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「不適切にもほどがある!」で色々思い出しました

昭和10年生まれ(!)の小川市郎さん(50)が、1986年と2024年の世界を行ったり来たりするタイムスリップドラマ「不適切にもほどがある!」。

先週第3回目でしたが、相変わらず1時間が短く感じられました。

ここでは決して考察ではなく、私個人の書き散らしに近い内容となります。

リアルタイムで1回、Tverで夫と共に1回、空いている時間にもう1回と、各話最低3回は鑑賞する私。

見れば見る程色んな発見があって面白いのでついリピートしてしまうのですが、この時代に戻りたいかといえば決してそうではありません。

あんな時代が終わって本当に良かった、というのも確認したいというか。


1986年の私は中学生。

レベッカやチェッカーズを熱心に音楽番組で追いかけていた当時の文化は今でも好きだけど、まさに生活の中心だった学校ではなかなかハードな毎日を送っていました。

髪型やコートは校則で決められ(男子は坊主頭でした)、授業中は教師の気まぐれでいつ定規で叩かれるかハラハラし、部活中は真夏でも(気候が穏やかだったというのもあるんですが)水を口にせずひたすらバレーの練習に打ち込む日々。

流石に先生が教室で喫煙することはありませんでしたが、バスやタクシーなどあちこちに灰皿が設置されていたのは記憶にあります。

現代の喫煙者から見たら、この時代は天国に思えるかもしれません。


この時代消費税(1989~)はまだ無かったし、パワハラもセクハラも概念自体殆ど存在していなかったに等しいし、男女雇用機会均等法が施行されたばかり。

大人の男性にとってはさぞかし生きやすかったでしょうねと、鑑賞しながら心の中で謎の悪態もついてしまう自分がいます。

ちなみにその当時の50歳といえば、阿部さんみたいにお茶目な感じの男性はいませんでした(といっても私の知っている大人といえば、親と学校の先生ぐらいしかいなかったのですが)。

ましてや木村拓哉さんや反町隆史さんのような格好いい人は皆無、皆暗色系の服に身を包み顔だちもおじさん、といういで立ちだったな。

芸能人以外の男性が美容に気を遣うようになるだなんて当時は少しも予想が出来ませんでしたが、綺麗になりたい人は誰でもどんどん綺麗になるべきだと思います。

勿論昭和(後期に当たるのか)にも外に良い所があって、景気が良くてとにかく社会が上向きというイメージ、税金も今の様に沢山種類があるわけではなく、親曰く会社も謎の手当(扶養、寒冷地以外)を支給していたらしいです。

どちらも死語になりつつあるウォークマンやビデオデッキも買いやすい値段になって、これでパソコンや携帯電話(登場するのはずっと後)があれば完璧、という感じ。

当時はテレビとラジオと雑誌が情報の命綱でしたね。

それと映画館は2,3本立て上映が常識で(こちらの地域だけ?)井上さんの発明の元となる映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、私も「グーニーズ」か何かと2本立てで鑑賞しました。

私が社会に出たのは2000年代付近、バブル景気が終了し就職氷河期と呼ばれる時代でした。

その頃は会社でお尻を触られるという文化?は幸い衰退していましたが、何せ景気が悪くどこも採用を控えているので、その会社に入るまでが大変。

男女雇用機会均等法なんて本当に機能しているのか疑問なほど、女性の就職が困難でした。

会社の雰囲気も、まあ代わりはいくらでもいる、という使い捨て扱いでしたしね(つまりパワハラ横行)。

まさに私達の世代は人口のボリュームゾーンなので。

振返ってみれば、1986年からこんなに景気と社会の雰囲気が落ち込むのか、と今更驚きを感じてみたり。



ドラマの話に戻るんですが、現代の学校、職場、マスメディアを舞台にした令和の場面では、コンプラに縛られすぎて、皆を生きやすくしているつもりが逆の方向にいってしまっているという滑稽な場面が次々出てきます。

だけど昔を知っている身としては、やはりモラルに関しては今の時代がいいな、少数派かも知れないけれど。

インターネットが発達して少数の声を拾ってもらう機会が増えて、声が大きい人が勝ちという風潮が過ぎてホッとしているところです。

だけどあまりにも意見が多様過ぎ、SNSの切り取りやクレームに怯え過ぎて「もう訳が分からなくなってしまった」とTVプロデューサー役の山本耕史さんがパンクしてしまう場面がありましたが、誇張すればまさに現代ってそんな感じなんでしょうね。


誰も傷つかない幸せな世界なんてあり得はしないけど、そこに近づくような努力はやっぱり続けるべきだと思います。

まさに現代がその過渡期で、社会でルールを決める役割を担っている、私と同年代と思われる40~50代なんてまさに試行錯誤の段階だろうな。

特に今なんて、ITもコンプラ対策も一気に押し寄せてきているだろうから、その上の年代なんて勝ち逃げに近いな、なんて恨みがましくもなりますが。

現代はどこも人手不足、特に少子化が進んでいる若年層なんてどこも引っ張りだこみたいですが、それくらい若者を大事にした方が丁度いいのではないかとも思います。



ベストな価値観なんて、時代によって変わるものだな、とこのドラマを見ると心から実感します。


大人になった自分には心地よいからこれで良し、なんて一つの場所に腰を下ろして止まったりせず、私も皆が幸せになるよう常に考える立場でありたいです。