カフェバグダッド

中東コラムニスト。エジプト、イランに在住9年。中東の奥行きの深さを、文化、歴史を交えて…

カフェバグダッド

中東コラムニスト。エジプト、イランに在住9年。中東の奥行きの深さを、文化、歴史を交えて日本に紹介。マガジン「中東シネマ倶楽部」随時更新。ウェブストア https://cafebaghdad.booth.pm/ 執筆依頼などは、kubo3070★gmail.com (★→@)まで。

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  • 中東シネマ倶楽部

    中東(オリエント)地域の映画レビュー、映画祭リポートをお届けします。

  • カフェバグダッド20年史

    2004年に設立された「カフェバグダッド」の歴史を振り返ります。サブストーリーとして、SNS発展史との関係を記した連載も収録しています。

  • カフェバグダッドニュース

    プレスリリースを含め、カフェバグダッドについての過去のお知らせなどをまとめています。

  • 【マガジン】ネット中傷・ネットリンチにどう対応するか

    自身の経験をリアルタイムに紹介し、ネット中傷・ネットリンチを対処する際のヒントを示せればと思います。

  • この広い世界を知るための10皿

    世界各国・地域の食文化を10皿で紹介する記事を集めたマガジンを作りたいと思います。皆さんが旅先などで印象に残った料理の数々をぜひ10皿にまとめて記事にして、#世界を知るための10皿 とハッシュタグをつけて公開ください。自分で撮った写真がなければ、ツイッターやインスタグラムで見つけた写真をツイートごとはめ込むことも可能です。タイトルは「○○(料理)を知るための10皿」を基本としますが、「ワイルドすぎる中東飯、クルド料理を知るための10皿」のような形容詞や前振りを加えても構いません。10皿そろわなければ5皿でも。国のくくりにこだわらず、地方、民族、都市(例・パリのカフェ飯を知るための10皿)といったものも歓迎です。質問はコメント欄に遠慮なくお寄せください。

最近の記事

進行中の戦争の現場で撮影されたフィクション…レバノン映画「戦禍の下で」

イスラーム映画祭の2日目はレバノン映画「戦禍の下で」。フィリップ・アラクティンジ監督(Philippe Aractingi)の長編第2作で、2006年7月に起きた「第二次レバノン戦争」を題材にした作品。 「第二次レバノン戦争」は、レバノンでは通常「7月戦争」と呼ばれ、日本メディアは「レバノン紛争」と表記する場合が多い。「第一次レバノン戦争」とは、1982年にイスラエル軍がレバノンの首都ベイルートまで侵攻した戦いのことを指す。 この作品、2008年の「SKIPシティ国際Dシ

    • 浴場から描かれる凄惨なテロの時代…「私は今も、密かに煙草を吸っている」

      今年のイスラーム映画祭が、東京・渋谷のユーロスペース(ユーロライブ)で開幕した。初日の16日、2本目のアルジェリア映画「私は今も、密かに煙草を吸っている」からのスタートとなった。 アルジェリアの首都アルジェにある、公衆浴場の女性風呂が舞台。中東で今もよくみかける「ハンマーム」(ハマム)とよばれる銭湯は、湯舟につかる日本の銭湯とは違い、スチームの風呂。アルジェリアでの撮影が認められず、ギリシャ・テッサロニキにある歴史ある公衆浴場でロケしたという。 時代設定は1995年。アル

      • カフェバグダッド年代記⑧(了)-コロナ禍きっかけにZINE作り、文フリ出展

         2016年早春に帰国して、カフェバグダッド活動を再開したのは、帰国から2年後の2018年4月のことだった。トルコのお菓子「ターキッシュ・ディライト」(ロクム)を輸入販売していたトルコ人の方と知り合い、その方がトルコ家電メーカーに勤務していた人だったこともあり、トルコの2種類のコーヒーメーカーで、コーヒーを作り、飲み比べをしようということになった。 「スペースマーケット」というネット上で民家などを時間借りできるサービスを利用し、世田谷区内の一軒家をレンタルして会場にした。

        • カフェバグダッド年代記⑦-カイロの伝統的なカフェを味わう小イベント

          2011年という年は、日本国内では東日本大震災という未曽有の大災害で、岩手、宮城、福島の3県を中心に多くの犠牲者が出た年。 一方、中東では、前年暮れにチュニジアで始まったいわゆる「アラブの春」と呼ばれた民主化・反政府運動で、多くの血が流れ、劇的な政変が起きた年になる。 東日本大震災直後にイランから帰国し、新聞社の国際部で、この「アラブの春」報道の対応に追われる。途中から、「中東担当デスク」となり、連日中東など世界から届く大ニュースを「さばく」デスクとなり、生活は多忙を極めた

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        記事

          カフェバグダッド20周年&"ゼロ"プロパガンダン展10周年・合同イベント

          節目の年の春に、それぞれの活動の歩みを振り返りながら、中東のカフェとプロパガンダの未来を展望しようと、会期5日間のイベント「カフェとプロパガンダ」を企画しました。東京・荻窪のエレキギターショップのショールームを使った会場が、中東とプロパガンダについてのカフェに変わります。トークイベントには今、旬の中東ウォッチャーが登場。中東菓子バクラヴァ付きの回もあります。トーク以外の時間は、ドリンクを注文していただき、カフェとしてご利用できます。見る・聞く・食べる中東の世界で、満ちたりたひ

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          悪質なネット誹謗中傷の開始から1年--被害を減らすために

          カフェバグダッドと、友人の比呂啓さんに対する常軌を逸した悪質な誹謗中傷がツイッター(現)上で始まって1年になる。始まって数か月の経緯については、以下のnoteマガジンを参照してほしい。 人の名誉を傷つける、口汚い言葉の暴力の数々(マガジンで指摘していないものが、まだまだある)は、人間という生物の、最も悲しく、哀れな側面が表れていて、複雑な気持ちになる。今もネット空間に存在している、こうした中傷ツイートが放置されていることは、到底容認できない。書き込んだ方々には、即刻消去を改

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          カフェバグダッドと日本SNS発展史⑨(了)--SNSからZINEへ

          さて、SNSからみたカフェバグダッド活動の振り返り連載も、これで最終回。Tik Tokとか、Threadsが登場するのか、と予想している方もいらっしゃるかも知れない。 しかし、実をいうと、この2つのSNSについては、あまり言及することがない。Tik Tokに関していえば、まず、動画というものが苦手なので、手も足も出ないという感じだ。Threadsについていうと、Twitter(X)の代替とした期待されていたこともあったのだろうが、現在のところ、シフトする強い理由が見当たらな

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          マクルーバ・ガイド「Oh! Maqluba」を作りました

          「食」を入口に世界に関心を向けていく、というのは誰もがとっつきやすい方法だと思います。私も、初めてイランに行った1991年に、羊の脳みそのソテーをパンにはさんだ「サンドイッチ」を、初めてエジプトに行った1998年にハトのグリルや、ゴマのペースト「タヒーナ」を食べ、そのおいしさに驚き、中東への興味をさらに深めた経験があります。 パレスチナやシリアなど、アラブ圏の東部地域に「マクルーバ」というコメ料理があります。アラビア語で「ひっくり返されたもの」という意味を持ち、文字通り、鍋

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          カフェバグダッドと日本SNS発展史⑧--note

          さて、いよいよというか、なんというか、noteの登場だ。カフェバグダッドがnoteを始めたのは、2018年5月28日。ちなみに最初の記事は、「モロッコ・カフェびたり紀行」だった。 先日、noteプロデューサーの徳力基彦さんのレクチャーを東京・麹町のnote本社で聞く機会があった。徳力さんは、「自分はブロガーだから」と盛んに言っていたのが印象的だった。ブロガーの徳力さんが、noteのプロデューサーなのだから、やはり、ブログの延長上にあるsnsなんだろう。その上で、他のsnsと

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          Oh! Maqluba(オー!マクルーバ)の正誤表

          訂正点を以下に記していきます。 p18 囲みコラム 在日クウェート大使館のシェフ大使館を→在日クウェート大使館のシェフを

          Oh! Maqluba(オー!マクルーバ)の正誤表

          カフェバグダッド年代記⑥-アラブとイランの詩と音楽

          カフェバグダッド活動の年代記。2007年はイベントをひとつも開催しなかった。理由はもう記憶にはないが、おそらく、勤務地が、北関東の県庁所在地から東京本社になり、いろいろ忙しくなって、イベントを開く余裕がなくなったためではないかと思う。東京に引っ越したのだから、逆にやりやすくなったんじゃないのか、と言われそうだが、まあ、そんな感じだったと思う。明けて2008年、この年の夏には、私は日本からイランに異動になる。その前の4月に、おそらく過去で最も盛況だったイベントを実施する。 2

          カフェバグダッド年代記⑥-アラブとイランの詩と音楽

          法人note勉強会に参加した②…「コアファンに向かって発信せよ」

          さて、1回目の報告では途中から脱線した感じになったが、さらに続けていく。徳力基彦さんのレクチャーのエキス紹介の第2回目。 「コアファンに向かって発信せよ」(徳力さん) これ、「当たり前だよね」と思う人も多いと思いますが、意外にストレートに実践している人は少ない気もします。 ついつい、新規ファンの獲得のほうに目線が向いてしまうからです。徳力さんによると、コアなファンに発信することで、同時に新規、つまり、まだ企業や商品についてあまり知らない人にも発信することになるのだそうで

          法人note勉強会に参加した②…「コアファンに向かって発信せよ」

          カフェバグダッド年代記⑤-モスク見学付き、アラブ人学者によるアラブ人論

          カフェバグダッドイベントは回を重ねていく。アイデアはいろいろ浮上してはきたが、どうすれば、参加者の満足度を高められるかを考えながら、試行錯誤で取り組んでいった。 座学だけではないイベントということで行ったのが、「アラブ人と仲良くする方法」と題した金子貴一さんのトーク。金子さんは、カイロ在住が長く、エジプトやイラクなどでメディア記者やコーディネーターを務めたことがある方。現在は、海外、日本のユニークな場所を訪ねる観光ツアーのガイドをつとめている。「秘境添乗員」などの著書もある。

          カフェバグダッド年代記⑤-モスク見学付き、アラブ人学者によるアラブ人論

          法人note勉強会に参加した①…「とりあえず書いて」と言われる

          東京・麹町のnote本社にはじめておじゃました。中央線・四谷駅からすぐ。オフィスビルに入居している「wework」のかなり広いスペースだった。 noteプロデューサーの徳力基彦さんがスピーカーをつとめる「法人note勉強会」に参加するためだった。企業向けのnote高機能プランの使いこなし方をレクチャーするというもの。無料。これまで徳力さんのSNSなどでの発信に注目してきたこともあって、実際にリアルの場で話を聞いてみたい、というのが、参加の動機だった。 個人的には、昨年夏に

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          カフェバグダッド年代記④-映画、音楽テーマに自分も楽しみながら

          しばらく間があいてしまったが、カフェバグダッド・イベントの第4弾以降を振り返る。時期でいうと、2005年のことだ。 個人的にも映画が好きなので、中東の映画も積極的にとりあげた。この年の4月、東京で国際交流基金の主催で、アラブ映画祭が開かれる。2003年のイラク戦争が日本でも大ニュースとして伝えられたことで、文化的側面からイラクを含めたアラブ圏を理解しようという機運が高まっていたことが開催の背景だろう。 カフェバグダッドは民間団体だったが、アラブ映画祭開催に先立つ2月に、「イラ

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          カフェバグダッドZINEを買える場所と、当面の販売予定

          カフェバグダッドが発行しているZINEをリアル、ネットで購入できる場所を改めて整理してご紹介したいと思います。(2024.1.31現在) まず、リアルですが、都内では下北沢の本屋B&Bさん。 「日本で食べられる中東料理ガイドブック」や「カフェバグダッド・アンソロジー」さらに、比呂啓さん、じょいっこさんとの共著「Baklava BANZAI deluxe」も並んでいます。 また、西荻窪の「旅の本屋のまど」さんでは、「Baklava BANZAI deluxe」が購入可能で

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