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いま改めて口コミについてを掘り下げる

口コミの効果

そもそもの口コミの効果クチコミはあらゆる購買判断の20〜50%に影響する。
従来型の広告はなお有効だが、日常生活の中のクチコミのほうが少なくとも10倍効果が高いと言われている。

「ウィンザー効果」:当事者が発信する情報よりも、第三者による評価のほうが信頼性が増す心理状態。
これは飲食店の店主が自ら「私がつくる料理は美味しい!」と言うよりも、第三者が「あそこの◯◯は美味しい」「ほかの店より質がコスパが高い」という口コミや噂のほうが信じやすくなる心理状態。

「バンドワゴン効果」:「口コミや評価の数が多いほうが、より信頼できる情報だ」「あの人が美味しいと言っているんだから、本当だろう」といった心理状態。口コミの原則

1、ソーシャルカレンシー

取り上げる話題は他者の目に映り、その人の印象を左右する。
“いままでにない特別なハーブティー”を知っている人は、オシャレでハイセンスに見える。

・自分をよく見せたい

日常会話の4割以上は自分の経験談か個人的な人間関係に関する話。
ツイートの5割は「今、何をしているか」「こんな出来事があった」という自分語り。
そして、人間は自分語りが心地よいと感じる。

「食事やカネで満足感を得たとき」と、「自分語り」で反応、活性化する脳の領域は同じであるという研究結果が出ている。

・希少価値と限定価値

数量限定の食べ物はおいしく感じる。
入手困難な商品は特別に感じる。
それを食べた、それを手にれた私。話題に取り上げてもらうためには、話し手が聞き手に対して”好ましい印象”を与えられるメッセージを打ちださなくてはいけない。

ポイント:人がしゃべってドヤ顔できるようなものにすること。

2、トリガー

人々が関連するものを思い浮かべるきっかけとなる要素。
頭の中に思い浮かぶことは話題になることへとつながる。

思い起こすきっかけが頻繁にある商品は、ほかの商品より15%も多くクチコミされる。

思い出すきっかけ商品やアイディアは日常の中で、思い出すきっかけが多く得られるように工夫しなければならない。

1997年製菓会社チョコレートバー「マーズ」の売上が予想外に伸びていた。
それはなぜか?
NASAが火星(MARS)探索をしていた年で、メディアが火星の報道をたくさんしていたため、人々がチョコレートバー「マーズ」の商品について想起したから。音楽心理学の実験。

スーパーマーケットである日はフランス音楽を、ある日はドイツ音楽を流した。
すると、フランス音楽の日はフランスワイン、ドイツ音楽の日はドイツワインが売れた。

レベッカブラックの曲「フライデー」はyoutube動画の再生回数が金曜日に偏っている。人々が金曜日になると「フライデー」の曲を思い出すから。

キットカットは「コーヒータイムにキットカット」というメッセージを発信し、1年で30%の売上拡大に成功した。

ポイント:人が思い出しやすい話題にすること。

3、感情

伝染するコンテンツは何らかの感情を呼び起こす。
感情をかき立てる話はよく共有される。

正の感情:畏敬・興奮・楽しさ・ユーモア
負の感情:怒り・不安ポイント:情報は感情とともにシェアされる。

4、人の目に触れる

商品やアイディアを広めたければ、人の目にふれやすくする必要がある。

スティーブジョブズはmacのノートパソコンの背面のアップルマークを、当初はパソコンを閉じたときに、持ち主の方向を向くのが正しいと信じていた。
しかし、これだとmacを使っている時、他人から見ると逆さまになってしまう。
第三者の目に触れる度合いを考えて、長年の信念を覆しロゴをひっくり返した。

・人は人のまねをする。

他の人が何を選び、どう行動しているのかが見えなければ、まねをすることは出来ない。商品自身が宣伝になるように工夫すること。
iPhoneのメールの文末に「iPhoneから送信」というメッセージが入る。
アップルが初代のipodを発売するとき、この分野の競争は激しかった。
そこで、他の商品は黒いイヤホンばかりだったので、ipodは白いイヤフォンを採用。
白いイヤフォンをつけている人を多くみると「ipodは良い製品らしい」と思い込む。

ポイント:どうやったら人の目にふれることができるか?を考えること。

5、実用的な価値


実用的といえばお買い得情報

同じカタログ・同じ商品・同じ価格でも、
「セール品」と一言の記載をしただけで売上が50%上がった。「1世帯1点のみ」「お一人様3点まで」という制限を設けると、
消費者は「一人一つしか買えないのは、お買い得商品で在庫がなくなる心配があるからに違いない」と思い込む。
数量を制限したセールの売上はしない場合よりも50%以上多くなる。

100の法則:
商品価格が100ドル未満なら%表示(30%引き)したほうが値下げ率が大きく見える。
100ドル以上なら金額表示(-3000円引き)したほうが値下げ幅は大きく見える。

ポイント:役に立つ情報は好まれるし、シェアされる。


6、物語


人々は物語を伝える。

商品やアイディアを物語の中に組み込むこと。
サブウェイのサンドイッチを食べ続けて45キロのダイエットに成功したストーリーは、「サブウェイはヘルシー」「実際にやせた人がいる」「食べ続けても飽きない=おいしい」という良いクチコミと一緒に語られることになる。
こういう思いで作った、こういうストーリーのある商品。
使うとこういう時間を過ごせた、こんなことが起こった商品。

ポイント:人が伝えるのは単純な情報よりもストーリー。

まとめ

ソーシャルカレンシー(Social Currency)・・・人がドヤ顔できる話。
トリガー(Trigger)・・・人が思い出しやすい話。
感情(Emotion)・・・感情とともにシェアされる。
人の目に触れる(Public)・・・目に見えないものは認識できない。
実用的な価値(Practical Value)・・・人は価値ある情報をシェアする。
物語(Stories)・・・人は物語を伝えたがる。


SNS広告において感じること

いま運用しているTiktok広告やmeta広告においてもある程度上記の法則に基づいた結果が出ている。そもそもビシッと作り込んだ広告が敬遠される傾向にある。

まずユーザーはフィードやリール上で広告とわかる、SNSのコンテンツに馴染まないものをスルーする傾向があり、深く内容を理解しようとしない。
実際に効果が出ている広告はUGCっぽい手作り感のある広告である。
おそらく馴染むコンテンツにより、スルーされる確率が減り、冒頭の視聴率が上がる。
その後、第三者の紹介のように見える広告ということで「ウィンザー効果」が生まれ、前者の広告よりも優秀な数値を残している。

現在の某価格比較アプリの広告においては

・こんなお得なアプリを知っている
・よくECサイトを使用する
・実際にこんなにお得になった
・いつも困っていたのにこのサービスで簡単に解決できた

といった、ソーシャルカレンシー、トリガー、感情、実用的な価値、物語を含んだ広告になっていることで、高い広告効果を生んでいる。



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