服が好きだ。なんだか、どんな自分にも着る物ひとつでなれる気がするし、
Tシャツのデザインひとつで自分のアイデンティティ、考え方を伝えることができる気がする。

何より、気分転換に装いを変えることで、少し違う自分になれる気がするからだ。

よく、xx(どこどこ)のブランドの何々を着ているので、だとか、xxを持っているだとかいう声を耳にすることがある。

そういう場合、なんとなくその時の彼らに似合わないけれど、それを着ていることが一種のステータス的な感じで優越感に浸ることもできてしまうということもあるでしょうに。

基本、何を着ようが自由だし、心に満足心を得られるのであれば、好きにすればいいと思う。

それは個人の自由だ。

「装い」。身なりや外見を整えることを辞書では言うらしい。

場に合わせた服を着たり、礼儀として身だしなみを整える。とても大切なことだ。

お金を払いさえすれば、自由に、どんなものでも身につけることができる。
ステータスを誇示することもできる。

しかし考えて欲しいと思うことがある。

「それ、似合ってる？」と。いくら自由とはいえ、無理している姿を世間に見せていることは少しだけ辛い。

人は、「その場のTPO」によって、いかに上手に振る舞えるかが周りの評価につながることがある。
目上の人との商談や、誰かとデートするときに、明らかに個人の趣味に走り、周囲の人たちから浮き出していて、周りを困惑させることもある。

基本、匿名性を出すために服を選ぶ必要は無理しなくていいよ。って思うけれど、
「どう装うか」と言うのは、案外人間性が出てしまうことがある。

「その場に合わせる」とかでもなく、僕自身、「相手を不快にさせないか」「恥をかかせないか」と言うことが「装うこと」の大事なところではないかと思う。

場の空気を読むとかだけではなく、いかにその場を壊さないか。
もう一つ言えば、大事な人を困らせないか。とか？かもしれないね。

それ以外にも手っ取り早く自分が好きなものを伝えることもできるし、モッズやロッカーズ、それ以外の最近だとノームコアでもいいし、量産型と言われるものもそうかもしれない。

「私、こう言うものです」と言うものを伝える手段。

その人の趣味や価値観もだけれど、何より、振る舞いを重視されること。それが服で装うことの大切さなのかもしれないと思った。

単に、外見的なものだけではない。
こだわりを垣間見せることだけでもない。

似合うものを選べると言うことは、「自分の身の丈」を知ることができることでもある。
今の自分はどんなものか。それを似合う服を選べるかどうかで決まりがち。

その人が流行的におしゃれかどうかなんて、他人が決めることだ。
だから、なんでもいい。でも、どう着るかによって、生活のあり方が見え隠れしてしまう。

丈感があっている人、好きよりも似合うものを選べる人、それはどれだけ自分を自覚、理解しているかに繋がってくる。

もうひとつ、装いで思ったんだけど、服はその人を自由に色々な世界の人にさせてくれる。
別の意味でいうと、装うことは自分を本当の自分とは違うように、見せることができてしまうこともある。

カメレオンやナナフシと言う動物が擬態化していつでも変化させることができる。

本当とは違う自分を周りに見せてしまい、どうにもならなくなる人をたまに見かける。
インターネットが少し苦手なのは、「演じている部分」を見抜くことがなかなか難しいからだ。

「私こんなんです」とそれなりに計算された言葉とともに、言ったもんがちのように言ってしまうこともできる。

なかなか広い話になってきた。

でも、生きている証拠を示すために、自分を見せることも大切だけど、見合った自分を見つけるために装う。なるべく嘘をつかないように。

それができた時にはもしかしたら周りの人だけではなく、世の中にうまく溶け込んでいくことができるきっかけになるのかもしれない。

代官山にライブを見に行った。渋谷で銀座線を降りて、明治通りを歩く。イヤホンから流れる音楽はBeatlesのFree As A Bird。何となく聴きたくなったから。

おしゃれな人が多い。大企業が入った大きなビルがたくさんできている。気がついたら、そこはいわゆるイメージとしてのキラキラした東京が溢れていた。

喫茶店で時間を潰そうとして、コーヒーを飲んでいたら、面接をしている人たちがいた。

聞こえてくる言葉は、まるでこの世の全ての甘い蜜をまとめたような会話。

帰り道、代官山から渋谷に逆方向を歩く。キラキラしたビルが近づいてくる。どこかで見たような広告が溢れている。

仕事を終えたであろう人たちが、駅に向かう。みんな、どこまで真実を身に纏っているのか、わからなくなった。

自分とは関係なく、もしかしたら一生交わることのない人たち。

みんな、どうだい？今日も自分を保って布団に入れるかい？とか考えながら歩いていたらなんだか疲れてしまって、サウナに向かってしまった。

無になりたい。そんな気分で家路に着く。近所、落ち着く。

部屋に入り、コートを脱いで部屋着に着替える。誰にも意味を与えることのない姿に戻る。大好きなソウルのレコードに針を落とす。そこにいるのは誰のためでもない自分。

外見はなかなか正直だ。口で言っても伝わらない説得力やこだわりが見えてしまう。

振る舞いや装いは目は口ほどにものを言う。ではなけれど、なかなか厄介なものである。

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少し、140文字のSNSやめようかなーとか思うております