金の卵 #97 辞書の生き物

金の卵

 貴重な人材という意味の慣用句ですが、高度成長期に集団就職で上京してきた中学・高校卒業の若者を指す言葉として使われました。
 映画「Always 三丁目の夕日」で自動車会社に就職できると上京してきた六子役の堀北真希が、まさに金の卵でした。
 当時は高度成長期で都市圏では人手が足らず、一方で農村地帯では子供の数が多く、人手が余っていたため、義務教育が終わると就職するのが普通でした。彼らは引く手あまたで、まさに貴重な人材で金の卵でした。

金の卵を産むガチョウ

 「金の卵を産むガチョウ」という寓話を読んだことがあると思います。 毎日1個ずつ金の卵を産むガチョウがいましたが、飼い主はもっと手っ取り早く金の卵を手に入れようと、ガチョウを殺しておなかを割いてみましたが、そこには金の卵はなく、すべて無駄になったという内容です。
 この「金の卵」が語源になったともいわれており、貴重な人材のことを「金の卵」と呼ぶようになったとされています。

新たな金の卵
 現在では高校進学率がほぼ100%ですし、大学進学率も50%を超えており、義務教育終了後の集団就職はなくなりました。
 貴重な人材という意味ではIT関係の技術者ということになるでしょうか。あるいはベンチャーマインドを持った起業家ももっと増えて欲しいですね。
 日本経済としては若い労働力という観点で海外からの外国人労働者にも来てもらいたいところでしょうか。
 自分自身が金の卵と呼ばれる人材になりたいものです。


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