僕はここにいる
昔からよく自動ドアに無視される。
例えば幼少期などであれば、まぁわからなくもないが、中学高校と小柄ながらも成長してもそれは続き、大人になった今でも時折発生するのだ。
最近はこちらも油断しているから、何か考えごとをしながら歩みを進めると、そのままガラスのドアにゴーンである。鼻からゴーン。自動で開くはずのドアにゴーン。ガラスの向こう側の人に見られてイヤーン。もう最悪なのだ。
さて、自動ドアだけで済んでくれていれば、センサーの脆弱さのせいにでもしておくところなのだが、それでは済まなかった。
私の現在の勤務先が入っているビルのトイレは最新式であり、小便器も個室も自動洗浄完備である。なんだ完備って。なんなら個室のドアを開けると勝手に蓋が開くアイツである。
本来なら私が用を足して…なんだ用を足すって…小便器から離れたタイミングで流れてほしいところだが、アイツはそんなのお構い無しだ。最中に、オンタイムで流しやがる。お前次第かい、と用を足しながら私はツッコむ。
ここまではまだあるあるレベルだろう。
先日のこと、私はついに大便器にすら認識してもらえなくなった。
ズボンを下ろし、座って間も無くジャーッ。してる最中にジャーッ。流す前にもジャーッ…。
いやいや、俺いないことになってる?そんな認識されないほど軽くないぜ。なんなの?そんなに存在感ないの?
切なさを抱えたまま、し終えて立ったらシーン。
いや、今だから。お前が仕事をするべきは今だから。いつやるの?「…。」
こうして最後、結局自分で流すことに。
なんだろ、彼らには、機械側(加害者側みたいな)にとっては、私は存在しないことにされているのでしょうか。そこまで存在感ないのかな…。最後は弄ばれた感すらあるし。
ああ、僕はここにいるよ…
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