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「ガールズバンドクライ」2024年春アニメ感想30

ガールズバンドクライは、東映アニメーション制作によるオリジナルTVアニメです。
アニメーションはフルCGで制作、小説や漫画はありません。

2024年春アニメ視聴30本チャレンジ
最後の30本目はガールズバンドクライ!

CGアニメってなんとなく見ずらくて避けてしまうのですが、
今回は食わず嫌いはやめてみようかなということで見てみました。

よくある、かわいい女の子がわちゃわちゃするバンドものなのかなあ?と軽く先入観で見てたのですが

1話は主人公の仁菜(ニナ)が高校中退して東京に上京して一人暮らしをするというお話

もうね、主人公見てるとソワソワして落ち着かないです。
最後どうなるのかなあ。
思いがけず色々思うことがあって、今までで1番長くなってしまいました!


~あらすじ~

17歳の井芹仁菜は親に反発して高校を中退、上京して予備校に通い、大学進学を目指していた。
そんなある日、仁菜は自分に勇気を与えてくれたストリートミュージシャン河原木桃香と出会う。
仁菜の歌唱力と、世間への反抗心に惚れ込んだ桃香は自分とバンドを組もうと誘う。
勉強を理由に断ろうとした仁菜だったが、音楽の魅力に嵌まっていく。
2人の元には個性的な女子が集まり5人組のバンド、トゲナシトゲアリを結成する。

キャラについて


・主人公の仁菜(にな)のこと。

主人公の仁菜は高校を辞めて、熊本から東京(ほんとは川崎)に1人で上京してきました。
世間知らずで、常識知らず、他人とコミュニケーションも上手くできません。
親ともうまくいってない。

・大家さんの鍵の受け渡しの時間に間に合わず、夜、アパートのドアを開けられない。

・隣の夫婦に不審がられ、心配されて親切にしてもらいますが、なんとかなりますと、意地をはってその場を走り去る。

・親が心配して電話してくれてるのに、話もしたくないのかすぐ切る主人公。


自分は何かをしたいんだ!
自分の力だけでやるんだ!他人には頼らない!


という気持ちは立派なのですが…
身に伴っていない

これが…若さか…



・主人公の目的はバンドではない


てっきりバンドがやりたくて飛び出してきたのかと思いきや

上京したのは、東京の大学に受験するため、予備校に通うらしい。
勉強するなら上京する必要はないと思うのですが…。

「どこにも居場所がなくて、
私は間違ってないのに、私が悪いみたいになっちゃって…」

家にも学校にも居場所がないと言う仁奈。
それだけで学校辞めちゃうの?と思ったけど、
高校でいじめを受けてたぽい。
そして、いじめられてたのに助けてくれなかった(と思ってる)家族に、もう関わりたくない、精神的にも物理的にも距離を置きたい様子。

でも関わりたくなくても親の援助がなければ、一人暮らしも、予備校にも行くことができない。しかも大学に行きたい理由も特にない様子。
(強いて言えば親と離れられるから、かな)
なかなか崖っぷちな状況です。

家の家訓もあって(食事中はスマホいじるなとか、窮屈だったと言う仁奈)
あれだけ親に支配されてる家庭なら、
「学費を出してやってるのに中退なんかして」ってめちゃくちゃ折り合い悪くなりそう。

どんな理由があっても「高校だけは出とくんだぞ」って私も聞かされましたが
日本だとそうなんだよなあ。高卒、大卒っていう肩書きで、雇う側もその人を見ちゃうから。
でも仁菜は、後先のことなんて考える余裕がないくらい追い詰まっていたんですね。

「私は間違ってないのに、私が自分が悪いみたいになっちゃって…」

仁菜を見てるとちょっとひねくれてて、卑屈で、自分勝手なところがあるので、
間違ってないことが良いことではない可能性がある。
もしかしたら仁菜にも原因があったんじゃ、と思わせることは端々にある…。

↓勉強せずに鳩の声と合わせて朝まで作曲アプリにハマる仁奈。
このどうしようもなさよ…!
いやいや何しに上京したのよ!って思わず笑ってしまった。


・相手が辛いかどうかの度合いは他人にはわからない。

仁菜が、親から援助を受けて上京してることを聞いて

桃香が「なんだ、楽勝じゃん」と言うシーン。

仁菜は「楽勝なんて、勝手に決めつけないでください!」と怒りました。

たぶんですが、もう成人してる桃香は将来のことを考えないといけない状況なんですよ。
住んでる部屋だって古い家でルームシェアしています。(ルームメイトと折半で5万以下かも)

一方、仁菜は将来のことなんてまだ決めてない、高校中退して、親の金で予備校行って、アパートも賃貸借りてもらって
大学受験をしようとしてる人間です。
楽勝ではないにしろ、いざとなれば金銭的には助けてくれる人がいる。
恵まれてる環境です。

「楽勝なんて言ってごめんね」
と言った桃香さん、大人だなあ…(まだ20歳だというのに)

桃香さんがいて本当に良かった。

CGのことについて

・CG表現。普通のアニメを見る感覚で見れないが…

セルルックではない3Dアニメなので、違和感がある人には見づらいかも。
3Dアニメとして見ればそんなに気にならないのですが

リアルに動いてたかと思えば、跳ねるように走ってたり(ゲームのキャラみたい)
顔の表情とかはセルルック意識してて可愛かったりする。
ちょっと全体的に不安定なんですね。

声優さんの演技はすごく良かったので、できれば3Dのモデリングやモーションを悪目立ちしないでくれたらいいなとは思うけど

これはこういうもんなんだ、と慣れてくれば
一気にこの作品を楽しめると思います。

声優さんの演技も相まってカクカクしたきょどってる動きが妙にマッチしている…↓


好きなポイント

・勢いのある脚本と演出、歌がいい!

CGのことは置いといて
脚本、演出が良い!というのはとても良い作品だと思う。

1話の主人公のストーリーと感情描写、最後の歌へ繋げる演出は勢いがあって良かった。
いい意味で荒削り。

そしてとにかくこの、めんどくさい仁菜がこんなに綺麗でかっこいい歌を歌えるなんて!

失礼な言い方だけど、芸術ってその人の人間性とは別のところにあるものなんだ。
いくらまじめに勉強しても生み出せないのが芸術だったり、エンタメだったり

全体の感想



良くも悪くもヤンチャで元気な楽しい作品!

よくあるガールズバンドものって、

軽音部の話とか、もうバンド組んでて…とか、
メンバー探しが大変!とか
青春!キラキラ!なイメージなんですが

今作はまだその前の話で、みんな崖っぷちで泥くさい。
人生くすぶってて一歩間違ったら明日にでも泥の中に埋もれてしまいそうで心配な子たちばかりです。

しかも主人公の仁菜は、馴れ馴れしくしてくる人(友達になろうと言ってくる良い人)にあからさまに嫌な態度をとる、かなりの拗らせ人間です。

確固たる意思をもってバンド活動をしてるわけではない。
夢に向かってスタート地点にも立っていない。
仁菜は大学にちゃんと合格するのか?
桃香達とずっと一緒に活動するのか?
この先どうするのか?

いろいろと先のことが気になっちゃうのですが、この作品を見てると

後先なんて考えるな!一生懸命ジタバタして、いいから今そこで歌えよ!

ってかんじで、最高にロック。(便利な言葉!)

仁菜の

いじめられたから、もう地元にも家にもいたくない、上京する!っていう行動

もうね、家族や他人に何を言われようとこれで良いと思う。
逃げたんじゃなくて脱出だよ。
後先考えずに行動するなんて後で絶対後悔するよ」って言ってくる他人って絶対いると思う。
でも、それを気にして閉じこもっていても何も変わらない。

何かにチャレンジするのに早いも遅いも無いと思うので、
自分の人生なんだから好きなことを思いっきりやれば良いと思う。
ロックに生きていきたいですね。

中指は人前で立てないように(笑)


ちなみに仁菜の声優さんは本当に16歳の方なんですね
歌声が素晴らしいし、会話のシーンも上手!


2話も見ました!

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