いつも文學界noteをご愛読いただきありがとうございます。
今年も残すところわずかとなりました。今回は文學界noteで2023年に公開された記事の中から、よく読まれた記事10位までをご紹介します。
※ランキングは、2023年12月20日現在の閲覧数を元に作成しました。
【1位】市川沙央⇄荒井裕樹 往復書簡「世界にとっての異物になってやりたい」
文學界新人賞ご受賞直後・『ハンチバック』書籍化のタイミングで文學界に掲載された、市川沙央さんと荒井裕樹さんの往復書簡。市川さんが執筆にあたり大きな影響を受けたと語る『凜として灯る』の著者・荒井氏との、社会の「健常者優位主義マチズモ」をめぐる対話です。
noteで全文公開をしたところ、広く読んでいただきました。市川さんの文學界新人賞のご受賞・芥川賞のご受賞からは既に半年近くたちますが、今でも定期的に「スキ」がついている記事です。
【2位】市川沙央さん『ハンチバック』試し読み
第1位に引き続き、市川沙央さんの記事が読まれました。こちらは、文學界新人賞を「ハンチバック」が受賞した直後の、受賞作試し読み記事。
冒頭がいきなりHTMLタグ、そしてその内容はハプニングバーの潜入記事——という衝撃の書き出しでも話題を呼びました。
単行本『ハンチバック』の情報は下記からどうぞ。
【3位】高橋弘希×ピエール中野「ロックバンドは終わらない――邦楽ロック五〇年クロニクル」【対談】
文學界12月号では、高橋弘希さんの音楽エッセイ『近現代音楽史概論B——邦楽ロック随想録』の発売に合わせて、ピエール中野さんとの対談を掲載しました。こちらの全文公開も、広く読んでいただきました。
同世代にして、埼玉県育ちでもある、という共通点をもつお二人が、九〇年代~二〇〇〇年代を中心に、邦楽ロック五〇年の歴史を語りつくします。
もちろん凛として時雨についても熱く語る、高橋さんの『近現代音楽史概論B——邦楽ロック随想録』の情報はこちらから。
【4位】蓮實重彥「ある寒い季節に、あなたは戸外で遥か遠くの何かをじっと見すえておられた」【追悼 大江健三郎】
2023年3月3日、大江健三郎さんがお亡くなりになりました。4月に発売された文學界5月号では大江健三郎さんの追悼特集を組みましたが、その特集の中からnoteに転載した、蓮見重彦さんの追悼文がよく読まれました。
【5位】吉本ばなな「思想だけが人と人を繫ぐ――『小説家としての生き方』を語る」【特別インタビュー】
文學界11月号掲載の吉本ばななさんのインタビュー記事です。最新作『はーばーらいと』や、『小説家としての生き方 100箇条』などについて、お話を伺いました。
【6位】円城塔✕千葉雅也✕山本貴光|GPTと人間の欲望の形【鼎談】
ChatGPTをはじめとする生成AIも、この一年間を通じて大きな話題であり続けたトピックでした。文學界では8月号で、円城塔さん、千葉雅也さん、山本貴光さんにご登場いただき、ChatGPTなどについてお話いただきました。
【7位】乗代雄介「それは誠」【創作】
文學界6月号掲載に掲載された、乗代雄介さんの「それは誠」試し読みがランクイン。修学旅行で東京を訪れた4人の高校生たちは、自由行動の一日を使って、とある場所を目指す——。先生にもはもちろん秘密の、小さな冒険を描いた中編小説です。
『それは誠』は既に単行本が発売になっています。詳細・ご購入はこちらからどうぞ。
【8位】菊間晴子「『受胎小説』の引力——『ハンチバック』論」【作品論】
8位には、『犠牲の森で 大江健三郎の生死観』で東京大学南原繁記念出版賞受賞作をご受賞された、菊間晴子さんによる『ハンチバック』論が入りました。掲載は文學界9月号です。
【9位】岸政彦|ギターは個人に寄り添ってくれる、どこか寂しいもの【特集 作家とギター】
文學界2023年4月号の特集は「作家とギター」。特集の中では、6人の作家にご自身とギターについて語っていただきました。その中から、岸政彦さんのインタビューをnoteに掲載しました。
【10位】“your true colors shining through”――川上未映子『黄色い家』を読む|柳楽馨
2023年2月に発売になった、川上未映子さんの長篇小説『黄色い家』。文學界4月号では、柳楽馨さんに書評を寄せていただきました。
この冬休みに『黄色い家』を一気読みするのも楽しそうです。
ちなみに、同じく文藝春秋から刊行されている文芸誌「別冊文藝春秋」では、川上未映子さんのインタビューが掲載されています。こちらもぜひ、合わせてお楽しみください。
最後に
「文學界」は2023年9月号から、電子版の発売もスタートしています。もし気になる記事があれば、ぜひ雑誌を買っていただけたら嬉しいです。
※下記はKindle版のリンクです。
今年も一年間、「文學界」をご愛読いただきありがとうございました。
どうぞよい新年をお迎えください。