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省エネ基準の旧計算法の経過措置が3月で終了します

去年の4月に省エネ基準の計算法が変更(技術情報 Ver.3系)になりました。

旧計算法(技術情報 Ver.2系)は経過措置として1年間の猶予がありましたが、これが今月で終了する予定です。
旧計算法で計算されている方は新しい計算法に移行してください。
古い計算ソフトやExcelシートを使用している人は注意が必要です。

特に注意が必要なのは以下の2点です。
一つは熱貫流率(U値)の計算で、熱貫流率補正法(簡略計算方法)を計算している場合です。
この計算は使用できなくなります。
もう一つは窓の取得日射熱補正係数の計算方法で詳細計算法が使用できなくなり、簡略計算法のみとなります。

熱貫流率補正法は大雑把な計算なので削除されるのはわかりますが、取得日射熱補正係数の詳細計算法が削除されるのは腑に落ちません。
取得日射熱補正係数の簡略計算法は、大雑把な計算で実際の性能を正しく評価できるとは思えません。
なぜわざわざ詳細計算法を削除するのかは謎です。

どうしても詳細に計算したい場合は、ホームページに用意されている日よけ効果係数算出ツールを使用して、冷房期と暖房期の日除け効果係数を計算します。

ただ、窓一つ一つのデータをこのホームページに入力して、日除け効果係数を計算するのはかなり手間がかかります。

土間床・基礎断熱も計算方法が変更になっていますが、旧計算法は現在のところ期限を設けられていませんので4月以降も使用できます。
土間床・基礎断熱の新しい計算方法は、考慮できる工法が限られるため断熱材を入れていてもそれを評価できないことがあり、工法によっては不利になります。
また、土間と基礎壁を分けて入力しなければなりませんので計算量が増えます。
新計算法は計算式は簡単になったのですが、表から数値を拾うなど面倒な作業が増えたため、却って計算に時間がかかってしまいます。
工法によりますが、旧計算法を使用し続けるのも一つの方法だと思います。

土間床・基礎断熱を詳細に計算したい場合は、ホームページに用意されている土間床等の外周部の線熱貫流率の算出プログラムで線熱貫流率を計算する方法もあります。

窓と違って土間床の数は少ないので、このプログラムを利用してもいいと思いますが、プログラムがわかりづらいのが難点です。


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