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【1分で話せ】/伊藤 羊一

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術

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新規性  :★★☆☆☆
有益性  :★★★☆☆
おすすめ度:★★☆☆☆

■この本で解決できること

タイトルでは1分で話すノウハウやハウツーが書かれていることを想像してしまいますが、「1分で話す」ことは伝えるための手段であり、伝える目的である「相手を動かす」ことを達成するためにはどうすればよいかということが大部分を占めています。つまり、相手を動かすためのの手段が分かります。

■この本で伝えたいこと

 ●なんのために伝えるのか

前提として、人はあなたの話の80%は聞いていないという事実を受け入れる必要があります。

コミュニケーションというのは、チームで仕事をする上で非常に重要で、うまく使えば3人が力を合わせて4人力、5人力にもなるのですが、うまくいかないと「1人でやったほうが速い」となってしまいます。

そして「コミュニケーションがうまくいく」という状態は「伝えた結果、相手が動いた」という状態のことを指します。すると、「何のために伝えるのか?」への問いは「相手を動かすため」と定義することができるでしょう。

そして、最初の前提に立ち返ってみると、基本的に人はあなたの話のほとんど聞いていないので、長々と話をしたところで、それが相手に伝わり、動くことははいのです。1分でまとまらない話というのは何時間話しても伝わることはないということは、どんな話でも1分で伝えることができるということになります。

そして、この1分という時間はあくまで「簡潔に」ということを伝えるために用いているので、必ず1分以内で話さなければ相手は動かないとうことではないことをご留意ください。

 ●動かすためのポイント

相手を動かすうえで重要なのは、簡潔に話すことであるとお伝えしましたが、その「簡潔な話」をどのように組み立てればよいのか、どんな内容を盛り込めばよいのかというポイントを記載します。

まず、右脳と左脳の両方に働きかけるように組み立てることが非常に重要です。なぜならビジネスはロジックがないことには「おもしろい」とはならないので、左脳に働きかけるロジックは言うまでもなく重要です。

しかし、それだけでは人は理解はできますが、なかなか動かないものです。そこで右脳に働きかけて感情やイメージを膨らませることが重要になるのです。

伝えるための基本事項

・聞き手のイメージを持って伝える内容を作り上げる
相手の立場・興味・自分に求められていること・テーマの理解度・何に対してネガティブなのか
・ゴールは何か(どういう状態にもっていきたいのか)
・そもそもプレゼンは相手を動かす手段の1つにすぎない
→他にもできることはすべてすることが大事

左脳が理解するロジック

てっぺんのないピラミッド(根拠や事実の羅列)になっていないか注意しましょう。きちんと最初に結論を述べることが大切です。事実や根拠を結論として発言している人が意外と多いので、「真の結論」は何なのかを常に意識しましょう。

例えば、新企画のプレゼンテーションにおける結論は「良い企画です」ではなく「この企画を採用すべきです」が結論(主張)です。

真の結論と見かけの結論

「考える」とは情報や知識を組み合わせ加工して結論を導き出すことです。これは「悩む」(無限ループにはまる)こととは大きく異なりますので、考えていると言いながら悩んでいることがないようにしましょう。

またロジカルというのは「意味が繋がっている」ことが必要条件ですので、「売上が上がるから、この企画を採用すべきだ」のように「根拠だから主張(結論)だ」という文章にして意味が通じるかを確認しましょう。

<ポイント>

・前提を聞き手と共有する
・主張(根拠)を明確にする
・主張を説明する根拠を3つ程度用意する
・意味が繋がっているか「〇〇だから、××だ」と呼んでみてチェックする

また、いらない言葉は極力削り、簡単な言葉を使うことが重要です。(スッキリ、カンタンに)人は、分からない言葉が2,3個出てきたら脳がシャットダウンしてしまいます。中学生でも理解できるレベルの言葉を使うようにしましょう。また、短く、言い切ることでスッキリと脳内に入ってきます。

右脳を刺激してイメージを想像させる

プレゼンテーションにおいては文章や言葉だけでなく、ビジュアルを見せることが効果的です。視覚処理情報は、文字情報の6万倍も速く処理できるともいわれており、また記憶に残りやすいのも特徴です。しかし、関係ない写真や絵は逆にノイズになて理解の妨げとなるため注意が必要です。

また、根拠に「例えば~」を入れることでイメージを沸きやすくすると良いでしょう。そして、聞き手にできたイメージの中に、入りこんできてもらうことが非常に効果的です

「想像してみてください」という言葉を投げることで、勝手に聞き手自身の記憶の中にある要素からイメージを膨らませてくれるので、こちらが伝えたいこと以上に伝わるという費用対効果の高い手法です。

1分で動いてもらう

左脳、右脳の双方に働きかけすることで、相手を動かす下地は完成します。
最後の一押しで効果的なのは「超一言」で包み込むことです。超一言とは、覚えやすく、その一言でプレゼン全体を表現するようなキーワードのことです。

また、「自分が相手に伝えたい」という視点しか持っていないと、その話を聞いている相手の気持ちが理解できず、結局相手は動いてくれません。動かすためには「話している自分と相手を俯瞰で見る」ことが重要です。相手に憑依することができれば、リアルタイムで相手の気持ちになることができ、伝わる話し方ができるようになります。

「伝え方」のパターン

最後に、伝え方のパターンをいくつか紹介します。
まず、論理的に話を組み立てるためのフレームワークです。
SDS…Summary(要点)-Detail(詳細-Summary(要点)
PREP…Point(要点)-Reason(理由)-Example(例示)-Point(要点)

そして、新しい取り組みを説明するときなどに効果的なフレームワークです。
PCSF…Problem(問題)-Change(変化)-Solution(解決策)-Future(未来)
例「今こんな問題があります→これに対してテクノロジーはこんな変化が起きつつあります→この変化を活用し、こんな解決策を生み出しました→そして、この解決策を展開しながら、こんな未来を創っていきたい」

■この本から得た教訓

気づき

結局、営業も相手を動かして初めてそれが成果に繋がる。「動かす」ことの連続が「受注」へと直結しているのだから。商材の説明をすることも、ヒアリングをすることも「目的」ではなく「手段」であるということを再認識した。

明日からできること

1商談の目的を「ヒアリングすること」とするのは良いが、その「ヒアリング内容」は「受注」という目的にどう繋がっているのかを明確に言語化してから臨む。目的から逆算して、どうすれば相手が動くのかを考え、伝える内容、聞く内容を考える。

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