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製菓の地図をひろげて

時々Youtubeで『透明愛好家tomei』さんのチャンネルを見ている。

その名の通り、透明なものを偏愛するtomeiさん。

tomeiなお菓子や雑貨に囲まれた生活をしているtomeiさん。

そんなtomeiさんにインスパイアされて、透明なお菓子を作ってみた。

写真は、ホワイトチョコレートを混ぜ込んだクリームチーズをゼラチンで固め、その上に葡萄を並べ、その上に透明なゼリーを流し込んだもの。



これらの画像をインスタグラムに投稿すると、作ってほしい、とオーダーがはいることがある。

できれば、老後は、オーダーを受けてからつくるお菓子屋さんとして生計をたてたいと思っている。


さて、先日、車で1時間ちょっとの距離にある新宮市の『スーパーセンターオークワ』に行った。

オークワの店内に、製菓材料屋さんで有名な『富澤商店』のコーナーができた、というので視察に行った。


東京旅行した時も思ったが、割と大きめのショッピングセンターだと最近は『富澤商店』が入っている率が高くなったなあ、と実感している。

それだけご家庭でお菓子づくり楽しむ人が増えたということだろうと思う。

製菓材料屋さん、職業柄、行くとテンションが上がるし、見てるだけで勉強になる。
(東京の『かっぱ橋道具筋』に行った時と同じく)

もうかなり前の話になるが(まだお店を始めて間もない頃だったと思う)、名古屋のミッドランドスクエア内にある製菓材料屋さん(あれも富澤商店だったのかな?)に行った時、品揃えが半端なく、知らない製菓材料や製菓道具がありすぎて、

「え?これを全部理解して使いこなせるようにならなきゃいけないの?」

と、恐れおののいた記憶がある。
(ミッドランドスクエアのそのお店はご家庭用というよりかなりプロユーズの品質と品揃えだったのを覚えている)

手取り足取り教えてくれる人もおらず、専門学校も行ったこともなく、ただ独学でなんとかしなければならなかった当時の自分にとって、今、眼前に広がる膨大な未知の製菓材料と製菓道具を目にした時は、ただただ恐怖でしかなかった。

これから自分が歩もうとしている道の途方のなさ、険しさ、厳しさがどういうものなのか、『圧倒的な物量』によって目の前に突きつけられた気がした。

ただ、それからもうだいぶ時間が経って、今、思うことは、それらの圧倒的な物量とバリエーションの製菓材料や製菓道具は自分にとって『全てが関係あるわけではなかった』ということ。

今はなんとなく『製菓の地図』の全容がわかってきて、『未知』の領域が徐々に減っていき、それゆえに、『自分にとって何が必要か』、そして『自分にとって何が不必要か』がわかるようになってきた。

どれだけ圧倒的な種類と物量のある製菓材料が目の前にあっても、それらは自分にとって『未知の存在』ではなくなり、パッと見回しただけで、関係ある /ない がだいたいわかるようになってきた。

本当はそういうことを、修行したり専門的な学校に通うことで理解できていくのでだろうが、ど素人なのに独学でなんとかしなければならなかった私は、『製菓の地図』の全容を知るのに、随分と時間を使ってしまった気がする。
(そういう意味で、専門学校に通うことは『近道』『最短距離』を教えてもらえる、ということなのだと思う)

『アナログな紙の地図を見て、広範囲を理解してから目的地に行く』のと『カーナビで目的地を設定して最短距離で行く』の違いかもしれない。

今は随分デジタル化が進み、欲しい情報がピンポイントで手に入る時代だが、私がカフェを始めた時はまだまだアナログな時代で、紙媒体に情報を頼ることが多かった。

地図だけを持って荒野に出てしまった感じ。

今思うと、本当に無謀だったな、と思う。

今は、未知の製菓道具や製菓材料に出会っても、恐れを抱くことはなくなり、むしろどうやって使うのかを想像するのが楽しくなっている。

先ほど『『製菓の地図』の全容がわかってきた』と書いたが、しかし、それは地図上のものを『認識している』だけのことであって、実際に『その場所に行ったことがある』ということではない。

なんとなく、世界の形状がわかってきただけで、まだまだ行ったことの場所の方が多いような状態。

製菓の世界地図を眺めながら、『行ったことのない場所』(作ったことのないお菓子)に行く(作る)ことは、これからもまだまだ続いていきそうだ。



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