#5-3 その時薬学史が動いた。病院薬剤師の歴史_編集後記
おはこんばんちわなら!!
編集担当のメガネです。
病院薬剤師メガネによる、病院薬剤師の歴史・業務紹介となりました。
本編のラジオはこちらからどうぞ!!
Listen to the most recent episode of my podcast: #5 -3 その時、薬学史が動いた。病院薬剤師の歴史。 https://anchor.fm/hb97caei0r8/episodes/5-3-e2ep4j7
note編集後記では、
今の病院薬剤師の仕事(メガネが知る限り、書き漏れている仕事もありそう…すいません)、病院薬剤師の今後について、素人なりに書いてみたいと思います。
(病院薬剤師の今後とか考えていいレベルの人間ではないと思うんですが)
(イチ病院薬剤師の妄想ということで…)
病院薬剤師の業務を書き出してみた
調剤業務
医師の処方に基づき、薬剤師が内容を確認し、調剤を行います。
疑問点がある場合は必ず処方医に疑義照会を行います。返納業務
指示変更で使用しなかった注射薬など、再利用するために薬剤部の所定の場所に戻します。
急性期病院では、指示変更が常に発生するため、返納業務が多くなりがち。
薬務業務
医薬品の発注を行う…のはもちろんのこと、
院内の医薬品の管理を行います。医薬品の発注・納品
医薬品が不足するのはダメなのはもちろんですが、過剰在庫になるのも問題です。医薬品は高額、使用期限が短い、冷蔵、向精神薬、麻薬…などいろいろな条件があります。輸液は場所を取りますしね~。
また、薬価改定もあります。基本的には薬価改定で医薬品の価値は下がります。
これらの理由で、医薬品はいっぱい買って在庫しておけばいい、とはなりません。手術室 医薬品管理
麻薬、毒薬、OPカートなど、手術室で使用する薬剤の管理を行います。災害救援備蓄医薬品の管理
製剤業務
院内製剤
なんと、病院で使う「くすり」が全て販売されているわけではありません。例えば、内視鏡検査で病変を分かりやすくするために色素などを使用することがありますが、これらの色素は医薬品として販売していないことがあります。これは病院薬剤師が作るしかありません。処置薬払い出し
処置で使用する薬剤(傷や器具の消毒にしようする消毒薬など)は患者さんごとに処方せず、処置薬払い出しとして、病棟・処置室などに払い出します。注射抗がん剤ミキシング、注射薬ミキシング
日本では、注射抗がん剤は薬剤師がミキシング(=注射薬を輸液に混ぜる作業)を行います。一部の病院では、機械化されているところもあります。
治験業務
治験コーディネーター(CRC)
治験審査委員会事務局
※メガネ、詳しくありません…。すいません…。
医薬品情報 (DI)
医薬品情報の提供
医療スタッフからの医薬品に関する様々な問い合わせに対応します。薬品情報の収集・整理・保管・伝達
製薬会社のMRと面談し、医薬品情報を収集・管理・院内周知を行います。副作用報告の収集
院内で発生した副作用を収集し、厚生労働省に報告します。プレアボイド報告の収集
医療安全の向上を目的として、プレアボイドを収集し院内に周知します。
※プレアボイド:薬剤師がチーム医療の中で服薬指導や薬歴管理を通じて、薬の副作用・相互作用をはじめとした患者の安全管理に寄与した実例報告の呼称医薬品マスタ管理
電子カルテで処方オーダができるように医薬品マスタを作成し、管理します。
病棟業務
入院時持参薬面談、周術期薬剤管理
手術前後・手術中に使用する/中止する薬剤の確認を行います。病棟薬剤業務実施加算
薬物治療の有効性・安全性の向上を目的として、入院中に使用する薬剤が正しいか・投与量が適切か、薬剤師が確認を行います。治療薬物モニタリング (TDM)
一定の血中濃度を維持していないと効果の出ない薬や、血中濃度の上昇が非線形な薬を対象として、薬の血中濃度を測定し、最適な薬用量、投与法を設定します。
例:バンコマイシン注など薬剤管理指導、退院時指導
患者さん・家族さんへの薬剤の説明を行い、薬物療法の有効性と副作用や、医薬品を正しく使用できているか確認します。退院時薬剤情報連携
入院前後で薬剤に変更があった場合、その詳細をかかりつけの保険調剤薬局に情報提供を行います。薬剤総合評価調整加算・薬剤調整加算
入院時に内服薬の一元管理・薬剤変更時に患者の状態の確認を可能、内服数の減少が出来ないか医師と協議します。カンファレンスへの参加
各診療科のカンファレンス
退院時カンファレンス
チーム医療への参加
※たぶんもっとある、病院の特色も出る感染症
感染対策チーム (ICT)
抗菌薬適正使用支援チーム (AST)
抗菌剤の処方のアドバイスを行います。
栄養サポートチーム (NST)
褥瘡対策チーム
緩和ケアチーム
排尿ケアチーム
術後疼痛管理チーム
外来業務
外来で病院薬剤師が、薬の説明・有効性/安全性の確認などを行います。
例:外来化学療法室、医療用麻薬の導入、吸入指導etc…保険薬局薬剤師との情報共有、服薬情報提供書(トレーシングレポート)
がん薬物療法は、治療の場は外来にシフトしています。
地域の保険薬局薬剤師と病院薬剤師が、協力してこそ、がん薬物療法は安心・安全・満足度の高いものになると思います。
入院前持参薬面談
入院前に普段飲んでいる薬・副作用・アレルギー歴とこれから行う手術などと問題がないか確認します。
例:抗血栓薬を内服で、今後手術予定。抗血栓薬は続けるのか・止めるのか、いつから止めるのか。など。
患者教育・教室
糖尿病教室
肝臓病教室
腎臓病教室
研究業務
今後の患者さんにより良い医療が提供できるように、臨床の薬剤師も研究を行います。院内会議
※多分もっとある…。薬事委員会
院内で採用する医薬品について検討します。
新薬、後発品・バイオシミラーへの切り替えなどを検討します。
医薬品情報の共有が行われます。倫理委員会
適応外使用薬などもここで検討します。医療安全委員会
医療情報委員会
治験審査委員会
感染対策委員会
がん薬物療法委員会
新規のがん薬物療法について審議したり、各種ガイドラインの更新に対応したり、抗がん剤の安全使用について考えたり…。
メガネが頑張っている会議です。緩和ケア委員会
経営会議
医薬品はとても高価!健全な病院経営にも薬剤師の力が必要です。
薬剤部長の大事なお仕事。
めっちゃ業務多いな…耐えれるのか薬剤師
…たぶんこのままじゃ無理だ!!
病院薬剤師、やりがいがあるのは間違いない
メガネ3つの病院で働きましたが(転勤です)、すべて急性期病院です。
う~ん。病院薬剤師やること多いな…。
(もちろん、薬剤師のみんなで分担して取り組んでいます。)
(ある程度は全てできると、何かと便利、他の医療者から信頼されると思いますが)
特に今は、医師の働き方改革に向けて、薬剤師の新たな業務が始まっている病院も多いのではないでしょうか。
病院薬剤師、これからもやりがいのある仕事であることは間違いないと思います。
薬剤師の業務も機械化、AI化をしていかないと?
ただ、病院薬剤師の確保が難しいようです。
病院薬剤師のタメタメチョタメラジオで、少しでも薬学、薬剤師、病院薬剤師に興味を持ってくれる方が増えてくれると嬉しいなぁ。
ただ、そもそも人口が減るので、病院薬剤師が足らないから新たに確保する、という考え自体が、すでに古いのかもしれないです。
機械が出来ることは機械に、AIに助けてもらえそうなことはAIに。
最終的な責任を負うのは人間なので、チェックは薬剤師が行う。
今後のニーズにあうほどに、病院薬剤師が増えるとは思えないので、
機械化・AI化もどんどん導入できればいいですね。
病院薬剤師業務の機械化について
既に多くの病院で機械化されているのは、内服薬の一包化、注射薬の自動払出機(アンプルピッカー)でしょうか。
抗がん剤でいうと、無菌調製ロボは既に発売されています!
しかしお値段が可愛くない。薬剤部長10年分の給料の値段?くらい??
ロボットのメリットはもちろんありますが(間違えない、土日・夜中も動かせる・忙しくても文句言わない、など)、もう少し安くならないと、広がるのは難しいのでは、と思います。
せめて主任薬剤師レベル、できれば新人薬剤師×10年分の給料の値段になれば!うれしいですね。
【株式会社ユヤマ】抗がん薬混合調製ロボット ChemoRo(ケモロ)
病院薬剤師業務のAI化について
医療文書の作成、薬剤師カルテの作成、持参薬報告などAIの補助があると嬉しいですね。
病院薬剤師の、特に病棟業務は、パソコンをパチパチ打っている時間が長いです。
医薬品の発注も、数理モデルで何とかしてくれねぇかな…
と、素人が妄想しています。
病院薬剤師が在宅で、働くことはできないのか??
潜在薬剤師、いわゆる「たんす薬剤師」の先生に、なんとか在宅リモートで、病院薬剤師として働いてもらうことは出来ないですかね…。
入院前・入院時の持参薬確認・報告とか、お願いできると思います。
医療情報を扱うので、難しいとは思いますが。
(メガネごときが考えることは、偉い先生が既に考えていることばかり。この件もすでに考えられているのかも??)
厚生労働省、薬剤師確保について、令和4年度 病院薬剤師の勤務実態調査
病院薬剤師(ヒト)が、すべきこととは?
(機械、AIにできないことは?)
対人業務
ど素人ですけど、機械から説明されて、納得できる人って多くないのでは。医療の対人業務の機械化・AI化は難しいでしょうね。
人間って、バイオ・サイコ・ソーシャルな存在。
それから逃れられないやで。対患者・家族さん
対他の医療スタッフ
対保険薬局薬剤師
最後の責任は「人」しか取れない
どれだけ機械化・AI化しても、責任はとってくれないので、最後の確認は病院薬剤師(ヒト)がすべきでしょうね。
調剤・製剤業務など、実際に手を動かす仕事も残る、と思っています。本当はもっと大胆に、思い切った機械化・AI化が必要??
未来を視るってムズカシイ…。
世の中の成功者さんって、やっぱり凄いんやね…。もっともっと大胆に?!病気が消える日が来たら?
もうここまでいくと、想像つかないですね。
個人的には医薬品は残ると思います。
どんな物質を「薬」と呼称する世界なのかは…わかりませんが。
まとめ!!
病院薬剤師がやるべき仕事は、すでに結構多い。
病院薬剤師のニーズは高まっている。
医薬品の医療事故は未だに多く、医療安全の更なる向上が必要なため。
医師の働き方改革にも対応する必要がある。現状、病院薬剤師の確保が難しい。
ラジオが少しでもお役に立てれば嬉しい。
人が足らないから、確保しようという考え自体がすでに古いのかも。
業務の更なる機械化、AI活用が望ましい。
潜在薬剤師の活用も大事だと思います。未来を思うのも大事。
未来のこと考えるのは、楽しいような、なんか憂鬱なような。
だけど、我々今を生きております。
地に足つけて、今できることを頑張っていきましょう。
だけど×2、幅広い視野を持ち続けたいですね。
エビデンスもへったくれもない、Noteになってしまいました…
今後は、気になる論文などの紹介もしていきたいと思います。
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