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「環境と人類を敵にしても乗りたい!」凶悪5L V8の快楽 レンジローバー・スポーツSVR試乗記

珍しいことにレンジローバー・スポーツの最高峰グレード、レンジローバー・スポーツSVRの試乗会を都内ディーラーで開催とのお知らせ。

僕は以前、レンジローバー・ヴォーグを所有していたこともあり、メンテナンスや修理の代車で、一時期レンジローバー・スポーツの5LエンジンのSVRではないグレードに乗り、そのエンジンの素晴らしさに感銘を受けた経験もあり、同じ5Lエンジンのさらなるハイチューン版なSVRに興味を持っていました。

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代車で乗ったレンジローバー・スポーツ前期型の5L。飛ばさなくても充実感のあるエンジンフィーリングと控えめだけど良い音。でも、燃費は凶悪w

ディーラーの予約をとって、レンジローバー・スポーツSVRとご対面。今回は都内のランドローバー有明さんで試乗。

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階段の上からおりながら見えてくるSVR。ボンネットのカーボンが、メーカーのクルマとは思えないチューンドカー感を醸し出している。

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正面からみると、このカーボンのボンネットは派手だけど、チューンドカーの派手な部類の中では上品という絶妙な塩梅。

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レンジローバースポーツは、個人的にこのリアビューが好き。そして何より今回のクルマが僕の好みだったのは、このヤン車と上品の危うい境目なエストリルブルーという外装色。

一世代前のAudiのS6とRS6にエストリルブルー設定があって美しかった。光の当たり方でノーブルな印象にも、チューンドカーらしいギラつき感にもなる二面性がある色。これはクルマの外装色で一番好きな色かも。いつかエストリルブルーの車に乗りたい。

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内装はきれいなキャメル。これも個人的な趣味だが、SUVの内装はレンジローバー系が一番好きで落ち着く。品が良い。

実際に乗ったSVRはどうか?

久々にレンジローバースポーツに乗ったけど、やはり室内はポルシェのカイエンより静かで疲れにくい。これは美点。

エンジンかけると意外に始動は静かじゃん!と思ったけど窓を開いたらドルドルと獰猛な排気音が響いているw 少なくともメーカーの純正車としては、ここまで派手は音はそうそうお目にかかれない。ただ、窓を閉めているて遮音性が高く静かとも言える不思議な感覚。

始動音は、ご近所さんにはそれなりに気を使う車だと思います(苦笑)

いざ走りだすと、エアサスながら明確に引き締められていることと、バケットシートみたいな薄めの座面もあり、通常車のレンジローバー・スポーツよりも明確に足回りはかたく感じる。

エアサスのカーペットライドな浮遊感を期待してる人には少々厳しい。コンフォートモードに変えても硬めなので、乗り心地にうるさい家族がいる人にはおすすめできない。重さはあるのでハネることはないけど、継ぎ目で少しコツコツ感は残る感じ。その分、ドライバーは路面の感触は生々しく感じられる。

ただ、アクセルを開けて車速が乗っていくとピントがあっていき運転者は大変気持が良い。直線で試しにアクセルをガバッと踏んで開けると、のけぞるようにフロントボンネットがあがり、リアが沈みこむ。その挙動に思わず笑ってしまう。

そう、低くて軽いスポーツカーではなく、デカくて重い箱のSUVが猛加速するのは、実に悪趣味な世界と思っていたけど、やってみると軽いスポーツカーでは得られない別種の快楽がある。

これはアガるし、ハマる(笑)

環境問題や人類の敵みたいな凶悪な5L V8 SCエンジン車だが、その後ろめさすら快感を増幅するような気持ちにさせるヤバい車。

好きじゃない人には極悪燃費の意味不明なクルマ、好きな人には理屈ではなく虜になるクルマ。僕はけっこうどストライクでした。

レンジローバー・スポーツは、そのそろ次期型フルモデルチェンジ発表と言われており、おそらく年末~来年には発表される。但し、その世代からはジャガー・ランドローバーの5Lエンジンは消滅し、BMW 4.4LターボのV8エンジンに換装されると言われている。

このSVRのエンジンサウンドと快楽は5L V8にしかないものがあり、次期型が発表されて中古が値下がりしたあたりで、あえて旧世代となる現行型を買うのはアリだと思います。

但し、現行型のレンジローバー一族は、音楽再生が不安定で、iPhoneとナビをつないで音楽をかけているて、結構な頻度で音楽再生が止まりイライラする個体がある。僕が乗っていたヴォーグもそうだったし、友人が買ったレンジローバー・スポーツも同じ症状で『これが1000万超えの車かよ』と友人はこぼしていた。

走りは素晴らしいだけにナビまわりの安定性は次期型での改善を期待したい。どうやらナビまわりはサプライヤーが変わるらしいのでそこは期待。

ビッグサイズSUVのなかでレンジローバー・スポーツの立ち位置は?

この手のビッグサイズのSUVは、レンジローバーヴォーグ、カイエン、X5、レンジローバースポーツと色々試乗したり一部所有もしたけど、
・ハンドリングの良さ
・同乗家族の乗り心地や快適性

を程よくバランスしてるSUVはレンジローバースポーツだと思う。

レンジローバー・ヴォーグは贅沢ゆったりなヨットのような独特の乗り味は素晴らしく、自分も所有して満喫したが、重心の高さは隠せない腰高感があり、速度があがってきたときのコーナーのロールはそこそこ怖い。

一方で、現在の愛車のカイエンは、SUVとは思えない俊敏な身のこなしではあるが、SUV独特の重みあるクルージング感は薄い(いちゃもんのレベル)。SUV一台持ちでなるべくスポーティーなやつという要望ならカイエン一択推し。でも、2台持ちで他にスポーツカーがあったり、SUVにはSUVなりの質量感覚を求める人には推しにくい。

BMW X5は、腰高感ありつつカイエンに匹敵する俊敏さ。ただ、個人的にはボンネットフードの見切りが悪く、サイズは変わらないのに、取り回しに気を使う感じと、インテリアがややビジーに感じるのが気になる。

それらと相対比較したとき、レンジローバー・スポーツは、カイエンほどじゃないけどほどよくスポーティーで、ステアリングフィールも良く、乗心地も快適でバランスがとれている。(但しSVRは明確に硬いので、足回りの快適性を求めるならそれ以外のグレード推奨)

レンジローバー・スポーツは、エンジンで性格が変わるクルマ

レンジローバースポーツで留意すべきは、エンジンが5Lだけ別格にフィーリングが良い印象があること。それはエンジンだけでなく、ステアリングの感触すらよくなった?と感じるくらい別格。

別の3Lのガソリンやディーゼルは何故かエンジン以外のフィーリングも劣る感覚がある。エンジン以外でも仕様差があるのかもしれないが、エンジン排気量でここまで乗り味が変わる車は珍しい。もちろん3Lでも十分に良い車だし、5Lの燃費は極悪というネガもあるけど、5Lが気になる人は試乗して検証をおすすめします。

総括すると、レンジローバー・スポーツは、カイエンほどメジャーじゃないけど、実にバランスの取れた良いクルマなのでおすすめの一台です。SVRは明確にパワーの凄みと引き換えに、乗り心地は悪化してるから、安易に最高グレードと思って手を出さず、その激しさを求める人にオススメ。5Lエンジンの良さ、内外装デザインの良さ、カイエンターボほど街中で見かけないのは美点です。

最後に海外メディアの記事レビューのリンク貼っておきます。

記事から抜粋
「正直に言おう。レンジローバー・スポーツSVRは分別ある理性的なひとのためのクルマではない。9万9680ポンド(1496万円)は高額だし、燃費も9.4km/ℓと悪い(実際に走ってこの数値が出たらラッキーだ)。294g/kmものCO2を排出し、自動車税は目も当てられない。

しかしこのようなクルマは、決して頭で買うものではない。心に訴えるように創出されたものなのだ。爆発的なパフォーマンスや騒々しいサウンドに憧れるいつまでも少年のような心の部分に突き刺さるのである。

とても特別なクルマだが、法外な価格や馬鹿げたガソリン代に耐えられるのなら、SVRを買っても後悔しないだろう。もしお金の問題がなければ、わたしは胸を高鳴らせて購入を急ぐにちがいない。」

一言一句、同感です。

僕も、カイエンと911の2台持ちをやめて一台に統合となったら、一台で家族を乗せて、キャンプにいって、スポーツドライビングの興奮を両立する車として、レンジローバー・スポーツSVRは最有力候補の選択になります。
ただし、値落ちは激しいので中古で買いたい(笑)

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