患者を口説く

 どの仕事においてもコミュニケーションは必要だと思うんですよ。
 どうも、ブロッコリーです。

 色恋の話ではありませんが、それにも似たお話なのかもしれません。薬局に来ていただく患者を口説いてファンになってもらうことが、薬局の経営にも影響してくるのはこれからの時代、言うまでもありません。
 じゃあその口説き方ですよ。
投薬時に唐突に
 「家で血圧は計っていますか?」
 「ヘモグロビンA1cは高くなっていませんか?」
 「薬は余っていませんか?」
とか聞かれて、その質問をしてきた人に好意をいだくでしょうか?
もちろん薬剤師的に大事なことだと思いますが、患者さん側に立ってみると「あなたにゃ、余計なお世話だわ。」と思われるかもしれません。
よく、
「今日はどうされましたか?」
なんていきなり聞いちゃう薬剤師さんが多いこと多いこと。
それはね、病院でもう話してきてるから薬局であらためて聞くことではないんですよ。普通は。
しかし、関係が築けている患者さんとはこんなことサラリと聞けるんです。サラリと医者に話していないことも教えてくれるんです。
勘違いされやすいのが、「患者さんと友達みたいになる」ってヤツです。そんなことを意識するから失礼なことをつい言ってしまうのです。
個人的に思う、関係を築くための基本的な行動を以下に記します。

  1. あいさつはしっかりする

  2. 誠実な行動する

  3. 話を聞く

の3つだと思います。

 1、あいさつは必須です。別に薬剤師でなくてもできることなので積極的に行いましょう。あいさつというと、「おはようございます」「こんにちわ」「こんばんわ」だけなく、「失礼します」「お気をつけてお帰りください」「お大事に」など別れのあいさつもしっかりするようにしましょう。

 2、誠実な行動をするとは、別に誠実な気持ちを持っていなくても、行動だけ、外から見れば「誠実っぽく」見えればいいのです。例えば、患者さんが持って来た処方箋を見て在庫がないと即座に判断できたとします。近隣の薬局の在庫を探して買いに行って、患者に渡す…その間、およそ30分。もし、なんの説明も無く、散々待たされて薬を受け取る患者が憤りを感じても、何ら不思議ではありません。
 そんな場合は、まず在庫が無いと判断できたところですぐに教えてあげましょう。その説明にそれほど丁寧な言葉は必要ありません。ただ失礼なことだけは言わないように。
 私は、こんな場合は、
「処方箋を持って来ていただいてありがとうございます。今日出ているこちらのお薬なのですが、今、在庫がありません。近くの他の薬局に在庫があればお取り寄せさせていただこうと思うのですが、20分から30分はかかると思われます。お待ちいただけますか?」
と伺います。
もし「他に行く!」と言われれば、「すみませんでした」と去っていただく。「待つ!」と言われれば「ありがとうございます」と言って待っていただく。「お出かけされますか?ご用意出来たら携帯電話にお電話いたします」と言って薬局の外の空気を吸っていただく選択肢も提示する。もちろん薬を渡した際には「長い時間お待たせしてしまい申し訳ございません。待っていただきありがとうございました!」的な挨拶、感謝っぽい言葉を忘れてはいけません。
また誠実な対応が必要になると言えば、小さなミスをしたとき。
規格違いを調剤してしまった、薬の入れ忘れ、入力ミス、などなど。気付いた段階で患者本人よりも早く気付いたときはすぐに連絡し、事情を患者に説明すること!その後の対応は、患者を動かすのではなく、自身が動くこと!たまに聞くのが、「薬局が薬を間違ったのに、なんでこっちから薬局にもう一度行かなきゃならんのだ!?」というもの。ごもっともです。
されて嫌なことは人にしちゃいけません。逆に、ミスした場合は、「自分なら、こうされたらまぁ、許してやるかな。」ということを患者さんにしてあげるように行動しましょう。「誠実」という抽象的な人の性格を示す言葉は行動によって形作られます。人の気持ちは見えません。その人のことをしっかりと考えて行動することが誠実な行動につながります。「誠実」に自分の気持ちは関係ありません。行動のみです。

3、患者さんの話は、ぜひ聞いてあげてください。
勘違いしてはいけないのが、患者さんに一方的にしゃべらせて、自分は相づちだけをうって、うんうん…と聞く、というわけでありません。プロのインタビューアーになった気持ちで話し手がどんどん話ができるように、欲を言えばもっと盛り上がるように質問を投げかけてあげてください。
「自分が気持ちよく話せる人はいい人だ」と考えている人は多いものです。しっかり話を振って、会話を盛り上げるよう努めましょう。

長くなりましたが、私の患者を口説く3原則ご紹介しました。
患者を口説くって、お見合いパーティーみたいで楽しいですよ。
今度はお見合いパーティーについて考察してみようかな…

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