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ひきこもりなのに「結婚しないの?」と聞かれる

最近、「さとうさんは、結婚は考えていますか?」と聞かれることがある。

相手の表情をみると、バカにしているわけでもなく単純に知りたがっているようだった。僕がひきこもりだということを承知なのにそれを聞くのが不思議だった。この前、取材をうけたときもライターさんに同じようなことを質問された。

男性の場合、所得が少なければ未婚率が高いということもあるけど、僕の場合はそれ以前だということを言った。

「僕は20年ひきこもっていたんですよ。SF映画のコールドスリープみたいなもので小学生のときから20年ずっと眠っていて、目が覚めたら結婚してもおかしくない年齢だと言われているようなものです。コールドスリープとちがって残酷なのは、からだは大人になって老化も進んでいることですけどね」

ライターさんは納得したような、納得しないような顔をしていた。「わたしは、さとうさんがすごく魅力的な男性だと思うんだけどなあ」と首をかしげていた。

リップサービスでもうれしいけど、やっぱりあるていどの所得は必要だと思う。それは相手に対してもそうだし、自分の自尊心を保つためにもそうだ。

それで思い出したんだけど、僕が人に言われてうれしかった言葉のベスト3に入るようなことを昨年ある既婚女性に言われた。

「学さんが結婚したら、結婚式に出たいです」

僕がひきこもりだってことも僕の過去のことも知っているのにもかかわらず。結婚できると思っているところが無謀というかすごいというか。

彼女はことあるごとに僕のことを褒めてくれる。「学さんはめちゃくちゃ才能がありますよ」とか「つーか、金になりそうな人は学さんくらいだと思っています。それに期待したいです」とか(笑)。

僕自身は、結婚したいとか結婚したくないとか考えたことはない。でも、結婚しないのと結婚できないのとでは大きなちがいだと思う。

ある結婚したひきこもりの女性は「希望を失わせるようで悪いですけど、結婚しても生きづらさは変わらなかったです」と言っていた。また、ある女性は、「ある部分の苦しみは消えても、別の苦しみが生まれた」ということも聞いた。

ただ、こういう話をしてくれるのはいつも女性。男性がいないというのが、厳しい現実を物語っているような気がする。

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