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【那覇のモネの池(島モネ)をめぐる冒険】 呑みながら書きました


「ハローディスイズアマンダハローディスイズアマンダハウキャンナイヘルプユー」

「………  しま……」

「ハローハローディスイズアマンダハローディスイズアマンダハッピーニューイヤーハウキャンナイヘルプユー」

「モネ……な……は……」

「エクスキューズミーアイキャンノットヒーアユーハローディスイズアマンダハローディスイズアマンダハウキャンナイヘルプユーハッピーニューイヤーアイキャンノットヒーアユー」

 ツーツーツー(電話の途切れる音)

「ねえ、岡星。誰から?」
「ああ、アマンダさん。それがよくわからないんですよ。音声が途切れ途切れで」
「そう。どこか海外からしら。でも岡星、ちょっと気になったことがあるんだけど、あなた電話でなんて名乗ってた?わたしの聞き間違えじゃなければアマンダって言ってなかった?」
「はは、何言ってるんですかアマンダさん。僕は岡星ですよ。アマンダって名乗るわけないじゃないですか」
「そうならいいんだけど。ちょっと気になったものだから。おかしいのよね、最近会社の電話とってないのにお客様からのクレームでわたしの電話対応が悪いって意見が多いのよ」

 リリリリリリリリン(オフィスに電話の着信音が鳴る)

「ハローディスイズアマンダハローディスイズアマンダハウキャンナイヘルプユー」
「岡星!ほらそれよ!あなたなに勝手に人の名前を名乗ってるのよ!」
「いえ、アマンダさん!違うんです!つい癖で!」
「癖ってあなたそれ日常的に名乗ってるってことよ!いつわたしがそんな音声案内みたいな言い回ししたっていうのよ!電話を貸しなさい!わたしが対応するから!ハローディスイズアマンダハローディスイズアマンダハウキャンナイヘルプユー」
「那覇……ま…」
「ハローハローディスイズアマンダハローディスイズアマンダハッピーニューイヤーハウキャンナイヘルプユー」
「アマン……つ……」
「エクスキューズミーアイキャンノットヒーアユーハローディスイズアマンダハローディスイズアマンダハウキャンナイヘルプユーハッピーニューイヤーアイキャンノットヒーアユー」
「アマンダさん!僕です…星……」
「は?岡星?岡星なの?えっとじゃあさっきの岡星は?」
「アマンダさん!那覇へ、那覇へ急いで来てください!」
「岡星!一体どこにいるのよ!さっきまでここにいたのに!」
「成田空港から那覇へ!お願いします!那覇へ来て、那覇のモネの池と呼ばれる場所を探してください!僕はそこ…や、やめろ…!!」
「岡星!!」
「もう時間がありません!いまなら【島モネ】の愛称で親しまれている那覇のモネの池が現れるはずです!」
「何よ島モネって!それって島豆腐とか島ラッキョウとかの仲間?岡星、答えなさい!岡星!」

 ツーツーツー(電話の途切れる音)



 ということで先日見つけた那覇のモネの池を紹介したいの。まずは実際に見てもらった方が早いかしら。


ネスカフェゴールド

 場所は首里城地下の池。地下じゃなくて下。実を言うとこの写真は色を青みがけてあって、そんなこともiPhoneなら指先一つでok!あなたの想像した世界を形にできるよ、iPhoneならね!

 実際はこんな感じ↓

モネ作【カズダンス】


 天気によると思うよ。この日は雨の日で全体的にトーンが暗い様子だった。なんで雨の日に首里城へ行ったのか、理由を聞かれてもわたしにはわからない。サブトロピカルな世界に雨が降って、そこは絵画のようでもあっただけ。かといってこのためだけに訪れる価値があるかは微妙なところ。首里城を観光するなら散歩がてら訪れてみてもいいかもしれない。島モネの近くには那覇行きのばすていもあるしね。

ラッキー池田

 ハブもいるみたい。否が応でも右腕の黒龍が、額の邪眼が騒ぐ。
「アマンダ。おまえはほうっておくのか?ハブだぞ。とっつかまえればnoteの一本や2本書けるんじゃないか?」
 右腕の黒龍が黒い渦を巻きながらそう呟く。
 やめてくれ。わたしはその舞台から降りたんだ。noteのネタもハブも要らない。ただ今は猫と一緒に同じような朝を迎えて、同じような夕暮れの中で暮らしたい。
「アマンダ、おまえは変わった。そんなことを望むなんてな。昔のおまえはもっとギラギラしてた。自分の方がずっと面白いものを書ける、そんな欲があった。それなのに今はどうだ?ひどく退屈だ、今のおまえのことだ」
 やめてくれ。わたしはその舞台から降りた。この脚で。もう黒龍も邪眼もいらない。猫を撫でるだけの力が右腕にあればいい。猫をみつめるだけの力が目にあればいい。
「退屈だ。もうキサマに用はない」

くまざわ書店

 無事に那覇のモネの池である島モネをみつけることができた。那覇に戻り街をさまよう。商店街のまばらな街灯がわたしを照らし、その影は氷室京介のようにうねうねと動いた。黒龍が去ったのだ。わたしは喪失感を抱きながら行くあてもなく永遠に彷徨う。

右下は実写版ゴールデンカムイの二階堂さん。完全にキマってる


 

 

(おしまい)



 フライングです!右腕の黒龍がコーヒーの豆乳わりを呑みながら書きました!開催ありがとうございます!












本日も【スナック・クリオネ】にお越しいただいき、ありがとうございます。 席料、乾き物、氷、水道水、全て有料でございます(うふふッ) またのご来店、お待ちしております。