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"全人格勝負時代"!ソーシャルキャピタルが溢れた人は起業家になる

突然ですが、皆さんは「何キャラ」でしょうか?

ちなみに私は「コンビニの新作菓子パンは全てチェックするキャラ」ですが、このキャラが人生の助けになった試しが過去に一度もないので、そのキャラを表明する機会もありません。

一部のコミュニティでは、「コーヒーの人」とか「リアルテックおじさん」と言った誉な二つ名も頂いていますが、それぞれのコミュニティに属しているメンバーは全く違います。


これは特別なことではなく、平野啓一郎さんの言葉を借りると「分人」と呼ばれるもので、会社での自分、趣味に興じてる時の自分、家族といる時の自分…。それぞれで役割も変われば、人格も変わります。

インターネットの台頭により、分人は加速しています。場所という制約を溶かし、コミュニティは国境を超え、人々は自分の居場所を見つけることができました。

それによって「炎上」という単語をはじめ、新しい負も生まれたのも確かですが、リアルのコミュニティでは認知度が高くない人でも、インスタグラマーやYoutuberとして活躍し、居場所を確立してる人もたくさんいます。

「分人」という考え方は、セーフネット的なもので、救いにも通じるものですが、今回話したいのはコミュニティをポジティブなドライバーにするソーシャルキャピタルについてです。

ソーシャルキャピタルという単語は最近色々なところで耳にする機会も増えていると思うので、詳細な説明は省きますが、超簡単にいうと、

これまで「資本」(その人の価値を表す尺度)というと以下が挙げられました。

・資産額
・土地を持ってる(持ち家神話的な)
・一流企業に勤めているか

対して、Society5.0に代表されるポスト情報社会の文脈にも通じますが、
あらゆるモノのデータが取得できる時代においては、上のような特定の尺度に関わらず、その人の価値を測ることができるようになります。

・人との関係性(友人・知人の数と質)
・資格とかではない特殊技能・技術
・一般的にはそれほどの価値はないが、特定の人にとって価値が高いもの

この辺りに着目してビジネスを進めているスタートアップが非常に増えていて、メルペイはその代表的な存在です。(「VALU」、「タイムバンク」、「Financie」とかも)

前置きが長くなってしまいましたが、本題に入ります。

現代社会において生き残れそうな人

仕事柄色々な人に会います。学歴・職歴もピカピカな人はたくさんいますが、自分のキャリアに不安を持っている人もまた多いです。彼らは一体何が不安なのでしょう?
逆に、自分の将来に関する不安など省みず、「コトに向かっている」人たちもいます。彼らとの違いは一体何でしょうか?

「コトに向かっている」人にはいくつかの要素がありますが、総じて以下の2つを持っている人が多いなと思います。

1、志がある
2、ソーシャルキャピタル力が高い

この2つは密接に繋がっているというのが持論です。つまりソーシャルキャピタル力を養うことで、自分の社会的な立ち位置が相対的に解るので、結果として志(やりたい事)が見つけやすくなる、という構造です。

そして、ソーシャルキャピタル力が高い状態とは、分人が重なって強力な自分が形成された状態(全人格勝負)であると考えています。

図示するとこんな感じ。

例えば、コーヒーのコミュニティに属している人の中にはエンジニアの人もいるかも知れません。私がコーヒーのコミュニティの中でも「リアルテック・ものづくり系の会社に明るい」というキャラを自己開示していれば、何かの拍子に連絡をくれるかも知れません(似たような話は実際よくあります)。

それぞれのコミュニティに属していることを自己開示することでベン図の重なる面積が多くなって全人格が形成される、という感じです。

ソーシャルキャピタル力の養い方

「ソーシャルキャピタルは1日にして為らず」という言葉があるかどうかは定かではないですが、能書きばかりでは絵に描いた餅ですので、いくつか実践できる方法をお伝えします。

1.「自分は何者なのか」という旗を掲げる
冒頭の"何キャラ"の話に繋がります。ソーシャルキャピタル力が高い人は、総じて自己開示が上手い人です。
例えば、FBの友達ページを開いてスクロールして見てください。上からみて、「Aさんは●●が得意」「Bさんは確か▲▲が趣味」、、という感じで、自己開示を一定している人であれば、キャラ付けが自然とついているはずです。
決してリア充アピールではありません。できればストレスなく、サステイナブルにアップできるものが好ましいです。

2.新しく出会う人に自分のキャラを認知してもらう
初対面での印象付けも大事です。名前は覚えてもらえなかったとしても、「そういえば今日の集まりでやたら●●について熱く語っていた人がいたな」という程度の認知でも十分です。
ただし、その1回の出会いで途切れないように、その場でFacebookの交換はマストです。

注意点としては、
あなたのキャラが「お金になる」と踏んで、悪意ある人が寄ってくる可能性はあります。近寄ってくる人があなたの支援者なのか、支援者の皮を被った悪意ある人なのかを見極める力を身に付けなくてはいけません。

3.自分のキャラを出すことに寛容な組織・会社に所属する
実はこれが一番大事。自分の活動をSNSで開示することを良しとしない会社が未だ多いです(特に大企業)。
自分が何者であるかを日常的に開示していれば、必ず誰かが見てくれています。
私の知り合いで、日常的に自分の活動をSNSにアップしていて、界隈では名前も知られている人がいるのですが、その人がTwitterに「会社を辞めます、次は決まっていません」と書いたところ5人くらいの人から「一緒に仕事しましょう」とか「ちょっとの間で良いので手伝って」というコメントを受けていました。

「学歴・職歴もピカピカな人だけど、自分のキャリアに不安を持っている人」は、今の会社を出ると決めた時に、社会で相対的にどのくらい通用するかを、その時になって初めて考えるからではないでしょうか?

常に社会と繋がっている状態を作ることができれば自分の相対的な立場を把握しやすくなるかなと思います。
(この辺りは北野唯我さんの「上司を見るか、マーケットを見るか」が解りやすいです。)

もし今所属している会社がそういった活動をしづらいようであれば、さっさと辞めてしまったほうが良いです。

逆に、自分の活動をSNSで開示することを良しとしているにも関わらず、それをやらないのは宝の持ち腐れです。

起業家はソーシャルキャピタル力が上がりきった人

起業している人は全てが生まれた時から志を持っているわけではありません。原体験や、何かのトリガーが発動して起業に至ることは有り得ますが、彼らの多くは「世の中を変えるには自分一人では成し得ない」ことを知っています。
だからこそ、「自分のソーシャルキャピタル力をあげる事」に力点を置いて行動している人が多いですし、実際にソーシャルキャピタル力が上がりきってから起業に踏み切っている方も多く見られます。

言葉を選ばずにいうと、要は「人たらし」です。自分に足りないものを認識していて、自分に足りないものを補ってくれる人を知っていて、その人との関係性をしっかりと創っている人です。

簡単にできるのは人と繋がる事

色々書きましたが、まず簡単にできることは人と繋がることだと思います。人との関係性の中で自分の立ち位置を知ることができ、その先にやりたいことや目指すことも見つかるかなと思います。

繰り返しになると思いますが、「ソーシャルキャピタルは1日にして為らず」なので、まずは少しでも興味の持てるコミュニティに参加して見るなど、行動に移すことをオススメします。


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