本だ。特に何か書きたいものがあるわけではないけれど、なんとなく読みなおした。すると結構いろいろな発見があった。というかほとんど忘れていたので初めて読んだ感じがした。さすがにメインテーマは覚えていたけれど。

 自分が何かすでに人へ伝えたいことがある人に向けて書かれていた。なので実際、伝えたいことが何かあるのかよく分からない自分にとってはすぐ役に立つかはよく分からない。まあその時のために今読んでおこうかと思った。あるいは「伝えたいことがあるだろうか」ということを考えるときに、自分のあいまいな頭の中をまとめるのに役に立つかもしれない。とりあえず楽しんで読めたので今は満足。

「新・数学の学び方」

 次から次へと、とは思うもののまた新しい本を買った。「新・数学の学び方」である。3000円近くした。文庫本に比べると約3倍の値段だ。高い。財布の中の1000円札が1枚だけになってしまった。でもkindle版も文庫本も出ていないし、やむを得ず単行本を購入した。「値段に見合うのだろうか」とか考え始めると何も買えなくなるし、毎回そんなことイジイジ考えるのもよくないなと思って、ほとんど衝動的に本をレジへ持っていった。最近フリマアプリも使えるようになったし、読み切れなければ出品すればいいやという気楽さも影響している。