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ホームゴール裏エリアの名称から考える


はじめに

サッカーをスタジアムにて観戦する際にはまずどのエリアで観戦するのか決めてチケットを購入します。そのエリアはスタジアムによって様々ですが、ざっくりメインスタンド、バックスタンド、ホームゴール裏、アウェイゴール裏の4種類に分けることができます。さらにホームゴール裏に注目して見てみると、そのエリアの名称には種々あることが分かります。ここでは、J1リーグに所属する20クラブのホームゴール裏がどのような名称で表記されているのか調査し、整理します。そして、最後にその調査結果から考えることについて述べたいと思います。

参照:https://www.jleague.jp/sp/j-tano/2838

①「ホーム指定席」、「ホーム自由席」などといった席種を示す名称

京都サンガ、浦和レッズ、東京ヴェルディ、名古屋グランパス、サガン鳥栖、川崎フロンターレ、アビスパ福岡、FC東京、アルビレックス新潟(順不同)

20クラブ中、上記9クラブにおいて、細かい違いはあるものの「ホーム指定席」、「ホーム自由席」などいった席種を示す名称でした(それぞれの名称の詳細は割愛)。この名称を見れば、ホーム側なのか、アウェイ側なのか、指定席なのか、自由席なのかが分かります。

例えば、京都サンガで言えば、ホームスタジアムはサンガスタジアム by KYOCERA。ホームゴール裏は「ホーム指定席」という名称で表記されています。ホーム側であることと指定席であることが分かります。
なお、かつてはたけびしスタジアム京都において「サンガサポーター席」という名称が使用されていましたが、現在のサンガスタジアム by KYOCERAにおいては、「ホーム指定席」という名称になっています。

参照:https://www.sanga-fc.jp/news/detail/18423

②「サポーター」を含む名称

横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸、鹿島アントラーズ、FC町田ゼルビア、ジュビロ磐田、湘南ベルマーレ、ガンバ大阪、セレッソ大阪、サンフレッチェ広島(順不同)

20クラブ中、上記9クラブにおいて、「サポーター」を含む名称で表記されていました。

例えば、横浜F・マリノスにおいては、「サポーターズシート」と呼ばれる名称が採用されています。なお、以下の図は横浜F・マリノスの席種を説明するサイトからの引用ですが、座席の配置図に加えて、図の下部にはサポーターズシートが立見可能であること、バンデーラが掲出されること、大旗などにより視界が遮られる場合もあることの説明も加えられています。

参照:https://www.f-marinos.com/ticket/seat/nissan

他、8クラブのホームゴール裏エリアの名称は以下の通りです。
ヴィッセル神戸 (サポーターズシート)
鹿島アントラーズ (サポーターズシートホーム)
FC町田ゼルビア (ゼルビアサポーターズシート)
ジュビロ磐田 (サポーターズシート)
湘南ベルマーレ (ホームサポーター指定席、ホームサポーター立見自由席)
ガンバ大阪 (ガンバサポーターシート)
セレッソ大阪 (ホームサポーター自由席)
サンフレッチェ広島 (サポーターシート)

③クラブ独自の名称

北海道コンサドーレ札幌

熱狂エリアという名称が採用されていました。サポーターが熱狂する場所であることが分かります。

参照:https://www.consadole-sapporo.jp/ticket/price/sapporo/

柏レイソル

柏熱地帯、その上層がサンライズシートという名称が採用されていました。柏熱地帯という名称から柏レイソルサポーターの熱が伝わってきます。

参照:https://www.reysol.co.jp/ticket/ticket-guide/seatmap.php

このように、柏は「柏熱地帯」、「サンライズシート」、札幌は「熱狂エリア」とクラブ独自の名称を採用していました。

最後に(私見)

ホームゴール裏エリアの名称を調査した結果、以下の3種類に大別されることが分かりました。

①「ホーム指定席」、「ホーム自由席」などといった席種を示す名称(9クラブ)
②「サポーター」を含む名称(9クラブ)
③クラブ独自の名称(2クラブ)


席種の名称なんて①のようにホーム側かアウェイ側か、自由席か指定席かが分かれば十分ではないか、むしろこちらの方が何人にも分かりやすいという意見はあると思います。一方、ゴール裏は立見が可能であり、大旗がなびき、熱狂的なサポーターが集まる場所でもあります。そんな中、ゴール裏の観戦ルールが理解されず、例えば、旗で視野が遮られたことによるサポーター同士のトラブルがあることを残念ながら見聞きします。これは注意する側もされる側もお互いにとって好ましい状況ではありません。誰もがトラブルなく楽しみ、観戦、応援したいものです。このようなことが発生する要因として、ゴール裏の観戦ルールが十分に周知されていないことが考えられます。

京都サンガを例にとってみると、観戦マナーのサイトにはゴール裏では視界が遮られる可能性があることが示されています。しかし、上記のトラブルが少なからずあることからすれば、チケット購入の際にもこれら観戦マナーを理解できる説明があるのが好ましく、もっと言えば、単にホーム指定席という表記ではなく、直感的にそのエリアがどういうところか想起できる名称がより好ましいのではないかと思います。そういう点では、上記の②、もっと突っ込んだ③のような独自の名称は購入者にもそのエリアを想起しやすいのではないでしょうか。特に③についていえば、熱く応援、サポートしようというメッセージも感じとることができます。

サンガスタジアムのホームゴール裏もほぼ埋まるゲームも増えてきていますが、無用なトラブルを回避するためにも、そしてよりサポーターが熱く応援するためにも一案として、現在のゴール裏エリアの名称を変更することは検討の余地があるのかもしれません。なお、名称を変えればすべて解決するものではなく、上述の通り観戦マナーの周知に加え、他にも論点がありますが、ここでは言及しないことにします。

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