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晴耕雨読のビジネスモデル

5年ほど前のことですが、
「農家は長寿で元気だ」
という研究データが発表されました。

豊かな自然環境で仕事をし、早寝早起き、採れたての作物を毎日口にしていれば、きっと健康でいられるんだろうな…
都会のストレスなどは関係ないだろう、長生きもするだろうな…。
かなりメルヘンな想像かもしれませんが、農業生活にそんな「お花畑イメージ」を持つ人は多いと思われます。

では、本当のところはどうなのか。
実際に統計をとってみたところ、やはり農家は長生きだと判明したわけです。

もし農家の仕事や暮らしを経験することが心や体の健康にプラスになるなら、それをビジネスにすることが考えられます。

  • 農作業をして体を動かす

  • 農的な価値観を持つ人々との会話を通じ視野を広げる

  • 共同作業することでコミュニケーション能力を養う

  • 生命について考える機会にする

そういう効果をウリにするビジネスです。

疲れ切った顔のSEを農家に預けたら元気になって帰ってきた、的な話を実際に耳にします。
これをビジネス化する。

いわば
「農場で行うセラピー」
「メンタルヘルス農場」
みたいなビジネスです。

農業の新しい価値をつくるビジネスでもあるといえるでしょう。

昨年、和歌山県がそういうビジネスに補助金を出しました。https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/040400/d00207763.html

「グリーンツーリズム」
「アグリツーリズム」
という言葉がありますね。

農村に出かけて

  • その地の自然や文化、

  • 現地の人々との交流

  • さまざまな生物とのふれあい

  • 農作業体験

などを楽しむ滞在型の旅行のこと。
休暇の長いヨーロッパの国々では、休暇に農村に滞在し、自然や交流を楽しむ習慣がもともとありましたが、そこから発祥しています。

「グリーンツーリズム」「アグリツーリズム」に興味を持つ人が日本でも増えています。
都市化やデジタル化が進めば進むほど、

  • 人は「自然」「田舎」に癒しを感じる

  • 「自然」「田舎」の価値が上がってくる

ということなのでしょう。

農林水産省はこれを「農泊」とも呼んでいるようです。
こんなサイトを作ってがんばっているようです。

「疲れ切った顔のSEを農家に預けて元気にさせる」的ビジネスの話に戻ります。
都会で働く人にはメンタルの不調に悩む人がたくさんいます。
そうした人たちを対象に
「グリーンツーリズム」「アグリツーリズム」
を展開するというアイデアは、じつはさして目新しいものではありません。

以前からポツポツと
「農場で行うセラピー」
「メンタルヘルス農場」
のようなビジネスが誕生したという情報は聞いています。

ただ、活況を呈しているという話はまだ聞きません。
おそらく黎明期のビジネスなのでしょう。

このビジネスには2種類のポジションが考えられます。

1つは「受け入れ側になる」。
つまり専門の農場を営むことです。
農業体験を本業とする農場があるように、メンタルヘルスを本業とする農場になる、というもの。

もう1つは「プログラム側になる」。
農場で行うセラピーをプログラム化し、企業研修として提供する立場になる、というもの。
こちらは日本各地の農場と提携して農場を「研修施設」のように位置づけ、そこで行われる研修を受託する、そういうビジネスです。

後者のポジションを
「農心連携」
と呼ぶ人もいるようです。





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