見出し画像

絵作り(余白)のハナシ

こんにちは。就労継続支援ビルドの秋田です。
ビルドは札幌市でグラフィックデザインとイラストの作業(たまにハンドメイド)をメインにしている就労継続支援B型事業所です。

今日は絵を描くときにもデザインの知識技術が役立つよ?のハナシです。

この話、何回目だっていうところですけど
仕事で資料作ったのでここに公開したいだけなのでお付き合いください。

きっかけ

ビルドではこっそりひっそりイラストACもやっています(表に出す活動、いろいろな名前でやってます)。
ビルド名義でリリースしているPIXTAと違い、イラストACに関してはクオリティコントロールはそこまで行わず、利用者さんの裁量にまかせています。希望があればお題を出したり、権利関係・データに不備が無いかという確認は行うし、素材イラスト系はレイアウトの調整などをサポートしますけれど、納期含めて仕事の縛りが少ない作業です。(とはいえ、他者に買ってもらう!というプレッシャー?気負い?がある人にはあるのですけれど)

レイアウト調整については「自分でできるようになりたい」という人もいれば、「配置はおまかせ」という人もいてそれぞれです。
今回は、自分でできるようになりたい人に説明資料を作ったのでした。

デザインにはセオリーがある

最初は担当指導員にこのサイト見てもらって、絵に落とし込んで説明してみて~と指示したのですけれど難しかったようで…

情報量が多すぎましたね。
なんでも一気に全部詰め込むのはよくありません。
まずはこれだけでも覚えていってもらいましょう。

ズバリ

余白と整列


余白

実際の添削資料を見てください。

余白が狭く、内容がびちびちに詰まったことを示す図
緑色の部分が余白、黄色が内容

外側の余白は、マージンとも呼ばれます。マージンが狭いと圧迫感があって窮屈な印象になります。

表面張力ギリギリのコップのイラスト

コップの水があふれそうなイメージで表現しました。
画面から要素がこぼれ落ちそうでそわそわします。

たとえばA4の紙にデザインするときは200mm×287mm(A4のサイズから10mm引いたサイズ)の長方形を配置してガイドを作成し、マージンの目安にします。
ビルドでグラフィックデザインを勉強する皆さんは紙のデザインをメインに基礎を学ぶので、最初に学ぶ基本のキです。

マージンを10mm取った画像。適量の水が入ったイラストを添付している。
マージンを10mm取りました

余白を多めに取ることで、余裕のあるデザインになります。

余白が狭い配置と広く余白を取った配置を並べた画像
錯視的なもので、同じサイズの画像なのに違って見えますね

整列と余白

各種オブジェクトの配置でも余白を意識しましょう。
まずは添削前。

オブジェクトがぐちゃぐちゃに配置されていて文字との距離も近い
ごちゃごちゃ…

左サイドの整列はできているのですが、個々のオブジェクト同士の縦横は整っていませんので整理整頓されていない印象があります。
まずは余白感・サイズ感はそのままにオブジェクトを整列させてみましょう。

複数のオブジェクトをマルで配置。配置する目安の枠よりはみ出ている。文字のサイズも大きいのでオブジェクトとの距離感がぎゅうぎゅうになっている。
ぎゅうぎゅうづめ

整った印象になったと思います。
ただし、目安にひいたラインよりはかなり大きくて、ぎゅうぎゅうづめです。

バイキングでお皿に山盛り料理を載せているイラストを追加しました
もりもりのお皿をイメージしてください

目安にひいたラインの中でも余白を意識してみましょう。

オブジェクトのサイズを少し小さくして配置した図

たとえていうなら懐石料理やフレンチのコース料理のように大きな器に、ちんまりと上品にお料理がのっているイメージです。

レイアウト調整前後で並べました

オブジェクト大きくなりがち問題

↓このときのnoteでも書いているんですけど

とかく初心者はオブジェクトぎゅうぎゅうに詰めがちです。
逆を言うと、オブジェクトを小さめにお上品に配置するだけで上級者っぽく見えるということでもあります。
圧迫感や迫力を出したいときはぎゅうぎゅうづめがいいですね。

大きくしがち利用者さんにお話を伺ったら「これで見えるのかな?」「これで伝わるのかな??」と、終始不安に感じているとのこと。

模写するタイプのデザイン本を模写してもらったり、世に出回っている広告物の余白を定規で計ってもらったりと数字で覚えていくことで解消させていく不安なのですがイラストの人は学ぶ機会が少ないんですよね。

いいなと思った絵の構図を図形にして分析してみると、意外と学びがあるかもしれません。

自分はイラストをやりたいからデザインはやりません!という人も、デザイン苦手なんです…という人も、せっかくの機会なのでビルドでデザインの基礎を学んでみるといいかもしれないですね。
ビルドのスタッフは、なんとなく両方できる人が多いです。
お問い合わせは随時受け付けておりますよ。


いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。