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本日の「読了」──イワユルヒトツの異次元の

吉田秋生『海街diary9 行ってくる』(小学館 2018)
吉田秋生『BANANA FISH ANOTHER STORY』(小学館 1997)
村田沙耶香『消滅世界』(河出書房新社 2015)

子ども時分は、マンガをあまり読まなかった。少なくとも、週刊誌を定期購入することはなかった──てな自分史はさておき、吉田氏の作品は時々手にする。
 前者はシリーズの完結編、後者は本編のスピンオフ? 的なもの。どちらも面白かったです。
 海街の読後、是枝監督による映画化作品を見た。小説を映画化するのと、マンガのを映画にするのは、どちらが難しいのだろう。機会があれば(あるわけないが)聞いてみたいものだ。

 村田氏の作品は、先日読んだ『生命式』のつながりで。
 性行為による受胎は「ダサイ」世界。結婚と家族、恋愛と性欲、性欲の排泄、そして、出産は人工授精が主流であり、その究極として、実験都市「千葉県」では男の人工子宮による出産が行われ、生まれた子供は「社会の子」として育てられる。

吉田氏の『BANANA FISH』では、たしか、高齢者だけを狙い撃ちするウイルスが登場した。そして、村田氏の作品。どちらも「異次元」の高齢“者”対策と少子化対策? 
 村田氏の「案」は、「家族第一主義」の与党からは猛反発を受けるだろうが、性別に関係なく子供を産む「生産性」のある社会だから、歯ぎしりしながら認めるのかな……などと思いながら読み終えた。

[2023.06.11. ぶんろく]

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