人間は人間の専門家⁉
こんにちは。事業計画研究所です。
本日も「世界2.0 メタバースの歩き方と創り方」佐藤航陽(幻冬舎)の所感をレポートしていきます。
前回は、「世界とはなにか?」をテーマに話してきました。
今回は「人間の専門家」をテーマに話していきたいと思います。
人間は誰しもが人間の専門家
前回の記事で、人間は他人に対しての関心度が高いことを話しました。
そこで、実際に人間(アバター)を作るにはどうしたらいいのかを考えていくと、視空間において再現がもっとも困難なものであることが分かります。
その理由は、
「人間は誰しもが同じ種族である人間の専門家といっても過言ではない」
というものです。
表情や仕草、歩き方などに少しでも違和感があると、人間は直感的に気づいてしまいます。
一番のネックは人間?
まったく違和感を持たないレベルまで3DCGで人間のアバターを作りこむことは、技術的に最も難易度が高く、完全に最先端の研究領域です。
視空間をバーチャル上で再現したときに、
「よくできたCGだな」
と気づかれてしまうのは、人の動きや顔がきっかけであることがほとんどです。
ゲームや映画などでは、本物そっくりと思える高クオリティの映像が数多く制作されているものの、人の動きや顔というものは生身の人間に見えるレベルで精巧には描くことができていません。
不気味なアバター
1970年に、ロボット研究者の森政弘さんが、「不気味の谷」という概念を提唱しています。
これは、ロボットを人間そっくりに設計すると人間が違和感や嫌悪感を抱くという現象を表したものです。
ロボットと同様に3DCGでも同じことが考えられ、本物と遜色ないレベルにまでアバターを作れれば、不気味の谷のジレンマを乗り越えることができますが、とても困難なことであるのは確かです。
したがって、メタバースで使うアバターはあえて人間により過ぎず、動作をデフォルメしたキャラ付けしたりする方向に向かうことが予想されます。
一方で、クリエイターたちはどうにかして不気味の谷を乗り越えようと努力を重ねており、違和感の克服が近い将来訪れる可能性もあります。
また、人間に寄せることを完全にあきらめ、鳥やネコなどの動物の視点、もしくは宇宙人などの架空の存在をアバターにすることで、自分と同種でないことから違和感というものをあまり感じずに楽しめるとも考えられます。
まとめ
いかがでしたか?
私たちが人間であるがゆえに、人間というものに対して些細な違和感でも感じてしまうというのは、面白いものですね。
最近では生成AIの影響もあり、不気味の谷を乗り越えるのも時間の問題では?と個人的には感じております!
次回作をお待ちください!
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