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どう森で救われました

恋人にどう森を買ってもらった。中学生のころ、めちゃくちゃやりこんだゲームだ。
よく、ゲームはためにならないと言われるけれど私はちがうと思う。

恋人に買ってもらったとき、わたしは軽くメンタルを病んでいた。精神科で抗不安薬をもらっていた。

会社の先輩が忙しくてイライラしているのは能力のないわたしのせい。ランチタイムに会話が生まれないのもわたしのせい。業績があがらないのもわたしのせい。恋人が給料にとらわれて悩んでいるのもわたしのせい。なんなら恋人の体調が悪いのもわたしのせい。


そんな罪悪感にまみれ、自分を幸せにする体力すらなくなっていたとき、どう森に再会した。

自分のキャラを自由に動かすことができる楽しさ。釣りを楽しみ、着たい服を着る。
海にもぐったり、住民としゃべったり。
そこにわたしを傷つける人はいないし、私のやることをとがめる人もいない。
風がふいて、星が流れ、海の音、ザクザクと雪をふむじぶんの足音がきこえる。

現実世界では、自分に服を着せるのもお風呂に入るのもいやだったのに、ゲームをやってからは、自分のアバターに好きな服を着せよう、お花を家の周りに植えよう、とちょっとずつ自分を幸せにする体力が戻ってきた。
日がたつにつれて、ゲームのなかの自分だけじゃなく現実の自分も幸せにしてあげようと思えた。服やコスメを買ったり、掃除をしたりと、ちょっとずつ自分にいいことをする体力が戻ってきた。

いまではまた毎日おふろにはいって、なんとか会社にいけるようになった。未来に絶望せず、希望をもって生きることができている。
島を流れる風や日々かわるお天気、川面に映る自分の影。そうしたもののおかげで、わたしはちょっとずつ自分を取り戻せることができた。どう森はまちがいなく私を救ってくれた。
自分も社会人になって仕事で大変な思いをしたからこそ、このゲームがわたしのもとに届くまでに、さまざまな職人の苦労や努力が込められていることを知っている。ニンテンドーありがとう!

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