雨の日は、昔、私にとってゆううつだった。
朝起きて雨が降っていると気分はしぼんだ。

いつからか、雨の日もそれなりに楽しめるようになってきた。

そのきっかけは、ハリウッド映画だった。（タイトルは忘れてしまった）
雨の日、主人公がシックなインテリアのリビングで、庭に続く大きなガラス扉から外の景色を見ながら考え事をするシーンだったと思う。
映像の美しさもあるが、その光景がなんてきれいなんだろうと心に残った。

リビングが整えられたきれいな部屋だったから美しいと思えた気がして、家の中をきれいに掃除することにも努めた。
きれいな場所だと、どんな天気の日も気持ちがいい。

家の中から見える青葉が雨にぬれてきれいな緑。
誘われるように外に出て近くで見たら、生き生きとした葉に水玉がコロコロ光って見とれた。

茶色いペンキを塗ったテラスには水がたまっていて、紅葉の葉からポトンポトンと落ちる水滴が水たまりにいくつも小さな輪を広げる。
静かにやさしく広がっては消え、広がっては消える。

雨の日だから楽しめる光景。
見る角度を変えると、雨の日もいいもの。

お読みいただき、ありがとうございました＾＾