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身体は心に宿り、心は身体に宿る

身体と心は切っても切り離せない関係にあるなと思う。疲れている時は他人への気遣いがおろそかになってしまう一方で、コミュニケーションが円滑に進められている時は、ステップするかのごとく身が軽い。物理的な世界に身体を借りて生きているからこそ、精神を整えるためにまず自身の身体性を自覚する必要がある。今回は、私が最近意識するようになった身体的な習慣付けをまとめてみたい。

1.気分によって香水を変える。
私が敬愛する作家・西加奈子さんのルーティンを見て、とても素敵だと思った。仕事で大事な実験に取り組まなければならない日の出勤前は、キリッとした爽快な香水を。寝る前に少しソファに寝転んで本を読む時は、甘くてとろけるような香水を。嗅覚を刺激することで、適切な気分を誘導する。身体が匂いに適応することで、精神も円滑に切り替わってゆく。

2.肌荒れを対処する。
季節を問わず吹き出物が至る所にできやすく、特に冬は乾燥が追い打ちをかける。それでも私は「大事ではないし、まあいいか」と思って放置してしまっていた。そんな時に妻が「これを塗ってみたら」と、薬用クリームを勧めてくれた。試しに塗ってみたところ、すぐに吹き出物が収まり、自分の肌を見て思わずほころんでしまった。「ちょっとした行動でこんなにも気分が軽やかになるのか」と我ながら驚いた。自分の身体を細やかに労っていくことは、日々起こり得る小さな違和感を無視せずに誠実に対処していくことに繋がるのだろうと思う。

3.深夜に刺激を求めず、布団の中でゆっくりする。
寝る前になって「今日はやりたいことすべてできていないかも」と不安になってしまい、駆け込みでやりたいことを詰め込むことが多かった。そうして身体を必要以上に疲弊させ、翌日のコンディションが悪くなることが多かったように思う。そんな時にすべてを放り出して布団の中でゆっくりすると、「急いでやらなければいけないことなんてほんの少ししかないんだなあ」と冷静な心持ちになる。目を瞑って視覚をシャットダウンすることで、自分の内側に目が向けられ、自然と快眠へ導かれる。時代とともに刺激がありふれたものになってしまい、刺激を消費することに忙しくなった私達は、内省の時間を持てなくなってしまった。その流れに対して意識的に遡行することで、むしろ我々の身体という当たり前の存在を自覚し、日々を丁寧に生きることができるのだろう。

終わりに
感性が豊かでありたいと願うことは、感性を内包する身体を若く保とうとする意思に繋がっている。心の健康は身体の健康から。

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