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FE名古屋~B1への軌跡~|18-19シーズン編

スローガン

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シーズン振り返り

◉開幕前の話題

 このシーズンの大きな変化といえば、Bリーグの外国籍選手に関するルールの変更です。ベンチ入りできる外国籍選手の数が昨季までの3名から2名に制限された一方で、全てのクォーターで2名の外国籍選手が同時に出場可能になりました。

 FE名古屋はというと、早々にジョシュ・ホーキンソンとギャレット・スタツの2人との契約継続を発表して新たなシーズンに備えます。
 日本人選手では、福澤晃平(→茨城)と成田正弘(→秋田)が移籍し、神津祥平と栗野譲が引退してチームを去ることになりました。
 一方で新たに加入したのは、山本エドワード(←島根)と高村成寿(←熊本)の2人。どちらも経験のあるベテラン選手で、若い選手のメンター役としての働きも期待されている印象でした。

◉ルール変更による影響が大きかった前半戦

 先に述べた外国籍選手に関するルール変更の影響で、各チームでは外国籍選手への依存度がさらに高まり、FE名古屋においてはジョシュ・ホーキンソンとギャレット・スタツがフル出場する試合も珍しくない状況となりました。両外国籍選手の奮闘もあって、FE名古屋は着実に勝ち星を積み重ねていくことに成功します。
 しかし、これはFE名古屋に限らない話でしたが、2人の外国籍選手が長時間出場することが常態化した影響で他の日本人選手の組み合わせも自ずと固定化されてしまい、多くのクラブが選手のタイムシェアに不安を残したままリーグ戦は中盤を迎えることになりました。

◉外国籍選手の負担増とシェリフ・ソウの帰化

 リーグ戦も中盤戦に差し掛かると各チームとも新たな外国籍ルールにも慣れ始め、「いかに味方の外国籍選手のスタミナをもたせるか」「相手の外国籍選手をベンチに追いやるか」が1つの焦点になっていました。
 FE名古屋はというと、比較的スタミナのあるホーキンソンはアクシデントがない限りフル出場が基本で、スタツは相手の外国籍選手が休んでいる隙に休ませるといった様子。お互いに外国籍選手を休ませるきっかけを掴めないままフル出場させる試合もあってもはや疲労の色は隠せず、欠場する試合も目立つようになってきます。

 と、そこで飛び込んできたのがシェリフ・ソウの帰化というビッグニュース。当時は外国籍選手が2名しかベンチ入りできず、さらにはアジア特別枠の設定もなかったため、帰化選手の価値は現在よりもさらに高かった印象です。
 夢のオンザコート3、憧れのビッグラインナップに思いを馳せながら、リーグ戦はついに終盤戦に突入します。

◉夢のビッグラインナップ、しかし結果は…

 後半戦、FE名古屋はソウの帰化により実現したビッグラインナップの影響もあって勝率を向上させることには成功するも、一方でプレータイムの偏りは解消せず。そんな中で迎えた大一番が、3/16(土),17(日)のホームでの群馬クレインサンダーズ戦でした。
 この2試合は、いずれもオーバータイムにもつれ込む大熱戦となりますが、Game1では第4Qにスタツがファウルアウトに追い込まれたこともあり、オーバータイムの終盤に失速して敗戦。続くGame2では、逆に相手のアブドゥーラ・クウソーをファウルアウトさせるも、オーバータイムの残り2秒に佐藤文哉に決勝点を許し、悔しい連敗を喫してしまいます。

 結果的にはこの連敗が響く形となり、その後はこの年のB2王者となった信州ブレイブウォリアーズや、B1から降格してきたばかりの西宮ストークスなどにも勝利してなんとかプレーオフに望みをつなぐも、ワイルドカード争いのライバルも勝利を重ね、最後まで追いつけずにシーズン終了を迎えることになりました。

チーム成績

 オフェンスに関する成績は昨季までと同様に高い水準。またこのシーズンはディフェンスに関する成績についても改善が見られました。スティールとブロックこそ少ないですが、リバウンドはリーグ4位となっているように、ジョシュ・ホーキンソンとギャレット・スタツを中心として堅実に守れていた印象です。
 一方で、チームスタッツは悪くなく、勝率でもプレーオフに進出した昨季を上回りながらワイルドカード争いで敗れてプレーオフ出場権を得られなかった原因のひとつには、大事な試合で勝ちきれない「勝負弱さ」があったように思います。

 振り返ってみれば、2017-18シーズンはプレーオフに進出しながらもそのプレーオフで1勝も挙げることができませんでしたし、2016-17シーズンは終盤の西宮ストークスとの同地区首位争いで勝ち切ることができずにプレーオフ進出を逃すなど、「勝負弱さ」はこのシーズンだけでなくFE名古屋の歴年の課題となっていたといっても過言ではないかもしれません。

その他のTopics

◉宮崎恭行、ベスト3P成功率賞&ベストFT成功率賞をW受賞

 選手生命を危ぶまれるほどの大怪我から昨季ようやく復帰したばかりの宮崎恭行がベスト3P成功率賞とベストFT成功率賞をW受賞。
 3Pについてはリーグの規定数に届くかどうかギリギリのラインでしたが、最終戦となるアースフレンズ東京Z戦で18本中8本の3Pを沈めて見事に規定数をクリア。JBL2の元MVPが、見事なカムバックを見せてくれました。

◉伊藤大、引退

 FE名古屋一筋のキャリアを歩み、2017-18シーズンにはキャプテンも務めた伊藤大がこのシーズンをもって引退となりました。
 常人離れしたウィングスパンを武器にしたディフェンスはチーム随一で、短いプレータイムでも相手のウィングのエースプレーヤーを抑えるという重要な役割を果たしてくれました。2017-18シーズンのプレーオフで福岡のジョシュ・ペッパーズを相手に一歩も退かずにディフェンスをしていた姿が印象的です。
 なお、引退後はアンバサダーとしてFE名古屋を応援してくれています。

◉FE名古屋公認応援歌、誕生

 Bリーグ開幕以来、何度もFE名古屋のホームに来て会場を盛り上げてくれている音楽ユニット「マジカル♡パレードBEACH」が、FE名古屋の公認応援歌を作ってくれました。
 会場でも販売されたCDには、バックコーラスに選手やFEgirlsを起用したバージョンのものも収録。選手のバックコーラスは、なかなか聞き応えがありました…笑

勝手に選ぶシーズンMVP

 ジョシュ・ホーキンソン

 外国籍ルールの変更で外国籍選手への負担が大きく増したシーズンでしたが、大きな怪我もなく平均36.7分の出場でチームをけん引してくれました。
 インサイドでの奮闘や高精度の3Pもさることながら、攻守の切り替え時にチームの先頭を走り、相手の外国籍選手が戻り切らないうちにポストプレーを仕掛けて得点機会を演出するなど、数字に残りにくい部分での貢献も光りました。

印象に残った試合

 vs信州(2019/3/27) 

 群馬クレインサンダーズに連敗してプレーオフ進出に向けてもう後がなくなった中で、リーグ最高勝率の信州ブレイブウォリアーズのホームに乗り込んでの試合です。
 前半はリードして終えたFE名古屋でしたが、第4Qに石川海斗の2連続3Pなどで逆転されると、さらにアンソニー・マクヘンリーにも2連続で3Pを決められ、残り6分の時点で8点のビハインド。しかし、FE名古屋も山本エドワードや宮崎恭行が3Pを決めて再逆転すると、その後は点の取り合いとなり、決着はつかずにオーバータイムへ。
 オーバータイムでは宮崎恭行の4点プレーもあってFE名古屋が先行するも、信州も粘りを見せて石川海斗の3Pで再びリードは信州。2点ビハインドのまま残り時間も減っていく中、スタツが残り7秒で値千金の3Pを成功させます。
 これで決まりかと思われましたが、直後のディフェンスでスタツがファウルを吹かれてしまい、残り1秒でウェイン・マーシャルに2本のFTを与えてしまいます。
 1本決めれば同点、2本決めれば逆転という場面。しかもウェイン・マーシャルはこの日FTをすべて成功させており(6本中6本成功)、さらにこのファウルでギャレット・スタツが退場となるなど、完全に万事休すかと思われました。
 が、なんとここで、マーシャルがFTを2本とも失敗。マクヘンリーと三ツ井利也がオフェンスリバウンドに飛び込むも押し込めず、そのままFE名古屋の1点リードで試合終了。
 この試合だけを見てもプレーオフ争いという点でも、FE名古屋にとっては薄氷の勝利となった一戦でした。

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