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仕事もきょろきょろ(1) 「加藤製本さん」

 新しく取引をすることになった加藤製本さんに行ってきました。

 現在の書籍の多くは糊を使った製本(本文の背に糊をつけて本文を固め表紙をつける製本)が主流で、糊はEVA系と呼ぶ糊が主に使われています。そこに新たに登場したのがPUR糊です。
 EVA糊とPUR糊の一番の違いは糊の接着力で、PURの方が断然接着力が強く、そのため薄く塗っても強度を保つことができるのです。
本の背中に塗る糊の厚さが薄くなれば本の開きが良くなり、手で押さえていなくても本が開いた状態になるので読みやすくなります。

 ということでPUR糊の登場は画期的だったのですが、実は難点がありなかなか普及していません。一つは糊を溶かしたあとの劣化が早いこと、もう一つは肝心の薄く塗る技術が難しいことです。

 加藤製本さんは、この両方の課題をクリアしている数少ない製本会社さんの一つなのです。たまたま私が今読んでいる集英社の新書と文藝春秋の単行本とも加藤製本さんでした。著名出版社も頼っている日本有数の製本会社なのです。

加藤製本さん

工場では文庫本が3段のベルトコンベアで勢いよく流れていました

2021/3/22Facebook掲載)

このコラムは、(株)文伸が運営する自費出版専門工房「ことこと舎」Facebookページからの転載です。

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