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監査。。


昨日の夜21時頃のこと、
わたしが用務員として
勤務している保育園の園長先生から
一斉通知が来た。

『明日、監査があります。
 必ず全員名札をつけて勤務に
 あたってください』

という、短い通知だった。


保育士の先生や調理の方々
など、常勤非常勤問わずに
こんな一斉通知が来るとは予想外。


会計監査が中心じゃないのかな?
なんで、わたしまで名札が
いるのだろう?


誰かピックアップされて
何か言わされるのかな?


と勝手に妄想してたら
ドキドキしてきたので
そのままくすり💊を呑んでから
眠りに落ちた。


翌日の今日の14時頃

「監査の方々ご一同さま』

がなんと10人近く
保育園にお越しになった。


『マルサの女』
を彷彿させる勢いだった。
顔はにこやかだったけれど。


ご一行さまが保育園に
入ると同時に
全ての相談室や休憩室
事務室は、ほぼ必要最低限の
用事がない限り
実質入れなくなった。



法人内の内部監査かと思って
いたら、県と市両方の担当の方々
の監査だったらしい。


今の勤務先の保育園は、
昨年開設したばかり。


昨年はどうだったのかな?
と思い


併設の
市の子育てサロンの館長さまに
ちらっと外で話せたので
事情を伺うと

『今までは、567のせいで
 監査に人が来られなかったの。
 だから、今回はこの園が始まってから、
 初めての監査だから大変なのよ』



と教えてもらえて納得した。


監査で要求されたあらゆる
関係書類を揃えるのに


事務方のいつもほんわかした
担当女性も目がキッとなり
業務にあたっていた。


いつもは、お菓子が並ぶ平和な
休憩室も、
全てのお菓子や箱類が戸棚に
しまわれ監査室と化した。


わたしは、最低限の片付けが
あったので、ドアが空いていた時に
休憩室にさっと入れた。


中に入ると、監査の二人組の
方々がたくさんの業務日誌や
記録をつぶさにチェックして
小声で話し合っていた。



休憩室は、フロアマットだけの
場所なのだが、
監査の方々がフロアマットの上に
正座を崩しているのに対し


園長先生と調理担当の方が
板の上にきちんと
正座しているのを見て


どう見ても取り調べ(室)
にしか見えなかった。


色々さらに細かい
チェックと事情聴取⁉️
が行われていたようだ。


監査は、約3時間。


わたしが退勤する少し前に
監査のご一行さまは、
保育室もすべて視察して


たくさんの書類を押収され
割と朗らかな表情で
保育園を出られた。



と、外に出られてすぐに
門の外でわたしはばったり
ご一行さまに
遭遇してしまった。


『お疲れ様でした。
 ありがとうございました』


と、とわたしは咄嗟に
懐石料理の接客で学んだ姿勢で
少し笑みを浮かべ深深と一礼し
お見送りした。


内心血の気が引いていたとは、
誰も思わなかったことだろう。


保育園は、大切なお子さんたちを
お預かりするところ。
だから現場で起こっている
業務監査がとても厳しいのだな
と初めて実感した。


監査の方々が出られた
保育園の中は書類が
ひっくり返ったままだったが
ホッと気が緩んだ気配があった。


わたしは、そのこととは別に
監査の方々がお履きになっていた
全てのスリッパを眺めていた。


『明日、このスリッパ全部
 消毒しないとね〜』


現実的なつぶやきを
胸の中でした。


でも、大きな監査は今年は
これで終わり。


職員みなさんの名札は
尋問に使われなかった。


それだけでもホッとした。


無事に終わった監査に
心から感謝。


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