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『オタクの息子に悩んでます』岡田斗司夫 著

カフェ店主おすすめの一冊と、個人的に気に入っているツボをご紹介します。
今回取り上げるのは、幻冬舎新書の『オタクの息子に悩んでます』(岡田斗司夫 著)です。この本を読んだきっかけはこちらの記事でした。

そして、もともとはこちらのサウナの記事を拝読してこの方を知りました。

ちょうどわたしがサウナにはまり出して、サウナ関連の記事を読んでいた時でした。noteを始めて間もない頃でビクビクしながら使い方を覚えていたのですが、この記事のあまりの面白さに衝動的にスキとコメントとフォローを一気にしてしまいました。自分からコメントとフォローをしたのは初めてで、この時からnoteでの一歩を踏み出せた気がしています。


さて、『オタクの息子に悩んでます』は、朝日新聞の人気連載「悩みのるつぼ」から、その回答者の一人である著者の回答と、その回答にいたる思考プロセスをまとめたものです。
著者の岡田斗司夫氏については、「ドラマ『アオイホノオ』で太った濱田岳が演じていたアニメ界の人」という記憶しかなかったのですが、いろいろとスゴイ人のようです。
タイトルになっている悩みの他にも、「父親が嫌い」「母が物を捨てられない」「女優と結婚したい」「クラス内の位置が気になる」等、さまざまな悩みが寄せられ、それに対して著者は厳しくも愛のある回答をしています。そのユニークなアドバイスは鋭く痛快であると同時に、時に涙してしまうほどの深い優しさが感じられます。

この本のツボは、まえがきでも述べられているとおり、「人生相談本」ではなく「『問題に対する考え方』を教える本」だというところ。

人という生き物は本当にいろんな悩みを抱えます。寄せられた相談は、多くの人にとって一見自分には縁のない悩みに見えるかもしれません。でも、決して自分とまったく関係のないことではないのです。
著者の回答へ至る思考経路を追うごとに、「目の前にある問題にどう向き合うか」というスタンスと、「問題を抱えた人とどう向き合うか」ということを、並行して学ぶことができます。
わたしたちはつい自分の立場から見えることだけで判断して、合理的に物事を進めようとしがちですが、「相手の立場に立って考える」ことの大切さをこの本は思い出させてくれます。

悩みのない人はいないし、問題にぶち当たらない人もいないし、人とまったく関わらない人もいません。
すべての人にとって、この人生を生き抜くための分析力、思考力、そして寄り添い力が養える一冊。

いろんなことがスタートして、いろんな悩みが勃発しそうな春のひとときにぜひどうぞ。

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