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深夜の厨房で、マカロンと向き合う。

毎夜毎夜、ホワイトデーの予約注文のクッキーを焼きつつ、同時進行でマカロンの練習をしていました。

マカロン、去年の12月(クリスマスの時期)にも集中して練習したことがあるのだけど(なぜか忙しくなってくるとマカロンの練習してる)、その時のことを思い出しながら今回も作ってみた。

ちょっと専門的な話になるけど、マカロンの作り方は大きく分けて2通りあって、『フレンチメレンゲ』を使って作る方法と『イタリアンメレンゲ』を使って作る方法があります。

『フレンチメレンゲ』は、卵白に直接グラニュー糖を入れて攪拌する方法。
『イタリアンメレンゲ』は、手鍋にグラニュー糖と水を入れて火にかけシロップを作りそのシロップでメレンゲを作る方法。

去年、イタリアンメレンゲを使ったスイーツを作った時にピンッときて、なんとなしにそれでマカロンを作ってみたら案外上手くできて、「そうか!イタリアンメレンゲでマカロンを作ればいいのか!」と今更ながらに気づいて、それ以降、イタリアンメレンゲを使ったマカロンを作っています。

とはい百発百中でイタリアンメレンゲのマカロンがうまくいくか、というとそうでもなくて、失敗する率がかなり高くて、夜な夜な、オーブンを開けては失敗したマカロンを見て

「なんで出来ないんだー!」

と絶叫しておりました。

失敗したマカロンをゴミ箱に捨てる虚しさったらないですね。

夜な夜な試行錯誤を繰り返し、うまくいく方法を探って探って、なんとか成功率も上がってきました。

これも専門的な話ですが、マカロンにおいて重要な作業である『マカロナージュ』と『乾燥』の過程は、『やってみて(失敗してみて)覚えていく』しかないのです。

いわゆる『テクスチャー』のフェーズの話なので、グラムや時間など、数値に置き換えて表現することができず、見た目と手の感触だけで判断しなければなりません。

だから『見極める経験』が必要になります。

製菓において重さや時間など、『数値』に変換できるものがあれば、失敗は少なく、再現性は高くなりますが、『テクスチャー』(質感・見た目・感触....)で判断しなければならない場合は、実際に自分でやってみないとわかりません。
(本や動画などではどうしてもわかりづらい)

テクスチャーによる判断のお菓子は、『何が成功で何が失敗か』という経験を重ねないといけない,,,,ということを今回のマカロン作りで身をもって知りました。

まあ、それだけ『テクスチャーで判断するお菓子』から逃げてきた、ということなんですが.....


やっと『失敗の経験』を積み重ねてきて、『ここまでなら失敗』『ここが成功』『これ以上は失敗』がわかるようになってきました。

『失敗』と『失敗』に挟まれた『成功』の感覚を掴むまで、かなり時間がかかってしまいましたが、多分、必要な通過儀礼だったのだと思います。

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『ルビーチョコーレートのガナッシュのマカロン』

↑ピンク色のマカロンは、中にルビーチョコレートを使ったガナッシュをサンド。


『バタークリームとみかんのコンフィチュールのマカロン』

↑オレンジ色のマカロンは、バタークリームとみかんのコンフィチュールをサンド。


このマカロンはバレンタインデーのお返しとして、個人的に作ってみたもの。

商品化するにはまだ色々と課題が残っているので、とりあえずバレンタインにお菓子をくれた友人に練習も兼ねてプレゼントとして作ってみました。



『抹茶のマカロン』

マカロンの生地に抹茶を混ぜて、ガナッシュにも抹茶といホワイトチョコを使いました。

『ほうじ茶のマカロン』

マカロンの生地にほうじ茶を入れ、中身はバタークリームとあんをサンド。



2種のマカロンを、チョコレートタルトの上に並べました。

このマカロンを乗せたチョコレートタルトは、『おわせマルシェ』の3周年のお祝いにプレゼントさせていただきました。



お菓子作りをする時は、数多あるレシピやバリエーションの中から、

『スケールらしいものとは何か』

を選んで作るようにしています。
(とはいえその『スケールらしさ』もまた、私の主観によるものなのですが....)

『スケールらしいマカロン』を考えた結果、これがその答えのような気がしています。


ホワイトデーと並行して練習きてきたマカロン作りの挑戦は、とりあえずはこれにて終了。

連日マカロンと向き合ってきたおかげでとりあえずは、ある一定の水準には達したように思います。

やってみて、色々と可能性が広がったので、あまりブランクをおかずにまた練習してみようと思います。



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