これいいね! 05_そう切っちゃうの?
私、主に公共土木工事の施工を生業とする会社様に向けた、ソフトウェアを開発する企業に勤めております。
今の企画系の仕事に変わって、そろそろ8年歳月が過ぎようか、ということなので、
それまで専門としていたソフトウェアの開発のことはもちろん、当時、ものすごくお世話になったお客様の業務についても、その記憶が薄れていく一方ではありますが、
それでも、土木工事の現場を目にすると、「おおっ?どんな工事なのかな?」なんて、気にはなります。
もう、今から1年半ほど前のこと。
かなりの田舎なんですね。我が家の周辺は。
ですから、そろそろ普及率が100%に近づいてきたとは言え、当時は、まだまだ、下水道整備の真っ最中でした。
とある日曜日。散歩ついでに近所の公園に向かう途中、こんなものを発見。
これ、見ての通り、アスファルトカッターで舗装に切り込みを入れたところ。
「次はここに本管が通るんだな。」なんてぼんやり考えていたところ、ふと気がついた。
「なんだろう。この斜めの切込みは・・・」
下水道工事は、アスファルトを剥がして、必要あれば土留めをして、土を掘って、管を敷設して、土を埋めて、アスファルトを敷く、という流れ。ざっくり言うと。
1メートルくらいの幅で、ひたすらなが~く工事をしていくだけ。
だから、イメージとしては、まっすぐ。
そこに現れた「斜め」という概念。
一体、これは、何のためのものだろうか・・・といろいろと考えた結果、素人が行き着いた答え。それは、
「工事開始時に、この斜めの部分をスッと抜いて、そこに、バックホウのバケットの先にある爪を入れることで、まず最初のアスファルト剥がしをやりやすくする。」
でした。
実際、斜めに切り込みを入れたことによってできた三角形の部分を指で触ってみても、カタカタっと動きましたから。
「なるほどな。そう切っちゃうんだね。これが、工事施工を円滑にするための、ほんの少しの工夫なのか。話しには聞いたことあるけど、実際目にすると、やはり新鮮!」
なんて、一人で盛り上がっておりました。
さて、あれから1年半。
改めて、「これいいね!」として掲載しようと、斜め切りについて少し調べてみると、どうも様子がおかしい。
『ただいま駅前舗装工事中』という、とある現場監督さんのブログを拝見すると、
舗装の厚さを確認する為に、切り取ります。
厚さを確認、カッターの切込深さを調整します。
設計では・・・アスファルト5cm コンクリート20cmの複層でしたが、一部を除いて、アスファルト12cm程度!?設計変更対象になると思います。
あれ?これ、もしかして、設計図面と現場の実情が合ってるかどうかを確認するためにサンプル的に採取するためのものだったの?
なんだったんだろう。1年半前の、あの、ひとりフェスティバルは・・・
そんなこんなで、アスファルトを斜めに切るということの真相は、そんな大したことではなさそうだということがわかりましたが、
今回、「これいいね!」を掲載するにあたって、「アスファルト カッター 斜め」なんてワードで調べてみると、こんなのが出てきました。
(株式会社 三和工業さんの、「斜め舗装版切断工事」のページより引用)
いやいや。そういうことではなくて。という感じ。
もう、こうなると、完全に、NHKEテレでやってる『デザインあ』の中の、「思ってたんとちがう」の世界。お笑いコンビ「笑い飯」の西田さんの声が頭の中に響き渡ります。
しかし、この機械。説明にある、
「すりつけ部を斜めにすることにより新旧舗装の密着度を高め、亀裂の発生や段差の発生を防ぎます。」
というメリットが得られるのなら、それはすごいね。
これいいね!
って、最初の話しから変わってもうてるやん。(笑)
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