日常の写真を見て、幸せに気づく。(TOPコレクション セレンディピティ日常のなかの予期せぬ素敵な発見(東京都写真美術館)を見に行っての雑感。)

本展覧会では、約3万7千点に及ぶ当館の収蔵作品のなかから、セレンディピティをキーワードに、ありふれた日常の何気ない一瞬を撮影した作品などを見ていきながら、写真家たちに訪れたささやかな心の機微を探ります。

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4530.html

牛腸茂雄〈日々〉
窓から空を見上げる犬の写真
なんか人間っぽい哀愁がうかがえるのが面白い。
こういう風景を切り取れるのは単純にすごいもんだなあ。

潮田登久子《冷蔵庫》
ドアが閉じた状態と開いた状態の冷蔵庫
冷蔵庫にものが入ってるってのは食べられるものがあるっていう意味では幸せだよな、という気づき。
ただ、ふるさと納税の返礼品で冷凍室パンパンという不幸もあるっちゃあるか。

島尾伸三 《生活 1980-85》
空になったデザートが入っていったであろうグラス
完食できるってのは元気である幸せとも言えるように思えてくる。
少し残ってるとまた話は変わってきそう。
展覧会のタイトル次第ではまた違った見え方したかもなあ。
余白があることで想像の余地って広がるし、言葉一つで制限されるってことか。
キャプションとかは考えるガイドラインくらいにしておくくらいが、作品を楽しむための幅が広がるわな。
全部言えばいいってもんじゃない。

相川勝《ランドスケープ》
ゲームの映像を投影して、それを写真に収めたもの
白黒の二階調であることで、ゲームの画像には見えなくなるのが面白い。
これは風景写真というカテゴリに含まれるのだろうか?
AIが作った風景を模写したり、撮影したらその作者って誰になるんだろ?

鈴木のぞみ《柿の木荘2階東の窓〈Other Days, Other Eyes〉
写真の上に窓を載せた形の作品。
窓ガラスに装飾が入っているところもリアリティが加わっていい。
写真単独だと大したことのない風景であるかもしれないが、窓が加わることで見え方が一変するもんだなと。
作品単独の力も必要なのだろうが、その外側にあろう要素を利用することでまた作品にパワーが加わるということもあるんだなと。
これも一種の仮想体験?

奈良美智
中平卓馬 〈日常〉

二枚の写真を並べたものを別々の作家が提示していた。
全く関係のないものであっても、自然と関係性を考えてしまう、人間の不思議な性質があるな。
IPPONグランプリの写真で一言も1枚だけでなくて、2枚ならべてやってみると、難易度上がって面白そうではあるが。

石川 直樹〈Mt. Fuji〉
シンプルに壮大な景色の写真って良いもんだな。
胸がすく感じがして、部屋に飾りたくなった。

うまい写真って、何を訴えたいかがよく分かる構図になってるように感じたかなと。
フォーカスするところがわかりやすいようになってるという感じで。
ここが玄人と素人の差なんだろうな。
門外漢からするとそういうのがわかる面白さってあるなあ。

今日の駄文はここまで。


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