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店舗接客ノウハウをグループ間でシェア。タイムレスのイネーブルメント課の立ち上げを振り返る。

バイセルグループの各社は、現在それぞれ独自の買取店舗ブランドで店舗展開を進めています。
タイムレスは2016年12月に第1号店をオープン、百貨店を中心とする出店戦略を特徴としています。バイセルは出張買取事業を軸に成長しつつ、2019年12月に初の店舗をオープンし、好立地な都市部を中心に施設内や路面店などに出店しています。

異なる出店戦略や成長の背景があった両社のノウハウは、ひとつのグループとなった後に互いに新鮮に映ったようです。
M&A当時から現在までのグループ間連携について、店舗支援部 部長の喜田さんへお話いただきました。

喜田 洋介(きだ・ようすけ)
株式会社タイムレス
店舗事業本部 店舗支援部 部長
2019年9月に東急渋谷本の査定員として入社、東戸塚店の店長、関東エリアのエリアマネージャーを経て、2021年3月よりイネーブルメント課課長、2023年2月より現職。

継続的に学び続けるプログラムを全店舗へ提供

――店舗支援部の概要と、今回お話を伺いたいイネーブルメント課の業務について教えてください。

タイムレスでは、全国の百貨店などに「買取サロンタイムレス」を現在27店舗展開しています。店舗支援部は、店舗営業に対して教育面での支援・運用面での支援・数値管理支援などを行う部署で、イネーブルメント課とセールスサポート課の2つの課があります。

イネーブルメント課のミッションは、これらの店舗に勤務する査定員約120名の成長を支えることです。以前の査定員教育は各店舗で担当していましたが、店舗数の増加に伴って採用者数も拡大したことから、2021年3月に教育をとりまとめるイネーブルメント課を設立しました。
新卒・中途社員の導入時と、各店長への研修の2つを主軸として行っています。

ーー導入研修と店長への研修は、それぞれどのような内容を提供していますか?

導入研修では、新卒は約2ヶ月、中途は約1ヶ月間かけて査定員としての基礎的な業務内容から商材に関する知識まで研修を行います。
店長研修は店長を一斉に集めて教育支援するプログラムというわけではなく、店長とイネーブルメント課が定期的にミーティングを行いマネジメント支援を実施しております。毎月の数字管理や課題解決についてPDCAサイクルを回していける仕組みを提供し、店長へイネーブルメント課の考え方をしっかりと共有することで、数値改善ができていると感じています。

ーー査定員の教育において、バイセルとの関わりについて教えて頂けますか?

イネーブルメント課を立ち上げた当初は、バイセルのセールスイネーブルメント部の教育内容や、接客の品質管理、数字管理方法など、多くのことを参考にさせてもらいました。
バイセルの新卒研修を見学したことやバイセル店舗へお伺いさせていただいたことで小さなことから大きなことまで比較でき学ぶことができました。
現在はバイセルもタイムレスと同じく店舗買取を強化しようとしている中で、バイセルの店舗事業部の皆さんとは店舗管理や数値改善など相談や情報共有を行っております。

両社のノウハウ活かす、バイセルグループのイネーブルメント

ーー研修の設計にあたっては、バイセルのノウハウのどのような点が活かせましたか?

まず、入社したての社員に対する導入研修の軸となる「基礎研修」は、非常に参考になりました。
バイセルのセールスイネーブルメント部は、優秀な査定員のデータを元に、営業として必要不可欠な原則や、商談フローに沿って押さえておくべき接客内容などを体系的にまとめて教育しています。初めてバイセルの研修を見学した際にタイムレスにも導入する必要があると感じました。タイムレスの特徴である”百貨店品質の接客”を明文化したことやスケジュールなどを見直し体系的な教育へと徐々に近づけることができました。
またスタッフの接客品質管理の面では、タイムレスで以前から行っていたボイスレコーダー確認からのフィードバック研修をバイセルでも行っていると知ったときは、やっていたことは間違って無かったんだなと安心する気持ちもありました。
当時のタイムレスの評価軸はやや粗い内容でしたが、先程の基礎研修を軸にした評価項目に再構成したことで、教育効果も検証しながら、より的確に評価できるようになりました。いま現場で活躍するスタッフの接客をイネーブルメント課からフィードバックを行っています。
その他にも、商材ごとの査定のポイントや背景となる知識がまとまった研修資料なども、とても参考になりました。

ーー反対に、タイムレスのどういったノウハウを、バイセル側に提供されましたか?

バイセルの得意とする出張買取は一期一会のビジネスモデルですが、店舗買取はいかにリピーターとなって再度ご来店頂けるかが重要になります。2016年から百貨店を訪れるハイクラスなお客様に対して、満足頂けるサービスを提供してきたタイムレスとしてのノウハウがあります。
一つ一つはすごく特別なことではありませんが、挨拶やお客様への会話、お待ちいただいている間のドリンクサービス、また品物の取り扱い方など、違和感を感じさせない配慮や所作の面にはこだわってきました。
こういったタイムレスの接客方法は、バイセルの店舗事業部の方々がタイムレス店舗に見学に来られた際に気づきが得られるポイントだったようで、今のバイセルの店舗での教育にも活かしてもらっています。

ーー最後に喜田さんとしてはM&A前後での変化をどう感じていますか?

M&A直後は正直なところ、上から指示が降ってくるような印象を感じた時もありました。ただ現在では各社それぞれに持っている日々の悩みを、フラットな目線で語れる関係性になったと思っています。

また昔のタイムレスのカルチャーとして職人気質が強くありました。バイセルグループになったことで、がむしゃらにやっていたところから、どう店舗として利益を出していくのか、どうお客様にアプローチすべきなのかロジカルに考えるきっかけを与えていただきました。
システムの導入も進んだことで、データが取得できることも多くなりました。そのデータから各店舗の強みや弱みを掴み、教育に反映させることができるようになったのは、M&A後の大きな変化だと思っています。




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