「なかなか羽田につかんのう」
「そうじゃのう。なかなかつかんのう」
「この電車さっきからずっと真っ暗でどこ走っとるかもわからんのう」
「あ、あれ見ろや。ここ馬込駅言うらしいぞ」
「馬込か。なんか巨人軍にいそうな名前じゃのう」
「ほんまじゃほんまじゃ。さすが東京じゃ。列車も巨人軍模様じゃ」
「それにしても真っ暗じゃのう」
「おい！あれ見ろ！」
「なんじゃあれって」
「あれ言うたらあれじゃ！ええから見ろ！」
「そのあれがわからんのじゃ！どのあれじゃ！あの西馬込駅か！」
「ちゃうわ！ええからあれじゃ！わしの右手人差し指の指す方見ろって！」
「あ、あれか！」
「そうじゃ！あれじゃ！」
「アホか！あれ馬が西馬込められとるやないか！」
「そうじゃ、馬が西馬込められとるんじゃ」
「あれはごっついわ。真っ暗や思うたら西馬込られとる」
「あれはあれかのう。巨人軍なんかもキャンプ前に球団着なんかを西馬込たりするんかのう」
「きっとそうじゃあ」