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国際女性デーに読んでもらいたい文春新書のご紹介!


清水晶子『フェミニズムってなんですか?』

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166613618

女性たちが日以上生活の中で、「あれ?」と疑問に思うこと、
何気ない言葉や行為に抵抗を覚えること。
それはフェミニズムのきっかけになります。
「私が我慢すれば」と抑えこんでいた怒りや不満を、
いつかどこかにぶつけたくなるかもしれません。
でも、誰に、どうやってぶつけたらいいのか?
それを考えるためのヒントをくれるのが、フェミニズムです。

エッセンシャルワーカーとケア
インターセクショナリティ
Black Lives Matter
性と身体
中絶と性暴力
LGBTQ∔
#MeToo

東京大学教授でジェンダー、セクシュアリティ研究がご専門の清水晶子さんによるフェミニズム入門の書。近年知っておきたいフェミニズムのトピックを掘り下げて、ネット上のヒートアップしがちな議論から一歩距離を置いて、何をどう捉えたらいいのか、歴史と視座を教えてくれます。ポップカルチャーやドラマにも触れられます。ぜひこの本をとっかかりに、男女問わず次の本へと理解を深めてもらえたら。本書はプレゼントとしてもよく贈られています!


浜田敬子『男性中心企業の終焉』

政府は2003年から、政治家や企業の経営層・管理職など
指導的立場における女性の比率を30%にする
「202030(にーまるにーまるさんまる)」という目標を掲げていたが、
2020年になってもその目標は一向に達成されず、あっさりと達成時期は
「2020年代のできるだけ早い時期に」と延期された。

ジェンダーギャップが解消するどころか、
賃金格差や管理職比率、男性優位のコミュニケーションのあり方が日本企業に根強く残るのはなぜか?
なぜ他国と比較して日本の女性登用はこれほどに進まないのか。
グローバル企業を目指す中で、業界の中での生き残りをかけて、
本気で変わり始めた日本型企業の変化とその課題。

メルカリ、NTTコミュニケーションズ、富士通、丸紅、キリン、城崎温泉の豊岡市まで、「失われたジェンダー30年」を取り戻そうとする
奮闘と変化の過程を、自身の取材を交え、豊富な取材で描き出す一冊です。
日本型企業の現在地に限界を感じる働き手はもちろんのこと、本気で変るにはどうしたらいいか手掛かりを求めている経営者も必読です!

内田舞『ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る』

https://books.bunshun.jp/articles/-/7952

恐れず変化の種をまくために。

炎上や論破ゲームに乗らず、
分断と差別を乗り越えるためには。
ハーバード大学准教授で小児精神科医・
脳科学者でもある著者が、心と脳のメカニズムに立ち戻り、
激動の時代のアメリカ社会の変化を捉え、
三人の子どもを育てる母親の立場から考える希望の書。

母として感じるマイクロアグレッション、#MeTooで広く問われることになった同意教育について、さらにはハーバード大学准教授で小児うつ病センター長を務める立場で考える女性のリーダーシップについて、幅広くアメリカの現在地を伝えてくれもする本書は非常にエンパワリングです!以下目次。

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プロローグ 妊婦のワクチン啓発で気づいたThemとUs
第I部 炎上はなぜ起きるのか
第1章 脳科学で考える炎上のメカニズム
第2章 炎上への処方箋
第II部 差別と分断を乗り越えるために
第3章 子どもに学ぶ同意とアドボカシー
第4章 マイクロアグレッション ムズムズした気持ちに名前がつくことで
第5章 アメリカ社会の差別から学ぶ アジア人男性とハリウッド
第6章 ベトナム帰還兵との対話 ThemとUsは簡単には分けられない
第7章 沈黙を破る 「沈黙は共犯」の後で
第III部 女性小児精神科医が考えた日本社会への処方箋
第8章 子どものメンタルヘルスに向けられる偏見に打ち勝つ脳科学
第9章 女性を苦しめる労働環境は男性をも苦しめる
第10章 「母」への眼差し、女性の身体の自己決定権
エピローグ ラジカル・アクセプタンス ソーシャルジャスティスを育てるために


濱口桂一郎『働く女子の運命』

女性の「活用」は叫ばれて久しいのに、日本の女性はなぜ「活躍」できないのか?社会進出における男女格差を示す「ジェンダーギャップ指数2015」では、日本は145カ国中101位という低い数字。その理由は雇用システムの違いにある。
ジョブ(職務)=スキル(技能)に対して賃金を払う〈ジョブ型社会〉の欧米諸国と違い、日本社会では「社員」という名のメンバーを「入社」させ、定年退職までの長期間、どんな異動にも耐え、遠方への転勤も喜んで受ける「能力」と、企業へ忠誠を尽くす「態度」の積み重ねが査定基準になりがちだ。このような〈メンバーシップ型社会〉のもとでは、仕事がいくら出来ようとも、育児や出産の「リスク」を抱える女性は重要な業務から遠ざけられてきた。なぜそんな雇用になったのか――その答えは日本型雇用の歴史に。

豊富な史料をもとに、当時の企業側、働く女子たち双方の肉声を多数紹介。歴史の中にこそ女子の働きづらさの本質があった! 老若男女必読の一冊。

2015年刊行時からすでに9年の年月が流れていますが、日本のジェンダーギャップ指数はそこから改善するどころか下降の一途。本書で語られる問題の本質はむしろ現在の課題を照射するものです。長く読み継がれるロングセラー。ぜひ浜田敬子さんの『男性中心企業の終焉』と抱き合わせで読んでいただけたら!

内田也哉子×中野信子『なんで家族を続けるの?』

樹木希林と内田裕也の娘として生まれ、家族団欒を知らずに育った内田也哉子。自身は19歳で結婚、三児の母として家族を最優先に生きてきた。一方、中野信子は巨大なブラックホールを抱えてきた。その原点は両親の不和の記憶だった。

「樹木希林の結婚生活は生物学的にはノーマル?」
「血のつながりは大事なのか」
「貞操観念はたかが150年の倫理観」
「知性は母から、情動は父から受け継ぐ」
「幸せすぎて離婚した希林がカオスな裕也にこだわった理由」
「幼くして家庭の外に飛ばされた私たちは」
「脳が子育てに適した状態になるのは40代」
「私は「おじさん」になりたかった」
「惰性で夫婦でいるのがしっくりくる」ほか

幼い頃から家族に苦しんだ二人は、なぜ、それでも家庭を築いたのか?
家族に苦しむすべての人に贈る、経験的家族論!

フェミニズムが長らく問うてきた〈家族〉について経験的な観点から語られる本書。形はそれぞれ違えど、悩みは普遍的だと思わせてくれる一冊でもあります。ぜひ!

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