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新しい直列6気筒ディーゼルが神ってた件/レンジローバー スポーツ D300

先日、レンジローバー・スポーツの頂点たるSVRに試乗させていただき『やっぱりレンジローバー・スポーツは、たとえ燃費極悪でもV8 5Lエンジンに限る。他のエンジンとは別の車みたいに品質あがる』などと確信を深めていた。(どうやらSVRに限らず5Lエンジンからはエアサスのダンパー制御が可変タイプになるっぽい。つまり走りの質感が大幅にあがる)

モデル末期に、フォードから自社製の新開発エンジンに切り替え

レンジローバー・スポーツはモデル末期だと言うのに、2021年モデルから過去のフォード製V6エンジンを捨て、ランドローバー自社による完全新設計の直列6気筒のガソリンとディーゼルのエンジンに差し替えてきた。どちらもマイルドハイブリッド付きで低速の出足は僅かにサポートされている。

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実は6月にはこのP400と呼ばれる新しい直列6気筒のガソリンエンジン車には試乗済みだった。ただ、個人的には過去のフォード製エンジンから自社製直6エンジンに替わりマイルドハイブリッドがついたことの恩恵は感じられず、従来からの3Lから価値が高まった感覚は正直薄かった。

ところがどっこい!(おっさんくさい)

SVR試乗の後の別の日に、D300と呼ばれる新型の直列6気筒ディーゼル車に試乗したら、びっくりするほど良くなっていた。

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試乗車は、カルパチアングレーの外装色に、ブラックスタイリングパックで引き締まっていてかっこいい。

レンジローバーの昔のディーゼル、フォード製のV6 3Lは、過去に自分がレンジローバーヴォーグで所有していた車のエンジンだったのよく記憶にある。

低速トルクは意外に薄いけど、ディーゼルのわりに静かで高速も伸びやかで印象が良かった。(燃費もあの2.5Tのくそ重い車なのに都内で9km/Lという良さ。軽油なんで燃料費も安かった。)

その悪くない印象のエンジンが、自社開発の新型でどうなったか?

MHによる走り出しの軽さと、直6の排気音と伸びやかさに惚れた

試乗前の気持ちは「多少良くなってても、5Lエンジンよりはだいぶ劣るのだろうな」と思って期待せずに乗った。

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内装は、いつものレンジローバーらしい安定のセンスで代わり映えはしない。(僕は大好きで落ち着く)

いざ、走り出してみると明らかに前のディーゼルより動き出しのもっさり感が少ない。マイルドハイブリッドが効いていそう。

そこから少しアクセルを開くと

「クオーン・・・」

と、うるさくもないけど静かすぎることもない、家族も許容できる範囲の音量ながら、とても品の良い気持ちの良い回転音が響き出す。

300馬力のディーゼルエンジン、カタログ数値では0-100km加速は8秒程度なので決して速くはない。ただ、音が気持ちいいし、回転の頭打ち感も少ない。

「え??だいぶ良くなってる!」

すぐに気づくレベルで明確に前のフォードエンジンよりいい。

アクセル閉じ気味に走れば、非常に静か。でも、アクセルを開けば非常に気持ちの良い音と加速感に浸れる。

自分も含めて、これは事前にディーゼルと聞かされていなかったら、普通にガソリンエンジンだと思ってしまうレベルの仕上がり、音、高回転の伸び。

ここまで仕上がりが良いと、個人的にはレンジローバー・スポーツのエンジンを選ぶうえで、正直P400のガソリンの直6を選ぶメリットがまったく見当たらない。(どうせ燃費が落ちてハイオクで燃料費がかさむガソリンエンジンを選ぶならば3Lではなく5Lが欲しくなる)

これはかなりいいディーゼルエンジンだと思う。個人的には直列6気筒の代名詞なBMWのX5の直列6気筒ディーゼルより良いと感じた。

レンジローバー・スポーツの5LとD300、どっちがいいか問題

現行型レンジローバー・スポーツで5LエンジンとD300ディーゼルをざっくり比較すると・・・

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5Lエンジン仕様は・・・
◎ 排気音も加速も興奮するほど良い
◎ シャシーの姿勢制御もエアサスのアクティブなダンパー制御が入り1~2枚上手(電子制御アクティブディファレンシャル&トルクベクタリングもつくようだ)
☓ 但し、5LのV8エンジンは燃費が笑えるほど悪いw
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D300ディーゼルは・・・
○ 排気音や加速は興奮するほどの感動はないが、十分に気持ち良い水準
△ エアサスは柔らかめで乗心地良いが、コーナーでの姿勢制御は5Lに比べると劣る(ヴォーグよりはだいぶいい)
○ 燃費は都内で9~10km/L程度行きそうでサイズからしたら悪くないし、軽油なのでおそらく5Lのハイオクに比べると燃料費は半額
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5Lエンジンのほうが音も回転も気持ちいいけど、D300エンジンは前のディーゼルよりもずいぶんと気持ちよく、燃料費の差を考えたら、こっちの直列6気筒で良いかも?なんて考え出してしまう。

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マイチェン後の後期型レンスポのリアビュー、個人的に大変好きです。惚れ惚れする。試乗車は22インチオプションのホイールのせいか多少のコツコツ感があった。見た目は22インチは最高だが、レンジローバーのヴォーグやスポーツ系は、サスセッティングを21インチで出しているという話もあり、21インチが走りの感触はベストで、乗り心地と剛性感を両立している。20インチだとたわむ感覚がやや強すぎて頼りない。

レンジローバー・スポーツを買うならば現行型orフルモデルチェンジを待つ?!

そもそもレンジローバー・スポーツは年末年始あたりにフルモデルチェンジの新型発表という噂でもあるので、買うにはタイミングは難しいのが現状です。(いまオーダーしたら、フルモデルチェンジ発表後の納車でしょう涙)

しかも、レンジローバー・スポーツは新車でミニマム1000万円弱から、なんだかんだオプション盛っていくと1200~1500万くらいはする高額車です。

そうなるとコスパもシビアに考える僕は、現行型のレンジローバー・スポーツの内外装デザインはかなり気に入ってるので、あえてフルモデルチェンジして切り替わって、現行型が型落ちになって中古車の価格が下がってから中古車で買うのが賢いのでは?なんて妄想してます(笑)

ただ、今回の試乗で好印象だった完全新設計のディーゼルエンジンは2021年型からの搭載で、半導体不足で納車台数も相当絞られているようで、そもそも中古で出てくるタマ数が少なさそうという問題はあります。

そんな妄想も楽しみになるくらい、僕みたいに5Lエンジンに惹かれていた人が、こっちでいいかも?と思うくらいのデキの良さがあったのが、新型直6ディーゼルです。

気になる方は、ぜひ試乗されてみてください。

ちなみに現行型レンジローバー・スポーツは、5L仕様の中古車に絞って探すと、現行型の前期型が600~900万くらい。マイチェン後の顔がかっこいい後期型を探すと1200~1300万程度と、中古の値落ちもそこまで激しくなさそうです。推し。

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