学童・放課後支援崩壊を改善するには?~施設改善編~

10年間、学童支援員の仕事をしていると、リーダーの異動に伴い施設が荒れたり、異動先の施設が崩壊したりすることがあります。私は、子どもが映画の不良学校のように誰それ構わず暴言・暴力・はさみを投げる施設で仕事をすることが何度かありました。そのような場所でお仕事していませんか?


解決方法は、意外と簡単なんです。支援員が極力子どもに手をかけない施設を作れば良いのです。もし「この状態を改善したい」「どうしたら良いかわからない」という学童支援員の方がいましたら、参考に読んでいただけたらと思います。


崩壊施設の共通点

崩壊施設の共通点は、次の4つです。

・施設長がズボラ
・物が多い
・片付ける場所が不明
・施設自体が汚い


私達は、とくに好き嫌いをはっきり言う子ども達から信頼を得なければいけません。

リーダーがダメだからと施設改善を諦めていると、仕事の質・保護者・子どもの信頼を損ねます。保護者は、「こんな汚い施設で子どもを預けるのは衛生的に不安だ。でも職員はこれで良いと思ってるのね」と思ってしまい、親からの信頼をも失ってしまいます。


そのためまずはリーダーに施設の改善を求め、無理だったらエリアマネージャーに相談する等、施設の改善に努めるべきだといえます。(施設のビフォーアフターの写真を取り、施設改善の書類として提出できるように準備することも忘れずに)


施設を見直し「静」と「動」を分けトラブルを避ける


まず、施設を見直して改善点を探します。大事なのは、室内の玩具や配置の確認すること。もしあなたが勉強中に横で遊んでいる人がいたらどうでしょうか?落ち着かないし、トラブルの原因になると思いませんか?


改善策としては、「静(静かな場所)」と「動(遊ぶ場所)」を区切るようにしましょう。狭い施設の場合は、時間を区切るなどの工夫も必要です。(学習・読書の時間の設定等)


できれば、受付業務の周りに「動」を配置しないようにします。保護者からの電話で聞き間違いなどのトラブルの原因になりますし、子どもに静かにするように注意をしなくてはなりません。大人の都合で電話が来たら音量を下げるのは困難ですので、基本的に受付周りは、静を置きましょう。


おもちゃの数を減らす

おもちゃが多いかどうか判断するのは難しいと思いますが、複数(4~6人)で遊べるおもちゃは残し、少人数でできる遊びを減らします。少人数でしか遊べない玩具は、無理やり取られたり、交代を守られない等、とくに崩壊している中、1~6年まで利用する施設では
トラブルの原因になります。


誰でも参加できるトランプやボードゲームを多めにし、異学年交流ができる遊びにしてください。また、本を充実させ少人数で一緒に読める本を提供するなど工夫を凝らしてください。(例:ミッケ、ウォーリー等)


片付けやすくする

玩具を片付けない原因は、どこにしまえばいいのかわからないからです。こどもは、しまう場所を探す時間よりも、早く次の遊びに行く時間がほしいのです。玩具の数が少ない施設は、片付ける場所を写真付きで貼り明確にする。玩具が多い施設は、ここの玩具棚に置けばOKにするなどどちらでも良いです。


とくに玩具の数が多い施設は、後者がおすすめです。前者にすると片付け場所をたくさん覚えないといけないので逆に片付けなくなります。おもちゃにシールを張り緑の棚に入れるor赤の棚に入れるなどわかりやすくするのも工夫の一つです。


まとめ
このように改善することで、子どもに注意する機会・子ども同士のトラブル、手をかけることが激減します。


ですが、崩壊施設の本当の大きな問題点は、「手がかかる=手がかかる子どもほどかわいい、私がいないとダメなんだ」と考える自己承認欲求の職員がいることです。その職員が足かせとなり、現状維持を余儀なくされるケースも多いことでしょう。


そんな時、子どものためになるのか、自分が子どもだったら嫌だなと思うところを考えてメモに残してください。(今、使えなくてもその思いは今後、経験として使える日が来ます。)


そして改善の前には、常勤・パートに関係なく常時、現状の施設を話し合う時間を作ってみてください。改善するには協力者が必要です。職員間の関係も良好になると、様々なことを気兼ねなくお仕事がしやすくなりますよ。


今、苦しんでいる支援員さん、まずは、職員間で会話をすることから始めて改善に向かっていくのはいかがでしょうか?