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アジェンダブログ:経営幹部の71%がメタバースはビジネスに役立つと述べる理由

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、私たちはさまざまなオンラインスペースで集まるようになりました。オンラインでの仕事や授業が当たり前になるなか「メタバース」という新たな波が到来しています。本記事では「仮想世界」を意味するメタバースに様々な企業が注目する理由をご紹介します。

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メタバースとは

「Meta(超)」と「Universe(宇宙)」から形成されるメタバースは、現実とは異なる次元の世界、つまり仮想世界を意味します。将来は仮想空間で過ごす時間の方が長くなるという考えを受け入れられない人々がいる一方で、企業はすでにこの空間を定義し、ニッチを開拓し、さらにはバーチャル不動産を手に入れようと奮闘しています。

アクセンチュアの調査によると71%の回答者がメタバースへの移行はビジネスにプラスの影響を与えると述べており、また42%の回答者がメタバースを「画期的」または「変革的」であると答えました。

JPモルガンは、メタバースは今後数年のうちにあらゆる分野に浸透し、年間売上1兆ドル以上の市場機会をもたらすと発表しています。マーク・ザッカーバーグ氏のメタは、メタバースについて「インターネットが誕生して以来、現代のビジネスにとって最大のチャンス」になるだろうと述べています。ザッカーバーグ氏はVR開発に100億ドル以上を費やす計画も発表しました。

メタバースのビジネス

テクノロジーの進化は、企業の長期的戦略を立てる上で、経済や政治、社会の動向よりも確固たる指針になりつつあるようです。

ディズニーは、テーマパーク運営のためにメタバース技術の特許を取得しました。ワーナー・ブラザーズはミュージカル映画「イン・ザ・ハイツ」を記念してRoblox(オンラインゲーミングプラットフォーム)でパーティーを開催しました。また、グッチはメタバース上で庭園を作り上げました。

これらの企業がこぞってバーチャル空間に参入する理由、それはお金です。Robloxのマーケット専用に作られたデジタル版グッチのディオニソスバッグは、実物の価格を上回る4,000ドルを超える価格で販売されました。

AIと技術トレンド

こうしたインターネットの再構築は、アクセンチュアのレポートが特定する4つの主要な技術トレンドの1つです。その他には拡張現実の定着、AIの使用リスク、量子コンピューティングを含む”次世代”コンピューティングが挙げられています。

米国コロラド州のベイル・スキー・リゾートは、今後の展望を示す報告書を発表しています。同リゾートでは降雪の詳細や長年蓄積してきた気象データを活用して、実際の山を映し出すデジタルツインを構築しました。さらには遠隔監視と自動降雪機への投資によりスキーコンディションの予測可能性を高め、最終的には通常のシーズンを延長させることに成功しています。


仮想空間に対する立ち位置を決断する時期

メタバースとそれに関するイノベーションは進化し続けており、その市場規模は今後さらに拡大していくでしょう。メタバースが目指すのは新たな「プラットフォーム」なのか。WEB3とはどのように交わっていくのか。仮想空間内での商取引などをめぐる法律やルールの整備やデバイスの普及など、発展途上であるメタバースには課題も多く残されているのも事実です。「今こそ企業は仮想空間に対する立ち位置を決断する時期だ」ーー波に乗るか、静観を決め込むか、企業の態度は大きく分かれるのかもしれません。

執筆:
世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター
菅原結衣(インターン)


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