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陸のクラゲで寺院再興 龍谷大学が栽培開始

 ※文化時報8月22日号の記事です。

 龍谷大学農学部が滋賀県多賀町の栗栖地区で、藻類の「姉川クラゲ」を用いて寺院と地域を活性化する取り組みを進めている。浄土真宗本願寺派西願寺(堂正史住職)の協力で7月から栽培を開始。安定供給することで、独自に開発した「姉川クラゲそば」を定着させる計画だ。

 姉川クラゲは一般的に「イシクラゲ」と呼ばれ、湿った地面などに自生。かつて滋賀県の姉川流域で食用にされた記録があるが、現在は消えつつあるという。過酷な環境下でも生き延び、抗酸化・抗炎症作用や血中コレステロールの上昇を抑える働きがあるとされる。

 龍谷大学農学部は今年3月、姉川クラゲを練り込んだそばを開発。衛生的な環境での安定供給を目指し、栽培に乗り出した。

 培養実験では、日当たりの良さやカルシウムを豊富に含むアルカリ性の水が必要なことなどが分かり、条件を満たす場所として栗栖地区を選んだ。農業用ハウスを設置し、常住職や門徒らと共に栽培している。

 栗栖地区は西願寺を中心とした典型的な過疎地域でもある。姉川クラゲの栽培を成功させ、新たな特産品として周知することで、地域活性化や寺院復興につなげるのが狙いだ。

 龍谷大学農学部の玉井鉄宗講師は「姉川クラゲは紫外線を吸収するため、化粧品などの用途にも可能性が広がる。栽培がうまくいくよう試行を重ねたい」と話している。

 ※8月27日、1カ所を訂正しました。

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