見出し画像

ひき算のひび

中止にしましょう。延期にしましょう。ずいぶんと予定表の白いところが増えてきました。なにをもって不要不急とするかはそれぞれだとおもいますが、大きくなりすぎた自分のなかにあった本来の自分が少しは見えてきました。

仏教は引き算だといろいろこねくり回さなくともこういうときにボロボロと崩れ落ちていくものなのかもしれません。

こうしてインターネットを通じて未だお会いしたことのないかたとのつながりに支えられている日々ですが、このつながりは、いつの日かお会いできることを楽しみにしていたつながりでもあったと思います。

そう、実際にそうやってお会いしたときに「なんだかはじめてお会いしたとは思えないですね」というあれです。

この一ヶ月あまり、ずいぶんネットとつながる時間も減りましたが、ようやく白い予定の過ごし方、リズムがわかってきたようで、すこしずつ再接続する時間をとるようにしています。

と同時に、少しこれまでとは違った感覚を覚えています。それを端的にいうなら、With コロナ、After コロナの世界とは、いつかお会いできる日を前提にしない新しい世界なのかもしれません。

こういう風に書くと極楽浄土で会えるじゃないか、お前の信仰はそんなものだったのか、とお叱りを受けたりするんですが、あくまでこの世においての話です。あなたがいう極楽浄土、倶会一処はあなたが会いたい人とだけ再会できる場所ではないか?と突っ込みたくなってまたイライラするし。

まあ実際のところ、極楽浄土で会いたいと思える人がほとんどいないつまらない人生を送ってきた自分がより際立つのです。それよりは、仏になって、この世で苦しむ人を救いに帰ってきたいという思いが募ります。

彼の国に到りおわって六神通を得て、十方界にかえって苦の衆生を救摂せん

一斉休校要請以来、連日お母さんたちからの助けての声が届いています。素人集団ですから、こういうとき、自分たちの考えの浅さ、甘さが如実に現れてきます。

それでも微力ですが、全国のお寺に足を運び、こんな時でも、こんな時だからと手を合わせ、仏さまにあげてくださる「おそなえ」を、苦しむものを救おうとされる仏さまからの「おさがり」として、必要なお母さんはこどもたちに「おすそわけ」していきます。

2020年3月29日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?