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ズル休み大好き音楽大好き


昔から「ずる休み」が大好きだった。ちょっとでも熱があれば休み。親に電話をさせて休む。「その日、一日中、天国のように感じたものだ。」と謙也は、小中学校時代を振り返った。その癖は、会社員なってからも発作のように出た。流石に女房や親を使う訳にはいかないので、病気のような声に変えて電話した。

辞書によると、ずるとは、ずるいこと。怠けること。不正をすること。また、その人。「狡をする」「狡をきめこむ」だそうだ。政治家や役人のためのワードだ。無職の今、「ずる休み」はない。ただ、毎朝、妻と散歩をするので休みたい時にずるをする。妻の優子は、絶対にずるをしない性格で、ほんとうの病気になってしまう。

優子は、去年までは、春近くなると頭痛や疲労で寝込むことが多かった。精神的に疲れることが多い。最近は、瞑想、冷えとりなど体メンテをしているので軽い症状で済んでいるようだ。

謙也は、すこぶる元気だ。今朝も木端を切り、湯を七輪で沸かして、食洗機の洗ったものを片付け、珈琲を沸かした。その後、サボっている。そこそこ、雑用をこなした後だ。「ダラダラした感覚が大好きだ。読書したり、スマホをいじったり、妄想したりする時間が大好き。」だと思っている。

自分で納豆とたまごのぶっかけご飯を食べた。「生意気だが、この世にいる」と謙也が実感する瞬間だ。最近は、昔の音楽に出会うと元気が増す。スマホで見ている。「便利になったものだ。瞬時に検索して好きな音楽が聞けるんだから」と謙也。

70年代の沢田研二、ピンクレディー、アリス、山口百恵、矢沢永吉、サザンオールスターズから始まり、サーカス、ツイスト、渡辺真知子、中島みゆき、ハイファイセットなどフォーク、演歌、ポップスを問わず聴いている。

80年代の中森明菜、工藤静香、ウィンク、中村あゆみ、小泉今日子、吉幾三なども好きな謙也。90年代の高橋真梨子の「はがゆい唇」は、何度も聞いている。意外にもオタクっぽいが、松浦亜弥と藤本美貴のGAM時代の歌も好きな謙也。音楽的な観点よりも面白さや懐かしさが優先されるようだ。

YouTubeのリストに載ってくると懐かしい曲をランダムに聴く。ノーランズやショッキングブルーの「ヴィーナス」、ドイツの三人組アラベスクのディスコメドレーなども外国の曲も聴く。もちろん、ディスコクイーンの「アバ」なども画面にロールアップされれば、聴いている。ダンス曲は、ディスコブームを経験していたので、聴き慣れていることもあった。

GOGOクラブの時代からディスコへ、ディスコからクラブへとダンスシーンは、変化していく中で、音楽は常に耳に入る。そのお陰で、曲名は知らなくても曲だけは覚えてしまう。謙也は、ジャズに凝ったことがあったが、全体的にはフォークソングが親しみがある。

音楽界は、秋元康がプロデュースするAKBグループの坂道シリーズ、乃木坂46、櫻坂46、日向坂46、吉本坂46ら一連のアイドルグループが大活躍している。もう大勢すぎて何が何だか分からないのが現状だ。ただ、若者たちが活躍している姿に感動する。若者がどんなに少なくなっても、「歌は世に連れ 世は歌につれ」と言われる。だから彼女たちの歌も聴く。

「歌は世の成り行きにつれて変化し、世のありさまも歌の流行に影響される。 ある時代によく歌われる歌は、その時代の世情を反映しているもの」だそうだ。謙也も同感する。歌でどれほど助けられたか知れない。悲しいとき、寂しい時、楽しい時、嬉しい時、まさに喜怒哀楽とともに寄り添ってくれた歌に感謝しかない。1967年にザ・フォーク・クルセダーズの曲で「帰って来たヨッパライ」というコミックソングが大ヒットした。

こんな内容の歌だった。
『飲酒運転で交通事故を起こして死亡した、東北弁を話す主人公が長い雲の階段を通って天国へ登るが、その天国でも酒と美女に浮かれてばかりだったため、関西弁を話す「怖い神様」からの「お仕置き」で天国を追い出されて生き返る顛末を、テープの高速回転による甲高い声と伴奏で語る歌である。』Wikipediaより

こんな曲も思い出の一つだ。1967年といえば、10月に英国モデルのツイツギーが来日した。小枝くらい細い体にミニスカートを履いた彼女は、ミンスカートブームの火付け役となった。ミニスカートブームは、今では信じられないが、おばちゃんまでミニスカートを履いたほど普及した。そんな時代もあったと謙也も笑っていまう。世の中は、激しいスピードで変わった。しかし、変わらないの人々の心の中だと思う。弛まむ好奇心だ。これが社会を動かしている。

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