cafe Scale's note 〜カフェスケールのノート〜

三重県尾鷲市のカフェ『cafe Scale』。 日々のこと、暮らしのこと、カフェのこ…

cafe Scale's note 〜カフェスケールのノート〜

三重県尾鷲市のカフェ『cafe Scale』。 日々のこと、暮らしのこと、カフェのこと、町のこと、本・映画・音楽のことを書きます。

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最近の記事

『効率』だけを考えるなら、カフェは必要ない仕事

写真は『キウイのタルト』。 ゴールドキウイをいただいたので、さらにグリーンのキウイを足して『キウイのタルト』を作りました。 先日、ニュースを見ていると、『食事は効率が悪い』という理由で普段の食事をプロテインと『完全食』のみにしているという男性の話題を見ました。 一日に2回。 食事の時間は20秒。 それで6年間生活し、健康上全く問題がないそうです。 このニュースについては色々な意見があるとは思いますが、この人の考え方(主張)はあくまで『効率』の話だと思います。 それ

    • 自分が食べたいものを作る

      シリコン型を使って2種類、お菓子を作ってみた。 『イチゴとルビーチョコレートのムースのレアチーズケーキ』 外側はレアチーズケーキ、中央はルビーチョコを使ったムース。 『サヴァラン』 ラム酒をひたひたに浸したブリオッシュ。 中央にアイスを乗せて、いただきます。 『イチゴとルビーチョコレートのムースのレアチーズケーキ』は、特にこういうレシピがあったわけでなく、なんとなく、自分でこういうものを作ってみたい、と思って作ってみました。 『サヴァラン』も、本来はアイスクリーム

      • コーヒー講座で伝えたいこと

        先日、尾鷲市内の住友生命さんでコーヒー講座を開講しました。 久しぶりに、コーヒーのこと、コーヒーの淹れ方、コーヒーの楽しみ方について講演・実演してきました。 講座ではまず座学をして、コーヒーに関しての基礎的な知識を教えます。 次に実際にコーヒーを淹れるための見本を実演で行い、その後、参加者のみなさんにも淹れてもらい、最後にまた、淹れてもらったコーヒーを飲みながら、質疑応答をして終わります。 座学ではまず、 「コーヒーとは何か?」 を説明します。 具体的・実質的なこ

        • 今、そこにある店を愛して欲しい

          尾鷲市内のある飲食店。 オープンして3年が経つそのお店は私の地元では、一番注目を浴びているお店だと思います。 毎月大きなイベントを企画し、毎週小さなイベントも実施しています。 オープン以来交流のあるそのお店は、3周年のイベント終了後に、リニューアルオープンのために1ヶ月の休業に入りました。 そして3年間働いていた数人のスタッフも卒業することになりました。 そのスタッフの新たな旅立ちの門出を祝して、ケーキを作らせていただきました。 さて、ある日の夜、別のSNSサイト

        『効率』だけを考えるなら、カフェは必要ない仕事

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          18本

        記事

          『PERFECT DAYS』と日常の芸術行為

          前回に引き続き、三品輝起氏の話。 『波打ちぎわの物を探しに』 三品輝起 読了しました。 『すべての雑貨』『雑貨の終わり』と、2冊にわたって雑貨について語ってきた三品氏。 ちなみに、この2冊は、自分にとってはおそらく、これまで読んできたどの本よりも重要なことが書かれていて、雑貨業界においてもある種の『歴史的マイルストーン』を、その長い道のりに、ドン!と突き立てたと思っているくらいの名著だと思うのだけど、僕の周りでこの歴史的名著を熱く語る人間を、ついぞ知らない。 三品氏

          200年後のカフェとは.....?

          昨年の11月29日、九鬼の網干場で行われた、書籍『二弐に2』(らくだ舎帆版室)の出版記念トークイベントに行きました。 登壇者は『らくだ舎』の千葉貴子・千葉智史夫妻(←『二弐に2』の製作者)と『トンガ坂文庫』の本澤結香さんと豊田宙也くんの4人。 書籍を読んだ感想も含めてちょっと色々と書きたいことがありますが、とりあえずこのトークイベントで個人的に思ったことを書きたいと思う。 (書籍そのものの感想はまた後日にでも) 『二弐に2』は、千葉夫妻が出版にあたり『200年後』をテー

          深夜の厨房で、マカロンと向き合う。

          毎夜毎夜、ホワイトデーの予約注文のクッキーを焼きつつ、同時進行でマカロンの練習をしていました。 マカロン、去年の12月(クリスマスの時期)にも集中して練習したことがあるのだけど(なぜか忙しくなってくるとマカロンの練習してる)、その時のことを思い出しながら今回も作ってみた。 ちょっと専門的な話になるけど、マカロンの作り方は大きく分けて2通りあって、『フレンチメレンゲ』を使って作る方法と『イタリアンメレンゲ』を使って作る方法があります。 『フレンチメレンゲ』は、卵白に直接グ

          深夜の厨房で、マカロンと向き合う。

          シュークリーム日和

          前回、前々回と、パイ生地、タルト生地について解説してきたので、今回はシュー生地について解説したいと思います。 スイーツに使う土台は大きく4つです。 ・スポンジ ・タルト ・パイ ・シュー です。 カフェスケール的に得意なのは、タルト生地です。 最近はシュー生地の勉強をしております。 . シュー生地、作ったことのある人はわかると思いますが、かなり面白い作り方をする生地です。 手鍋に水(私の場合は豆乳)とバターと塩を入れ、火にかけてバターが溶けたら、薄力粉と強力粉を入

          今日も誰かのBirthday、今日も誰かのAnniversary

          イチゴの季節なので、ホールのイチゴのタルトの注文を多くいただいています。 ありがとうございます。 タルト生地やタルトに使うクリームを作ることは、カフェの営業と同時進行で作れますが、最終的な仕上げ(イチゴのトッピングやナパージュ)はお店の営業が終わってから作業しています。 毎日割と夜遅くまで働いていますが、誰もいない深夜のカフェで、音楽を聴きながら、黙々と作業するこの時間帯が意外に好きなようです。 前回の投稿で『パートフィユテ』(パイ生地)について書いたので、今回はタル

          今日も誰かのBirthday、今日も誰かのAnniversary

          reproducibility(再現性)を高める仕事

          先日、久しぶりに『イチゴのミルフィーユ』を作った。 長らくミルフィーユの生地である『パートフィユテ』(いわゆるパイ生地)は冷凍のものを使っていたが、今回は『パートフィユテ』を手作りしてみた。 ひとくちに『パートフィユテ』と言っても、その手法はざっくりと3つに別れる。 『フィユタージュ・オルディネール』...生地でシートバターを折り込む。 『フィユタージュ・ラピッド』....生地で角切りバターを折り込む 『フィユタージュ・アンヴェルセ』.....シートバターで生地を折り込

          reproducibility(再現性)を高める仕事

          いつか笑顔でコーヒーが飲める日まで

          2024年の1月1日。 能登半島を中心に大規模な地震が発生した。 以下の文章は、地震が発生してから1週間が経過した時に書いたインスタグラムに投稿した文章。 そちらから引用する。 以下、引用。 ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー 能登半島の地震から1週間が経ちました。 ニュースやネットによる情報で、被害状況がだんだんと明らかになってきました。 こういう時、 「何かの役に立ちたい」 と思うのは、社会生活を送る人間の真っ当な精神状態

          いつか笑顔でコーヒーが飲める日まで

          カフェのことを発信し続ける理由

          写真は『抹茶のフォンダンショコラ』。 ナイフを入れると中から熱々のチョコレートがトロ〜っと出てくる。 (その熱々のチョコレートを、冷たいアイスクリームと一緒に食べる) 最近、私物として買ったドワーフのケーキピックを乗せてみた。 森に住む小人が、斧でパッカーンとフォンダンショコラを割ったように見える…..かな? 昨年(2023年)、大学を卒業して以来、20年以上ぶりに、大学時代の先輩と再会した。 大学の先輩とは卒業以来ずっと会っていなかったが、SNS上ではずっと繋がっ

          カフェのことを発信し続ける理由

          年末の大仕事と『老後』という言い訳

          年末の大仕事といえばクリスマスケーキ。 2023年も無事、注文をいただいたクリスマスケーキを納品した。 クリスマスは1年の中でも特に忙しく、懸念していた右手の腱鞘炎の再発が現実のものとなるくらい、右手を酷使してしまった。 しかし、その甲斐もあって、クリスマスケーキは多くの人の元に間違いなく届き、注文をいただいた方々にはもれなく喜んでいただけた。 2023年は、飲食の業界でも(悪い意味で)話題になったニュースがいくつもあった。 食中毒に関するニュースが目立ったが(私が住

          年末の大仕事と『老後』という言い訳

          「だからこそ」、自分の仕事を全力で。

          2024年になりました。 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。 元日から波乱の幕開けですが…..今年もよろしくお願いいたします。 2023年を少し振り返ろうと思います。 2023年はコロナが5類に引き下げられたこともあり、結構移動した年でした。 京都に複数回行き、 初めて岐阜県は白川郷に行き、 何度目かの東京に行き、 そして2回目の金沢に行きました。 特に何年かぶりの東京の旅行は、かなり自分的には勉強になり、その後成長を促すきっかけにもなったように思い

          「だからこそ」、自分の仕事を全力で。

          情報を共有し合える仲間と

          写真は『むらさきいものモンブラン』と『かぼちゃのモンブランタルト』。 むらさきいもの場合はむらさきいもを、かぼちゃの場合はかぼちゃを蒸したり鍋で煮込んだりして、柔らかくし、それを裏ごしし、あとはバターや生クリームを混ぜ、クリームを作る。 先日、友人に 「むらさきいものモンブランに使ういもは手で裏ごししてるんですか?」 と聞かれ、 「はじめはハンドル式の裏ごし器で粗めに裏ごしして、次に一番目の細かいメッシュの裏ごし器で、しゃもじを使って手で裏ごしする」 と答えると、

          インスパイア系の行く先

          『インスパイア系』というワードを調べてみると、 という説明が出てくる。 主にラーメン業界で使われる用語らしい。 この説明文の中で大事なのは 『ネタもととなる本家の店で修行することなく』 という部分だと思う。 このnoteでも何度も書いていることだが、私自身、どこかで習ったとか修行したという経験もなく、下積みの経験もなく飲食店を始めてしまったので、始めてから色々と独学で学んだ。 (仕事をしながら手探りで仕事を覚えた) 『実学』と称して、他のお店に行って、コーヒーや