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採用面接の際に人事担当者が何を見ているのか?

「面接は苦手だ」

面接に関して得意な人はいないと思います。私は非常に苦手です。私自身は就職活動を行った際に何社も面接で落ちています。実際の働きぶりを見てないのに何でジャッジできるのかと疑問も感じたことがありました。

では、人事担当者は面接を通じてどこを見ているのでしょうか。新卒採用も中途採用の面接時に人事担当者が着目しているポイントがあります。

採用活動における面接とは何か

「宇宙兄弟」という漫画をご存じでしょうか。そのタイトル通り主人公が宇宙飛行士になる過程の物語です。その1シーンに宇宙飛行士を目指す受検者が共同生活し、その様子を試験官がモニタリングする様子が描かれています。ほんとうはそのくらいやらないと人の性格はわかりません。その人が採用するに値するのか、自社にマッチングするのか判断するためには、面接だけでは不十分で、寝食含め行動を共にすることが求められます。それが理想ではあるのですが、マルチタスクを行っている企業人事にそんな余裕はありません。短い時間が採用することが求められます。

面接は万能ではありません。一説には面接でひととなりを見抜けるのは30%程度と言われています。ではなぜ面接にこだわるのでしょうか。読解力や計算力を測りたければ、SPIやGAB(SHLテスト)などの試験を実施することもできます。資格であれば免許の提示を求めればよいですし、エゴサーチをかければSNSの情報からプライベートの姿や交流関係も浮き彫りにすることができるはずです。

現在のような情報化社会でも面接にこだわる理由のひとつは、私たちが「社会性」と「関係性」を重んじてビジネスをしているからです。実際に会って、「人」として自社に向かえ入れても大丈夫なのか確認しています。例えば、どんなに能力や実績を持ち合わせていて、容姿端麗だったとしても、人事担当者が自社にとって「リスク」だ、合わないと判断すれば、面接は落ちます。

また「社会性」「関係性」からブレイクダウンして考えると短い時間で自分は何者か伝えられる「プレゼン能力」は見られています。知らない環境下でも自分は何者か伝えて、他者と円滑なコミュニケーションがとれる人物か判断したいのです。

面接官が見ている3つのポイント

【経験と実績】
1つ目は、その人物の経験と実績です。新卒の採用面接であれば「ガクチカ」が該当します。今までの人生のなかで何をしてきて、どんな成果を得たのか知りたいと思っています。中途採用の面接であれば「有能であるか」知るために前職での仕事内容と成績を詳しく教えて欲しいと考えています。

面接を受ける側(求職者)は、短時間で自身の経験や仕事内容の詳細を伝えることが求められます。

その際は「状況」⇒「課題」⇒「行動」⇒「結果」の順番で説明することをおすすめします。物語で説明されると面接官は話を聞きやすくなります。

特に重要視されているのが「課題に対して、あなたはどんな行動をしたのか」という点です。仕事の規模や結果より「あなたは実行した際にどんな心理状況でどう判断したか」など その人らしさを見ようとしています。

【行動の再現性】
経験や実績がわかってくると次に「この人はウチに入社して、活躍できるか?」という点で見ていきます。コンピテンシーという行動特性を社内調査し、ウチのハイパフォーマーだったこういう風に行動するなど言語化している会社もあります。

違う環境下でも同じように持ち味を生かして成果を上げられるかチェックをします。面接官はその気持ちを質問という形で表現します。

「あなたの人生のなかで困難なことは何でしたか?またそれをどう乗り越えましたか?」

「〇〇といったシーンを思い浮かべてください。あなたならどう解決しますか?」

「自社の製品にAというツールがあります。設定はお任せしますので、いまから私をクライアントだと思ってプレゼンテーションしてみてください」

上記のような問いかけをされるケースがあります。面接を受ける側(求職者)の準備としては、企業の情報をたくさん集め、自分がその仕事をするのであればこういう風に対応するななど妄想でもよいので、シミュレーションすることをお勧めします。「もしも私が〇〇の社員だった」というドラマを頭の中で描いてみてください。

【社内の誰かに似ているか】
経験・実績と再現性も申し分ないと判断できれば、最後はマッチングを見積もっていきます。ウチに合いそうか、定着しそうかという点です。

組織風土という言葉もありますが、多くの人事はそれを言葉で説明することができません。抽象度が高いからです。

代わりに全社員の顔やキャラを思い浮かべながら、「A君ぽい」「Bさんぽい」と誰かに似ているか探していきます。最後は非常に人間らしいのですが、感覚や感性の部分を働かしてジャッジをしていきます。

面接を受ける側(求職者)が人事から「〇〇部署で成果を上げているのあいつっぽいな」と評価を受ければウチに合いそうというお墨付きに近づきます。誰かに似ているということは、愛着のある社員に近く、自社に合うという判断となるのです。

さいごに

面接に正解はありません。

ですが、少なくともここに書いたポイントを整理することは、今後自身のキャリアにおいて役立つと思います。

※自己分析のやり方も別の記事で書いているので参考にしてください。

面接を受ける側は、人事のネガティブジャッジを受けないようにしっかりと自分のキャリアを棚卸し、企業や自身の情報を整理することも大切な行動といえます。

皆さんの就職・転職活動が成功することを願っています。

また会いましょう。

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