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井の頭公園の散歩(3)松本先生の殉職記念碑「松本訓導殉難碑」

 井の頭公園の一角を占める「第二公園」から、玉川上水沿いを上流に向かって歩いていくと上水に架かる「ほたる橋」があり、その少し先に松本訓導殉難碑が立っている。

 1919年(大正8年)11月20日、遠足で井の頭公園を訪れていた東京市麹町区(現・千代田区)永田町尋常小学校の児童が、玉川上水に落ち、引率していた松本虎雄訓導(訓導は小学校教諭の旧称)が助けようとして亡くなる事故が起きた。松本先生の殉職は全国的に大きく取り上げられ、翌大正9年11月に殉難碑が建立された。

 落ちた児童を助けたのは、呉服関係の青年社員3人。その日は休暇で井の頭公園を訪れていて、騒ぎを聞いて駆け付けた3人は、「着物の帯を使って助けた」と、大原節子さん(故人)の義父の大原玉治さん(故人)が語っていた。なお、この殉難碑については『増補版 刻された書と石の記憶』(廣瀨裕之著/武蔵野大学出版会)に詳しい。

ぶんしん出版+ことこと舎便りVol.3 2021/8/17」掲載

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