現場で働いている薬剤師こそ営業を!

元MRのブロッコリーです。
とは言え、もう20年近く前の話です。

今日は、「営業」のお話。
自ら顧客になり得そうな方の事業所や自宅に出向き、商品やサービスを売り込む・・・それが営業。
私自身、薬局の営業というと、いまいちピンと来なかったのですが、例えば、施設調剤の獲得なんかだと思います。
特老、老健、グループホームなどの調剤をうちでさせてください!というもの。また、ケアマネージャーたちに在宅患者の紹介を受けたりするのも、これ営業。

私は中小薬局なのでよく知りませんが、おそらく大手チェーン薬局さんだとエリアマネージャーさん達がそういった営業をするのかな?中小だと社長かな?と考えていますが、だいたいそうだと思います。事実、うちのグループ薬局で行っている施設調剤は全て社長が取ってきたものです。それを現場の人間は粛々とこなすのみ・・・別におかしいところはありません。

話は逸れますが、以前、うちの法人にいた薬剤師なのですが、耳鼻科の門前で働いており外来患者の減少もあって、退屈かつ社長からお𠮟りを受けていたようで、こんな愚痴を漏らしていました。

「在宅でもあればもうちょっと売り上げが上がるのにな。社長取ってきてくれないかな…」

仲の良かった薬剤師ではありますが、さすがに考えが甘すぎると思い、

「そりゃ、自分で取ってこないと。」

というと、どうやら前働いていたところでは社長が取ってきていたとのことでした。

その後、耳鼻科は院長の持病の悪化により閉院し、その薬剤師は利用価値無しとみなされ、見るも無残な退職劇を社長より演出されました。

社長曰く、「在宅くらい自分で取ってこい!」とのこと。残念ながら私も同感でした。調剤薬局で働いているからと言って、「調剤室にこもるな」というのは社長の持論ですが、私はそれにも同感です。仲が良かったその薬剤師の退職は残念でしたが、仕事をする上では正直やっていけないなと思ったのは言うまでもありません。

話は戻ります。

個人的には、新規顧客の開拓などをする場合は、ぜひその現場の薬剤師が積極的に立ち会っていただきたいと思うのです。その薬局ではどのようなサービスが提供できるのかなど、見込み客に説明できるのは現場の薬剤師だからです。

具体的には、一包化の仕方や、分包紙の印字、配達はできるのか?緊急時の対応はどうするのか?支払方法は?などなどです。そういった打ち合わせを「現場」対「現場」(調剤をする薬局と施設など)ですることにより、見込み客が完全顧客になったときに顔が分かっている分、色々な話ができるようになります。少々無理なお願いも聞いてあげれるし、聞いてもくれます。幾度と顔を合わせていくうちに、人間とは不思議なもので、よく顔を合わせている人のことを親しく感じるようになります。(もちろん、最低限のマナーを守ったりお願いしたことなどを迅速に遂行したりなどの常識ありきですが)

施設の職員やケアマネージャーさん、もちろん医師とて、顔の知らない人より顔を知っている人の方が話やすいのです。もちろんお願い事などもしやすいのです。薬のことで相談があった場合、「どこの薬局さんに聞こうか…?」と悩まれるよりも、「○○さんに聞いてみよう」とスッと思い出される薬剤師になるためには営業が欠かせません。

「患者さんに認められる薬剤師に、俺は、なる!」と薬剤師王と意気込んでおられる学生さんや新米薬剤師の方がおられたら、私はぜひ言ってあげたい。

「患者さんだけでなく、医療・介護職のプロから相談される薬剤師を目指しなさい」と。

そのやり方は?と聞かれたら、

「営業に行きなさい」と。

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