水槽内から空気中に出る回折光

　図1のように，格子定数 $${d}$$ の回折格子に波長 $${\lambda}$$ の光を入射させたところ，スクリーンに回折光が観測された．回折格子とスクリーンの距離は十分に大きく，回折格子を通過した光は平行光線と見なすことができる．

(1) 図1aのように，回折格子に垂直に光を入射させたとき，格子面の法線と角度 $${\theta}$$（ $${0\leq \theta <90^{\circ}}$$ ）を成す方向に $${m}$$ 次の回折光が観測される条件を示せ．ただし， $${m=0,1,2,\cdots }$$ とする．
(2) 図1ｂのように，回折格子の法線に対して角度 $${\delta}$$（ $${0\leq \delta <90^{\circ}}$$ ）を成す方向から光を入射させたとき，格子面の法線と角度 $${\theta}$$ を成す方向に $${m}$$ 次の回折光が観測される条件を示せ．

　次に，図2のように格子定数 $${d}$$ の回折格子を，格子面を水平に保ったまま水槽に沈め，格子面の法線に沿って波長 $${\lambda}$$ の光を入射させて，スクリーンに映る回折光の数を観測した．格子面の法線と $${\theta}$$ の角をなす $${m}$$ 次の回折光が，水中から空気中に侵入するときの屈折角は $${\phi}$$ であった．空気の屈折率を $${1}$$ ，水の屈折率を $${n}$$ とする．
(3) 水中での光の波長 $${\lambda'}$$ を求めよ．
(4) $${\sin\theta}$$ を $${m}$$ ，$${n}$$ ，$${\lambda}$$ の中から必要なものを用いて表せ．
(5) $${\sin\phi}$$ を $${m}$$ ，$${n}$$ ，$${\lambda}$$ の中から必要なものを用いて表せ．
　(6)，(7)では，$${\lambda =5.3\times 10^{-7}\rm m}$$ ，$${n=1.3}$$ ，$${d=2.0\times 10^{-6}\rm m}$$ とする．
(6) 水中での回折光の $${m}$$ の最大値を求めよ．
(7) スクリーンに映る回折光の数を求めよ．

　解答はこちらです．